ユースマニュアル4

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プログラム
若者たちが持続性について学ぶ
A、教師から(2-3時間)
B、若者たちが持続可能なデザインについて図書館でのリサーチプロジェクトを準備する。

若者たちが地域の年長者(専門家)を訪ね、持続可能な暮らしについて学ぶ

A.地域の年長者(専門家)を教室に招いて話をしてもらう(1時間)
B.地域の年長者(専門家)に率いられて持続可能な場所を訪れる(見学)

年長の生徒たちを進行係としてトレーニングする(ユースマニュアル)(1時間)

若者たちがデザイン・ワークショップとデザイン・フェアを企画・開催する

A.年長の生徒たちが年少の生徒たちに教える(3-4時間)
B、年長および年少の生徒たちが教師と共にアイディア・フェアを開き、地域の人々にプロジェクトや描画を見せる(一晩)

準備
*地域の年長者(専門家)に連絡し、学校を訪問してくれる日時を決めます。この訪問の目的は持続可能な暮らしについて語り合うことです。
*持続可能な場所への訪問を企画します。
*年長および年少の生徒たちのグループのリーダーがプロジェクトの進行とデザイン・フェアの企画について会議を開きます。

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若者たちが持続性について学ぶ
課題:持続性とは何か?エコロジー的な視点(1時間)
このレッスンの目的:このレッスンを通して年長の生徒たちに「人生の一日」エクササイズを導入します。(以下に紹介しています)このレッスンを通じて彼らは自分たちのことを環境に繋がったエコロジー的な生き物であると理解するようになります。のちに、彼らは持続可能な暮らしについて独自のリサーチを行い、学んだことを年少の生徒たちと共有します。

アクティビティー

1、「人生の一日を想像する」および「壁の街」エクササイズの中の持続性に関する対話。
2、エコロジー的なニッチ
3、持続可能な学校におけるPEP(個人的な経験と知覚)

「人生の一日を想像する」エクササイズ(30分)

紙の真ん中に横線を引きます。(約6メートル)おおよそ真ん中の辺りに印をつけ、太陽の動きに合わせた弧を描きます。下図のように時刻を刻みます。


「「理想的な人生の典型的な日」を想像してください。場所は地元、季節はいつでも構いません。普通の日でも、週末でも、特別な日でも構いません。」

それから、デザイン予定地で朝6時から時刻ごとに何をしているかを尋ねます。生徒たちが活動を述べるたびに、その発言を反復し、弧の中に書き込みます。下図のように、彼らのアイディアをおおよそ彼らが提案する通りの時刻に書き込みます。

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必要な活動
心の中で、一日の活動が網羅されたかどうかを確かめます。(必要であれば促します)
• 眠る、休息をとる
• 入浴、トイレ
•食事
•生活必需品の買い物(水、食べ物など)
• 動き回る
• レクレーション
• 仕事
• ゴミ捨て

過去と未来の活動
紙がアイディアでだいたい一杯になったら、生徒たちに次の問いについて考えるように頼みます。

1、「タイムラインに書いた活動の中で、あなたのおじいさんやおばあさんが子供だったころにはできなかったことは何ですか?」
2、「あなたの孫はその活動をしていると思いますか?」
3、「あなたのおじいさんやおばあさんが行っていたことの中で、どの活動が「持続可能」で、どの活動はそうではないと考えられますが?」
4、「ある活動を持続可能なものにするのはどんなことですか?」
5、「持続可能」という言葉は、あなたにとってはどんな意味ですか?」


彼らの答えを聞き、紙に書きます。もし正しい答えが出てこなかった場合には次のように説明します。

「簡単に言うと、自分の住んでいる環境や他の誰かの住んでいる環境を破壊しないで長い間続けることができるなら、その活動は持続可能だ、と言うことができます。ここにあなた方が言った「人生の一日」の活動がありますが、これは持続可能ですか?食べることについて考えてみましょう。近くから食べ物を集めて、食べるものがなくなることがないようにするにはどうしたらいいですか?それから、生ゴミが山ほど溜まっていたらどうしますか?生ゴミはどこに行くでしょうか?あなたの友達がここに住みたがって、自分の別の友人たちも連れてきたらどうしますか?」

