ユースマニュアル2

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ユース・マニュアル 第1章「壁の街」

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プログラムの目的
若者たちが変化を計画する「誰か」に会って話をする。街が発展するのは「誰か」ではなく「自分たち」の活動によるものであることを、若者たちが自ら理解する。若者たちが自分たちの場所の未来のためのデザインに関して発言権を持つ。

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デザイナーにとっての利益
「あなた自身を描いて、それから友達を描いて、それから周りの様子を描いてください」という単純な指示によって、都市計画者にとってのデザインの宝庫が開かれます。自分と友人たちがいる様子を描き、周囲の様子を描写することによって、若者たちは「活動」の項目を加えてくれます。デザイナーはこれを最良のガイダンスとします。それによってデザイナーは自分の経験、知識、創造性を理想の生活様式に適うように生かすことができるからです。デザイナーにとって若者たちの描いた絵は貴重です。それらは他の方法では得られないデザイン・データを提供するからです。若者たちは自分たちの環境について鋭い感覚を持っており、予算のことや管理のことなどの大人の考えにとらわれない新鮮な視点を提供します。

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実行前の手配
始まり:都市計画者を招待する
若者たちの環境に変化を与える計画に若者たち自身が参加するプログラムを開始する前に、計画者と意思決定者が彼らのアイディアを喜んで受け入れるということを確認する必要があります。

彼らは通常はその町の若者たちからのアイディアを考慮する用意があるものです。喜んで若者たちと語り合って彼らの気持ちを聞く用意があることを、理解してもらおうとするでしょう。市長および他の公証人たちも、少なくとも挨拶の部分だけでも学校にやってきて計画者と共に若者たちに会ってくれる場合があります。

「壁の街」の例
スタンレー・キングがバンクーバー市のロブソン広場のデザインのために同様の「壁の街」エクササイズを行っている様子を撮影した映画「恋人たちの椅子(チェアズ・フォー・ラバース、邦訳無し)」。カナダ映画庁、28分。

新聞、テレビ

地域の新聞やテレビは、都市計画に子供たちが参加するという出来事に興味を示す場合が多く、子供たちの描いた絵を掲載あるいは放映したいという意向を示します。その場合は保護者の許可が必要です。(訳注:子供たち自身の映像や写真も同様。)

子供たちを撮影するために好適な時間帯は「壁の街」エクササイズの後半、およそ9時半から10時の間です。(訳注:朝9時から始める場合)

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会場での準備
体育館でのセットアップ
床に6メートルほどの紙を広げます。生徒たちに紙を壁に貼ってくれるように頼みます。紙は2重にするのが最適ですが、もしも壁がデコボコしているようであれば増やします。

生徒たちが到着する

生徒たちに、壁に貼った紙の方を向いて、互いに詰めて座るように頼みます。最前列の生徒と壁の間に1メートル強のスペースを空けておきます。最前列の生徒たちに、エクササイズのために持ってきたパステルやフェルトペンを箱から出してくれるように頼みます。

地域の指導者や都市計画者を紹介する

地域の指導者や都市計画者に頼んで、生徒たちに自分たちの日頃の仕事のことや計画予定地について話してもらいます。また、該当地域に対する生徒たちのアイディアは計画する上で考慮されるということも話してもらいます。

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「壁の街」エクササイズ

9時「街がどうやって発展するかを見てみましょう」
「あなた方の地域の将来については、しばらく後で想像してもらいます。今はまず昔のことを振り返って、街が実際にどうやって発達するのかを見てみましょう。」

生徒たちに話しかけながら、茶色と青のパステルを使って地面と水を表す線を引きます。
「あまり誰も住んでいないときにこの土地にやってきた様子を想像してみてください。こうやって、あなたはカヌーに乗ってやってきました。

ここで何をしますか?
どんな音が聞こえますか。
どんな匂いがしますか?

ここにもっと長くいたいと思ったので、土地を幾らか買うことにしました。
友達がやってきて、小屋を建てるのを手伝ってくれます。
どこに建てますか?。。。ここですか?」


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「友達も住みたがりました」
「あなたの友達もここに住みたがりました。それであなたは土地を分けて、友達に区画を売って、家を建てるのを助けてあげます。買い物をするときはどこに行きますか。お茶を一杯飲みたいときは?レストランとお店が要りますね。何軒かの家は、改造してこういうサービスを提供するようになります。

嫌な匂いのする動物の皮や骨をトラックに積んだ人がやってきました。この人は工場を建てたいのです。」

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「さあ、街が出来始めました」
「お金を稼ぐことができるのは嬉しいですが、工場の匂いがあんまり近くでするのは
嬉しくありません。工場はどこに建てたらいいですか?あっちですか。。。?

