コ・デザイン デザイン参加の手法5

メディア

1、コ・デザインのワークショップは新聞やテレビその他のメディアによって好意的に取り上げられます。人々、特に子供たちが建築家と一緒にイメージを作るということは、ニュースにする価値のある事柄です。さらに、ワークショップはしばしば政治的な議論のある中で行われます。

2、アーティストが人々のアイディアを目に見える形にして描いているところは、テレビにとって格好の主題になります。ボランティアによるワークショップが放映されると、それはあとに続く公共のワークショップにとって格好の広告になります。

3、ジャーナリストも参加者として加わって、コ・デザインのダイアログの一部として行われる記者会見は一般への周知に役立ち、最高のデザイン材料を作り出します。ジャーナリストたちは描写能力に優れており、公のイベントを報じてきた経験から、公共の場所の環境について深く知るようになります。


開発者にとっての利点

1、時として開発者たちがコ・デザインのワークショップを主催します。これは経済的な理由によります。コ・デザインを行うのにかかる費用は、提案される開発のイラストができる、そしてそこで営まれる暮らしのイラストができる、ということで正当化されます。

そのようなイラストは、開発者が政府の都市計画責任者や近隣の住人や将来的な投資家や賃貸人にデザイン提案をするときに役立ちます。初期の段階で市民を交えることは、開発アイディアのための市場を、多額の投資をして資材を確保する必要が生じる前にテストすることになります。

2、開発プロセスの初期における市民対話によって、デザイン要素に対する反対意見を早期に発見して、時間の余裕をもってそれらに対処することが可能になります。反対する開発の要素に変更を加え、それをデザインの長所として取り込むこともできるので有益です。

市民対話によって調和と意見の一致が可能になります。それがなければ反対する市民の声は硬直した立場になることを余儀なくされます。そして、開発者は皆、市民による反対運動が非常に高くつくことを知っています。

3、地域社会にデザインへの助言を求めることで、開発者はもっと実質的なことでも利益を得ます。例えば、参加者の中には引退したエンジニアや経験豊富な管理職の人々もいるかもしれません。そのような参加者たちは、地元の知識に基づいた確固たるアイディアを提供するにあたって熱心に貢献してくれるものです。

開発者たちは、普通なら高いコンサルタント料金を払わねば得られないこうした広い経験を無料で得られます。先立つものが不足しているとき、これは多大な利点です。このようにして貢献するように依頼された参加者たちは、提案や開発計画や開発者を自分のものと感じるようになります。

地域社会が開発によって利益を受けることが分かると、「彼ら」が「私たち」となります。そして、計画が受け入れられることが確実になります。


組織化の段階

組織化には、大きく分けて4つの段階があります。

1、準備
2、ボランティアを集める
3、ボランティアによるワークショップ
4、市民ワークショップ(子供ワークショップ、早朝ワークショップ、イメージ作りを含む)

準備

コ・デザインのワークショップを開催するための議論は、およそ3ヶ月前に始まります。中心委員会と関心のある住民の全員が最初の会議に出席し、コ・デザインがそこで準備と手法について話し、ワークショップのプロセスを説明し、過去のワークショップの例とその結果を紹介します。

学童が参加する「壁の町」エクササイズについて、学校の担当者への説明も行われます。そのようなプロジェクトの詳細は契約書の中で説明されています。しかし、その内容は大いに幅があります。通常、ワークショップの料金はこれらすべての段階を含む均一料金です。(準備、ワークショップ、展示、レポート)

しかし、中心委員会がボランティアの役割として提示しているようにワークショップの組織化を行うなら、料金を割り引きます。ワークショップの組織化そのものに委員会を招き入れることによって、コ・デザインはワークショップ・プログラムにおける公共の所有の感覚をさらに強めます。


ボランティアを集める


1、ワークショップのおよそ6週間前、中心委員会がワークショップの組織化に責任を持つ少人数のボランティアグループを作ります。このグループは中核グループと呼ばれ、そのチームワークによってワークショップを可能にします。

2、コ・デザインの代表者は、地域の中核グループのメンバーと頻繁に顔を合わせます。最初の頃の会議では、ワークショップの目的は何か、ボランティアの役割は何か、ボランティアはどういう段取りで行動するのか、組織するにはだいたいどれくらいの時間がかかるのか、などの疑問に答えます。