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私たちのエコロジー的なニッチ
(訳注:ニッチの定義「ある生物が生態系の中で占める位置。生態的地位。ニッチェ。 」大辞泉 より)

「人生の一日」は私たちの日常の暮らしを代弁するものです。私たちが住むところは環境と呼ばれます。どんな生き物も(クラゲ、蚊、 サナダムシ、熊、蟻、ナメクジ)、その暮らしを通じて、そして環境を知覚することを通して環境と交錯します。どんな生き物であれ、その暮らしと環境をまとめる一言があります。何と言う言葉か、分かる人はいますか?」

「その言葉は「ニッチ」です」


「生き物のエコロジー的なニッチは、それがどこに住むかだけでなく、何をするかにもよる。分析すれば、生物学的には生息地とは生物の「住所」であり、ニッチとはその「職業」であると言えるだろう。」
「エコロジーの基盤」(オダム著。WBソーンダーズ社、フィラデルフィア1959)

環境を知覚する:話し合い(5分)

「動物は様々な感覚を通して環境を経験します。私たちと動物たちが共通して持っている感覚は何でしょうか?嗅覚、バランス感覚、視覚、触覚、聴覚、動き、これらは他の多くの哺乳類や 脊椎動物と共通して持っています。私たちは持っていないけれど動物たちは持っている感覚には何がありますか?」

磁場の知覚 ー 伝書鳩
紫外線 ー 蜂
足に味覚を感じる器官がある ー ハエ

「動物の生涯を形作るのはどんな活動ですか?ヒトデを例にとってみましょう。ヒトデがするだろうと思うことを全部挙げてください。(動き、食べる、エサをとる、逃げる、排泄、、、)ヒトデの個人的な経験と知覚(PEP)の図を描いてみましょう。」

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持続可能なニッチ

(イラスト)活動の周辺

視覚:周りに何が見えますか?光は?色は?
(視野の分類図)

音:風、声、音楽、車の音など?
味と匂い:食べ物と飲み物、空気?
触覚:空気、陽光、熱さと冷たさ、地面、手触り?
雰囲気:どんな感じの場所?
人々:周りの生き物は?近く?遠く?人は何人?
時間:いつこれをする?どれくらい長く?
動き:行動、移動、どうやってここに来る、どうやって帰る、動き回る、歩く、自転車、バス、または車など?

PEP 3
「個人的な経験と知覚」
スタンレー・キング、コ・デザイン・グループ

 「人生の一日」は日常の暮らしの流れを描写する手助けとなる
 PEP図で環境を描写する
 合わさることでこれらは人のエコロジー的なニッチを定義する

「地上のすべての生命体は必然的に持続可能な暮らしをします。もしもそうしないのであれば破滅的な結果が訪れるからです。私たちの都会的な現代の暮らしが、私たちの現在のニッチが、持続可能であるかどうか考えてみてください。ほとんどの生命体が実行しているようなものに倣った新しいニッチを、どのように定義できるでしょうか?

「良い暮らし」を定義することを考えてください。惨めな暮らしや貧しい暮らしではありません。もしも私たちが理想的に持続可能な暮らしをしたなら、私たちのニッチはどのようなものになりますか?新しいニッチにおいて、あなたは何を見て、聞いて、匂いをかいで、触りますか?あなたの一日はどんな様子ですか?」

「持続可能な学校という環境でのあなたのPEP図を描いてください。PEPの人体の周りにメモを書いてください。」

生徒たちが作業を終えたら、書いたものを発表してくれるように頼みます。

「1組のみなさん、動きと循環の項に何を書きましたか?二つ挙げてください。5組のみなさん、雰囲気には何を書きましたか?6組のみなさん、どんな音が聞こえましたか?」

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(イラストのみ)