さあ、こうやって街ができてきました。居住地域と呼ばれる、住むところがあります。商業地域と呼ばれる、買い物をするところがあります。そして、工業地域と呼ばれる、働くところがあります。」


ここで、知っている街の様子を思い出すように促します。そして、絵に何を加えたらいいかを考えてもらいます。生徒たちは、「病院」、「学校」、「消防署!」などと口々に言います。前に出てきてそれを描いてもらうように頼みます。

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「前に出てきて描いてみませんか」

素敵なアイディアがたくさんありますね!ここに来て絵に描き込んでください。パステルを使って自分のアイディアを描いてください。どんどんできていく街のどの辺りにあったらいいかを考えて描いてください。」

9時40分
「この街に住みたいですか?」
まもなく、ごみごみした街ができあがります。
「座ってください。みんなで描いた街を見てみましょう。ここに住んでみたいですか?」

必ずとは限りませんが、子供たちは多くの場合「住みたくない」と答えます。自分たちの住む都会の環境に似ているので、住みたくないと言うのです。描かれた街は、商店やコンクリートや自動車でごみごみしています。木はほとんどありません。うるさくて臭くて、ごみごみした街に見えます。

生徒たちにカヌーを見つけるように指示します。この場所が自然に溢れていたときには何が聞こえ、何が見え、どんな匂いがしていたかを思い出してもらいます。

「あなたが住みたいのはこんな場所ですか?この場所が自然だったときには、何ができましたか?今描いた街では、何ができますか?今、この街では何が聞こえますか?何が見えますか?どんな匂いがしますか?」

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都市の問題

「現在では地球上に60億人の人間がいて、その半分は都市に住んでいる。2050年には人口は90億人に増え、都会には60億人が住むことになると予想されている。」
ハンス・ロスリング博士、ギャップマインダー(訳注:「ギャップマインダーはスウェーデンの非営利組織。様々な国際的な統計を公開している。)
http://www.gapminder.org/videos/a-slum-insight/

「もしも誰もが私たちが築いたような都市に住むなら、それを支えるためには少なくとも地球が4つは必要です。」

写真はNASAがアポロ17号から撮影したもの。(1972年12月7日)

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もう一度やり直し。何をしたいですか?
「私たちの街を見てください。ここにあるのはどれも何かを解決するためにできたものですが、今では問題が何だったかということさえ分かりません。

もう一度デザインをやり直しましょう。そして、今度は「どうしたらいいか」ということは考えないで、建物のことも考えません。今度は「何がしたいか」ということを考えてみましょう。建物がいらない場合もあるのです。」


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個人的な経験と知覚(PEP)
「空気や暖かさを感じるのはどの部分ですか?」
「今ここにいる自分のことを考えてみましょう。周りに直接触れているのはどの部分ですか?」

生徒たちは「足」、「お尻」などと答えます。

「空気や暖かさを感じるのは体のどの部分ですか?」
「顔。」「手。」

「場所の雰囲気を感じたり、周りの人たちや生き物のことを考えたりするのはどの部分ですか?」
「頭。」「心。」

「歩いていたり立っていたりするとき、周りに触れるのは何ですか?
「足。」


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「では、時間の中心は?」
「見たり聞いたり匂いを嗅いだり味わったりするのはどの部分ですか?」
「目。」「耳。」「鼻。」「口。」

「では、時間の中心にあるのはどの部分ですか?」

生徒たちは、普通はこの問いに対してはしばらく考え込みます。
「脳みそ?」「心臓?」
「そうですね、それもいいですが、それは一番の中心ではありません。この部分が「時間ですよ」と言えば、ほんとにその時間なんです!」

そのうちに誰かが「お腹」と答えます。

「そう、その通り。下腹部は「食べる時間ですよ」と教えてくれます。下腹部が「トイレに行く時間ですよ」と言えば、必ず行かなくてはなりませんね!」

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地域の指導者あるいは計画者
「新しい場所での一日を想像してください」
生徒たちに、広場や公園や庭園や建物など、デザインの該当地域について説明します。

「さて、この場所がすっかりデザインされて、建物も全部あなたの希望通りに出来上がったところを想像してください。新しい場所での一日を想像してみましょう。何が見えますか?何がきこえますか?どんな匂いがしますか?どんなものに触れますか?どうやって動き回りますか?」

問いかけをしながら生徒たちに次ページのPEPの図を見せ、反応を導きます。

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(PEPの図)
(PEP)個人的な経験と知覚

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「人生の一日」エクササイズ・・・一日をデザインする
10:30 活動のタイムライン
生徒たちに手伝ってもらって「壁の街」の絵を外し、新しい紙の下、あるいは別の壁に貼ります。新しい紙に「活動のタイムライン」の図を書きます。

「新しい場所での一日を想像してみてください。季節はいつでもいいし、普通の日でもいいし、週末でもいいし、何か特別な日でも構いません。今度デザインすることになった場所で、何をしたいですか?朝の6時から始めましょう。」

