第14章 (イラスト込み)

第14章 メディアの利用

1、革新的なコミュニティーテレビ:コ・デザインにテレビ上で電話参加する

コ・デザイン・ワークショップへのテレビ上の電話参加は、家でベッドから出ることのできない人にも、あるいは長時間に渡る市民会議に参加する時間のない人にも、計画過程への参加を可能にします。

1-1 概要
(第1段落)コ・デザインのテレビでの電話参加ワークショップは、都市計画とコミュニティー開発という事項にもっと幅広い市民参加を促すため、1980年に開発されました。この手法では、双方向の対話のためにテレビを創造的な方法で利用しました。視聴者がテレビ局に電話して画面上のアーティストと繋がり、アーティストが視聴者の指示に従って描く、というものです。

この手法では、デザイン対話の視覚的な面に重点を置くことで、テレビの視覚的な可能性を十分に利用します。視聴者はアーティストの姿を見ることも声を聞くこともでき、テレビ局のスタジオで絵ができていくのを指図することができます。

(第2段落)プログラムが進行するにつれて、電話の向こうの人とアーティストの間に緊密な一対一の対話ができていきました。同時に、目の前でできていく絵は視聴者の興味を引きつけ、市民参加が実現しているということを大勢の人々に証明しました。これはおそらく、テレビでの電話参加の最も重要な側面です。
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(イラスト)テレビでの電話参加:計画会議の様子。

(第3段落)能力のあるアーティストが絵を描いている様子は、それだけでも注目を集めるテレビ映像です。それに言葉による描写が伴うことで、テレビで作画の様子を見ている他の人々は、それを身近でリアルなものとして感じることができます。

1-2 テレビ参加の様々な適用例

コ・デザインの電話参加はカルガリー市で3回行われ、大きな成功を収めました。最初は1979年に都市部のアールトン地区で再開発計画のために開催されました。2回目は1981年にカルガリー市のシビックセンター地区を対象に行われました。これは全国建築競技会に提出するために市役所の増築デザイン条件を確立することが目的でした。

3回目は1983年に行われ、高齢者施設「ゴールデンエイジ・クラブ」のデザインのために優先する設備を決定することをテーマとしていました。

1-3 テレビのためのプロセス

(第1段落)プログラムはデザイン提案の紹介で始まり、現地の様子を見せ、現地に関係する活動を放映します。それから視聴者に向かって、テレビ局に電話して自分は現地をどのように使いたいか、どんな場所になってほしいかを描写するように頼みます。

電話をかけてきた人は、まず受付係と話して名前と電話番号と住所を伝えます。これは受付係がプログラムの後で電話を掛け直して、できあがった絵を一緒に見ることができるようにするためです。また、電話番号を調べて確認することによって、いたずら電話を防ぐためでもあります。

その後、電話の主はスタジオの中でテレビに出ている司会者に取り次がれます。司会者は電話の向こうの人に挨拶し、アーティストがどんな質問をするのかを伝えます。それから、アーティストの手が空くまで会話をもたせます。

(第2段落)順番が来ると、ヘッドセットを被って襟にはマイクをつけたアーティストが電話口に出て、前述の対話における描画のテクニックを使って作画が始まります。絵が出来上がっていく過程では、書記が詳しいメモを取ってアーティストを支えます。

スタジオのカメラは出来上がっていく絵の様子を撮影して放映します。画面分割のテクニックによって、同時に4つまでの絵の進行状況を伝えることができます。スケッチと対話は6~8分で終了します。電話の主は、番組を見続けるように、そしてスタジオから約20分後に電話がかかってくるのを待つように指示されます。

(第3段落)画面上でラフに作られたスケッチは、アーティストの助手が完成させます。助手はメモを読みながら色と細部を加え、完成したら壁に貼って放映に備えます。受付係が先ほどの視聴者に電話を掛け直し、スタジオの司会者に繋げます。出来上がった絵が画面上に現れると、アイディアを出した視聴者は期待通りにできたかどうかをコメントし、変更や追加があればアーティストにその旨を指示します。

(第4段落)2時間のプログラムが終わる頃には、およそ20件の電話が受付られます。すべての絵が放映された後で、各家庭の視聴者は電話で、またはあからじめ郵送されていた書式に記入したりして、優先順位の決定に参加することができます。

(第5段落)プログラムが進行している間、スタジオではコミュニティーからの訪問者グループによる小さなワークショップもライブで行われます。このライブのワークショップの様子は電話と電話の間に間断的に放映されます。

(第6段落)テレビワークショップは、スタジオ内の活動の様子も含むカジュアルなイベントです。視聴者、スタジオの受付係、司会者およびアーティストの間の複雑なコミュニケーションを滑らかに運ぶために、慎重な準備が必要です。
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by ammolitering7 | 2013-06-22 03:50 | 「コ・デザインの手法」


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