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「生徒たちのアイディア」
一般
光の入る窓際で作業。
外で作業。
太陽光で部屋を暖める。
暖かくて明るい作業場。外で遊ぶ。
エコロジー的な暮らしを勧める標語
太陽光パネル
たくさんの植生
小さな駐車場
もっとたくさんの植生
公害がない
清潔な小道(訳注:公園の中などの小道を指す)
植生のある壁
夜は蛍光灯やLED(Light Emitting Diode、発光ダイオード) を使う
たくさんの窓
風力
水の生き物がたくさんいる池

雰囲気
じっとして凍えるのではなく、動いて暖まる。
相手を尊重した話し方をする
自然光
友達と一緒に活動する
互いの勉強を助ける
前向きな励まし
平和
機嫌の良い立派な先生
エコロジー的な暮らしを奨励する教師
励ます教師と協力的な生徒
幸せな先生
支援する先生(いろいろ助けてくれる先生)
選択する講座を分散してストレスを減らす
前向きな心構えのために何かのクラブに属する
持続可能だと感じる
ストレスを感じたときは散歩に行く
環境保護に取り組む組織でボランティアをする
ヨガ
もっと睡眠をとる
歌ったり踊ったりする

身の回りの人々や動物や植物

外で元気に遊んで暖房を節約する
屋根の上の菜園の世話をする
緑の壁からハックルベリーの実を摘む
家族や友達と散歩する
家族や友達とサイクリングをする
家族や友達と車を共有する(相乗りする)
家族や友達と公共交通機関を利用する
あまり長いことコンピューターの前に座らない

動きと循環
歩く
消防署の棒
滑り台
自転車、スクーター(訳注:片足で蹴って乗る子供の乗り物)、スケートボード、ローラーブレード
車を共有する
公共交通機関を利用する
走ったり踊ったりして暖かくする
持続可能な庭園を散歩する
ジョギング
盗難の心配のない自転車置き場、スクーターのためのロッカー、自転車のための駐輪施設(訳注:カナダでは自転車に鍵がついていないのが普通であり、塀や道路標識や細い木などに別に用意した頑丈な金属の鍵で固定する人が多い。駐輪用のラックがあればそれを使うが、慢性的に不足している。)
スケートボードで入れる入り口
生徒と先生のための無料の交通定期券
遊歩道
車が徐行するように道路に付けられた突起
車のない道
近くにバス停がある
近道
もっと大きな会堂
足で踏んでワインを作る
日本庭園の中の小道


アイポッドその他の電気機器やラジオではなく、鳥の声や自然な音を聞く
歌って暖かくする
持続に関する教育に耳を傾ける
歌うこと、口笛を吹くこと、鳥、風、風鈴
動物
車がない
滝、電気を使わないライブの音楽

ゴミ
堆肥になるトイレ
漂白剤を使わず、水の使用が少ないトイレ
便利な場所に置かれたリサイクル箱
あまり頻繁に小便をしない
消費者が使用した後の再生紙で作ったトイレットペーパー(訳注:再生紙の大部分は廃棄処分された未使用の紙を再生したもの)
トイレや洗い物に雨水を使う
もっと小さなゴミ箱
ゴミを分別する
ミミズを使った堆肥作り
生ゴミを堆肥にする箱

味と匂い
資源を節約するために果物と生の野菜を食べる
ゆっくり煮込んだ食べ物を食べる
地元で採れた有機栽培の食べ物を食べる
香水や人工の芳香剤を使わない

触覚
暖房節約のために室内で暖かい服を着る
地域の菜園で土に触れる
冷房ではなく自然の涼しい風で涼む
冷房ではなく海で涼む
机や白板を触る
人工芝ではなく自然の芝
有機栽培の食べ物を植える
リサイクル
本物の毛皮を触らない(訳注:動物愛護のため?)
雨水で手を洗う

持続可能な学校のためのPEP図


以上はプリンス・オブ・ウェールズ・セカンダリー・スクールの二つの学級の16歳の生徒たちが書いたコメントをまとめたもの。
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by ammolitering7 | 2013-01-22 12:43 | 「ユースマニュアル」


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