生徒たちが何かの活動を発言したら、それを反復して、タイムラインに記入します。以下の図に見られるように、生徒たちのアイディアを彼らが指定した時刻と大体同じ位置に書き込むようにしてください。

心の中で、彼らが一日の活動をカバーしたかどうかをチェックします。(必要であれば答えを促します)
• 睡眠
• 入浴、トイレ
• 食事
• 生活必需品の買い物(食べ物、飲み水など)
•移動(動き回る)
• レクレーション
•仕事
• ゴミ捨て

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「「持続可能な活動」を簡単に言うと。。。」
11:00 AM 過去と未来の活動
紙がアイディアでだいたい一杯になったら、生徒たちに次の問いについて考えるように頼みます。

「タイムラインに書いた活動の中で、あなたのおじいさんやおばあさんが子供だったころにはできなかったことは何ですか?あなたの孫はその活動をしていると思いますか?あなたの孫の暮らしの質について考えて、その答えを説明してください。

あなたの孫の暮らしの質を考えることは、持続の可能性について考える一つの方法です。ある活動を持続可能なものにするのは何ですか?「持続可能」という言葉は、あなたにとってはどんな意味ですか?」


彼らの答えを受け入れ、もし正しい答えが出てこなかった場合には次のように説明します。

「簡単に言うと、自分の住んでいる環境や他の誰かの住んでいる環境を破壊しないで長い間続けることができるなら、その活動は持続可能だ、と言うことができます。では、タイムラインに書いたあなた方の活動では、どれがどれくらい持続可能でしょうか?

食べることとゴミを作り出すことについて考えてみましょう。。。どうやって一つの場所から食べ物を集めることができますか?どうやって食べ物が足りなくなるのを防ぐことができますか?

そうすると、持続可能な食べ物の供給というのは、いつでも食べ物があるようにしてくれるものを指しますね。もし生ゴミがたくさん溜まったらどうなりますか?」

この後、栄養の循環についての議論を続けることもできます。台所から出る生ゴミを堆肥にして、食用になるものを栽培するのに使う、ということなどです。

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「自分自身と友達を描いてください」
生徒たちは、タイムラインからそれぞれ自分の好きな活動のアイディアを選んで絵を描きます。一人一人に画用紙を渡します。生徒二人あたりにパステル一箱をあてがいます。生徒たちは体育館に散らばって自分のアイディアを描きます。このエクササイズの目的は、彼らが新しい環境の中でリストから選んだ活動をしている様子を想像し、自分の欲する環境を想像することです。

「その場所にいる自分を想像してください。デザインは全部済んで、あなたの理想の通りにできあがっています。そこで何をしているかを考えてみてください。まず、自分と友達を描いてください。それから周りの様子を描いてください。」

年長の生徒たちは文字で描写することを好む場合もあります。

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「それから周りの様子を描いてください」
「絵をもっとよく説明するために、周りの時間や雰囲気や音や匂いや味を説明する言葉を入れてください。絵の裏に名前を書いてください。」

すべての絵を展示する

全部の絵を床に並べ、生徒たちに順番に絵の周りを回って見るように言います。絵に番号をつけます。参加者すべてに評価表を渡します。一人一人で、声を出さずに、自分の活動の好みに応じて絵を評価してもらいます。

エクササイズを終了する
熱心に参加してくれたことを全員に感謝します。そして、彼らの絵は地域の人に見てもらい、公共の場所や都市計画者の事務所で展示されることを説明します。「壁の街」の絵を地域で展示する前に、生徒たちの許可を得ます。急いで描いたので、乱雑でごちゃごちゃしていることを嫌がる場合もあるからです。

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絵を展示する
展示する絵に添えるためのポスターを作り、生徒たちのプログラムを説明します。
*「保護者の夕べ」に生徒たちが主催するイベントを開き、飲み物や軽食も用意します。(訳注:「保護者の夕べ」というのは、授業参観と似た趣旨のものだが、もっと社交的な意味合いが強い)
*町役場や商店、ショッピングセンターなどの公共の場所
*地元の新聞
*ウェブサイト

生徒たちが歩行者および自転車のための独自の通行方法を強調しています。

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とてもいいです。ここで実現している様子を想像できます。
いいと思います。でも実現している様子は想像できません。
いいと思います。でももっとデザインに工夫が必要だと思います。

評価表のサンプル
アイディアを評価することで生徒たちに民主主義を示すことができます。

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必要なもののチェックリスト
紙(約1メートルx18メートル)
はさみ、またはカッターナイフ
マスキングテープ2巻き
パステル(生徒2人あたり1箱)
画 用紙(薄茶色のものを生徒一人あたり一枚。予備も用意する。)
評価表(一人一枚。予備も用意する)
カメラ
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by ammolitering7 | 2013-01-22 12:21 | 「ユースマニュアル」


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