3、ボランティア組織の役割は2つあります。
(1)ワークショップを地域のイベントにすること
(2)ワークショップにできるだけたくさんの人を集めること

多数の小さな仕事が明確化されます。これらは40人~100人分の参加者の助けが必要です。ワークショップの準備にたくさんの人が関わり、これらの人々がイベントに参加する可能性が高まります。

4、中核グループは、最初に60人までのボランティアを集める必要があります。これが不可能だと考える人もいます。「ボランティアをしようという人を60人もどうやって集めたらいいのか?委員会の会議に出る人を集めるのだって難しいのに!?」しかし、大した努力もなく、それは可能です。

5、例えば、コ・デザインとの準備会議に出席する中核グループのメンバーは、通常、ワークショップで使われる市民参加のプロセスについてよく理解しています。これらの人々は、ボランティアを集めるのに明らかにもっと大きな成功を収めます。

ボランティア候補者に打診するにあたっては、参加したくなければ断ってもよい、ということを分かってもらうことが大切です。また、他にもその仕事ができる人はたくさんいること、参加したいなら1つの仕事がある、ということを知らせます。

その地域で積極的にボランティア活動をしている人は、他の人々にその役割を譲るために断るかもしれません。それでもこれらの人々は、通常、このイベントに大きな関心を寄せ、成功すると安心するものです。

6、ボランティアを集めるときの要点は、あまり煩わしくない仕事、誰にとっても楽しい仕事、ということです。次に挙げるボランティアのリストは、およそ40人の参加が見込まれるワークショップのものです。挙げられた役割を果たすために必要なボランティアの人数(合計40人)は括弧の中に記されています。

(図)ボランティア構成
   中心委員会組織委員会
   進行係アーティスト
   コ・デザイン
   広告チーム
   電話チーム
   受付
   司会者
   カメラマン
   書記
   軽食担当者
   音楽担当者
   報告書作成チーム
   準備・後片付けチーム

A、組織委員会   イベントを計画し、報告書の作成を監督する(4~5名)

B、広告チーム   ポスターを作って掲示する(4~5名)

C、準備・後片付けチーム   壁に紙を貼り、あとで絵を丸めてラベルをつける。椅子を並べる。受付のテーブルを用意する。イベントのあとで会場を片付ける。(4~5名)

D、電話チーム   すべてのグループとコミュニケーションを取り、全員にワークショップへの参加を忘れないように連絡する。(4~5名)

E、受付   参加者を迎える。資料を手渡す。遅れてきた人たちを会場に案内する。(2名)
(イラスト)「本日、コ・デザインのワークショップを開催」

F、司会者   ワークショップの開会、目的の説明、コ・デザインの進行係を紹介する。ワークショップの閉会(1名)

G、ワークショップ進行係   タイムラインにすべての活動を記入し、アーティストを紹介する(コ・デザイン)

H、書記   現地視察でグループに同行し、発言を記録する。また、現場の様子を描写する少人数のグループでの話し合いをリードし、グループがアーティストに描画の指示をする間、知覚的な性質を記録する。(10名以上、参加予想人数の4分の1)

I、アーティスト   グループの指示に沿って活動の様子を描写する。(コ・デザインのアーティスト、参加者4人に対し1人)

J、軽食担当   飲食物の購入、並べる準備、ドリンクの用意(4~5名)

K、音楽担当   ギター、フルート、ハープなどで緩やかな音楽を演奏して議論の流れを和やかにし、デザインワークショップに穏やかなBGMを作り出す。ミュージシャンの手配ができない場合は、静かでリズミカルな音楽を録音したもので代用する。(1名)

L、カメラマン   イベントの様子や、ワークショップで作られたデザイン画や表を報告書のために記録する。(2名)

M、報告書チーム   報告書を書いてまとめる。(4~5名)

書記、軽食担当者、音楽係、カメラマンなどは本番のワークショップの間は仕事で忙しくしているので、通常一週間前に行われるボランティアのためのワークショップに招いて参加してもらいます。


ボランティア・ワークショップ

1、ボランティア・ワークショップは、典型的なワークショップを予行する形で行われます。これによってボランティアは自分のデザイン・アイディアを表すことができます。(本番のときには時間がないからです。)また、これによって市民ワークショップの当日の流れを知ることができます。

