第11章 (イラスト込み)

第11章 都市部のデザイン

1、都市部のデザインに町全体が参加する:1981年アルバータ州カルガリー市中心地の川岸
1-1 川岸改善のためのデザインに子供たちが参加する

カルガリー市内の川岸地区は、人口が密集した中心地の北側を流れるボウ川に沿って、およそ14区画に渡って続いています。ここは商業の中心地に近い大きなレクレーション地域であるため、中心地で働く人々や都市部のコミュニティーの住民たちが頻繁に利用しています。

北米の他の多くの都市と同じく、カルガリー市は川に面した空き地を十分に利用しておらず、ボウ川の存在を完全に無視している場所もあります。この一連のワークショップは、川岸でのレクレーションの可能性を踏査することが目的でした。

1-2 調査の範囲
ワークショップを開催するという提案がなされたとき、カルガリー市教育委員会がワークショップに子供たちを参加させることに関心を示し、このプログラムを教科課程の一部として認可しました。ワークショップには市内の各地域から小学校3校、中学校1校、高等学校1校、合計5つの学校が参加しました。生徒は合計約150名でした。

ワークショップに先立って、コ・デザインのスタッフがそれぞれの学校を訪ね、「壁の街」エクササイズを行いました。また、学校ごとに川岸へ赴き、調査プログラムを実施しました。

1-3 コ・デザインのワークショップ
(第1段落)ワークショップは川岸に隣接した都市部の古い学校で行われました。生徒たちの他に、およそ75名の近隣の住民たちも参加しました。生徒たちは各学校から1名ずつ、合計5人ずつのグループに分けられました。

高校生は、年少の生徒たちの指南役および進行係を務め、年少の生徒たちはそれぞれに絵を描きました。コ・デザインのアーティストたちは大人の参加者たちと一緒に描画しました。

描画作業の間は、ギターに合わせてフォークソングを歌う歌手が小さな音量で演奏し、議論の流れを滑らかにしました。

(第2段落)まもなく、冬の景色や夏の景色、スケートやジョギング、サイクリング、散歩などをする人々、ピクニックテーブルや屋外のレストランで座っている人々、屋外のコンサートで踊っている人々などの絵が会場全体で現れ始めました。

バラエティー豊かな都市部でのレクレーションの様子を描いた鮮やかな絵がたくさんできあがりました。どれも、長年川と親しんで、心の中で川岸の可能性について考えていた人たちのアイディアの表れです。今、彼らはアーティストが自分のアイディアを本当の絵にしてくれる機会を得たのです。作画への熱意と高揚感が会場一杯に溢れていました。川岸を愛しているということの他に何ら共通する関心事のない大勢の人々の間に、意思の統一がありました。

(第3段落)絵と言葉によるアイディアの描写はレポートにまとめられ、その後カルガリー市が開発した川岸の遊歩道の計画指標として機能しました。ホテルとレストランを含む川岸のマーケットは現在建設中です。
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(イラスト)ワークショップ画。(ソース:アルバータ州カルガリー市、ダウンタウンの川岸の調査)
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by ammolitering7 | 2013-06-22 03:36 | 「コ・デザインの手法」


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