2、3時間のセッションの間、コ・デザインのアーティストを補助する地元のアーティストたちは、それぞれに描画を練習します。その後、イメージ・ワークショップの間、アシスタント・アーティストはコ・デザインのアーティストが大まかに描いた絵を完成させます。

3、コ・デザインのアーティストは、地元のアーティストと書記を含むボランティアグループと一緒にアイディアを視覚化するためのセッションを行います。地域のアーティストらは、これによってグループ・ディスカッションの流れや描画、描画に必要なメモの取りかたなどを実地に経験します。

それぞれのグループの絵が完成したら、コ・デザインのアーティストと書記は地域の人々と交代します。別のドローイング・ボード(フォームのついた厚みのある画用紙)を使って地元のアーティストと書記がコ・デザインの手法を練習し、グループの参加者たちが絵と文章の作成を指示していきます。

大勢の人々の前で絵を描くことに尻込みする人もいますが、それを楽しむ人々もいます。練習を重ね続けることによって、人々に作画能力を試されているという感覚は消えていきます。

4、セッションはとても心楽しいものです。ボランティアたちは自分のアイディアを発言する機会を得るし、市民ワークショップへの期待が高まってきます。そして自分たちのアイディアがすべて市民の声の一部として本番のイベントで展示されることにもわくわくしてきます。


市民ワークショップ

本番のイベントは大きなホールや体育館や同様の場所で開くことができます。窓やドアのない壁が少なくとも一面あること、40人以上が座れるように椅子を並べる広さがあること、アクティビティーに必要な明るさがあること、軽い飲食のための設備があること、が条件です。

地域の中での位置づけも大切です。地元の学校の体育館、教会の地下室、公民館などが向いています。そのような場所がない場合は、テントを立ててワークショップを開く必要があるかもしれません。


イメージ作りのための参加を促す


それぞれのコ・デザイン・アーティストは、半円状に詰めて座った4人の参加者のために絵を描きます。アーティストは、グループからの提案に応じて絵に描き加えていき、デザイン作りを行います。参加者と軽く目を合わせ、人々が提案に同意しているか、そして作画が参加者の意向に沿って進んでいるかを確認します。4人より大きなグループだと、素早く目を合わせることが難しくなります。

(イラスト)ワークショップのための典型的な会場の間取り
*子供たちのための作画エリア
*ステージ
*ミュージシャン
*作画タイムのときに子供たちが描いた絵のディスプレイ
*アーティストと書記のトレーニングの際に描かれた絵のディスプレイ
*アーティストと書記、および4~5人の参加者、「デザイン・タイム」のステージ用
*軽食エリア
*受付
*入り口(1つ)
*案内エリア
*PEP図、3つの決まり、現地見取り図、現地写真、スケッチなどを大きく展示
*タイムライン上のリストのための長くて白い紙
*進行係
*開会時およびアクティビティーをタイムラインに記入する時に使う椅子を並べる

(写真)実際的な理由により、グループの最大人数は参加者4人およびアーティスト1人に留める。この写真のような大きなグループだと、どうしても1人や2人の視界が遮られ、積極的な参加が難しくなる。(撮影:SAIT電子メディアサービス)


市民ワークショップのスケジュール

普通は、地域で他に大きなイベントのない土曜日に行います。午前遅くから夕方くらいまでです。詳しいスケジュールは以下のようなものです。

9:30-10:00AM ボランティアが到着して会場と託児エリアを整える
10:30        参加者が到着する。資料を受け取り、コーヒーやクッキーなどをつまむ
10:45        司会者が開会の挨拶をする
11:00        コ・デザインの担当者が子供たちを対象にして「壁の町」のエクササイズを行う
11:30        タイムラインに一日の活動を記入し始める
正午         現地視察と戸外での昼食(悪天候の場合は現地視察の後で会場に戻って昼食を食べて温まる。)
1:00PM      現地視察から戻って参加者の発言を書き出す
1:15        イメージ作りを開始する。ミュージシャンが演奏を始める
3:15        優先順位を決めるための投票を行う
4:00        司会者が閉会の挨拶をする。同時にコンセプト・デザインのための集中作業スケジュールと展示会のスケジュールを発表する。
4:15        後片付け担当のボランティア・グループが絵を回収し、会場を片付ける
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by ammolitering7 | 2013-01-22 15:11 | 「コ・デザインの手法」


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