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このブログサイトの説明

このブログサイトでは、イギリス出身でカナダで活躍する建築家スタンレー・キングさんの業績を紹介します。スタンレーさんは、子供も含めた市民の声を丁寧に聞いて視覚化し、それを町づくりに役立てるための手法を開発しました。コ・デザイン(一緒にデザインする)と呼ばれるその手法は、カナダを初めとする北米各地およびイギリスなどの英語圏で多数の実績があり、効果が実証されています。有名な例としては、カナダのバンクーバーにあるフォールスクリーク(グランビルアイランドを含む)やロブソン広場などがあります。

スタンレーさんが普通の建築家として活動していた頃、自宅近くの工事現場で息子さんたちの秘密基地があった遊び場が開発されることになり、ブルドーザーが入って取り壊しが始まりました。それを見て衝撃を受けた息子さんは、お父さんのところに駆け込んで悲痛な訴えをしました。そのときの遊び場はそのまま更地になってしまいましたが、その出来事はスタンレーさんの心に大きな疑問を投げかけました。子供たちにとっては大事な大事な場所だったのに、それがいきなりやってきた「あの人たち」によって壊されてしまう。同じことは大人たちにとってもやはりショックなもので、開発に対する抗議運動などはそれを如実に表すものです。

教育者でもあるスタンレーさんが試行錯誤の中から開発したコ・デザインの手法は、「コ・デザイン - デザイン参加の手法」という著作にまとめられました。私は今この本を翻訳しているところですが、門外漢ですのでよく分からないところも多いため、いずれ専門知識のある方からのご指導を仰ぎたいと思っています。著作権はスタンレーさんにありますが、こちらで日本語で公開する許可を頂いています。転載などご希望の方はその旨事前にご連絡ください。写真やイラストなども含めた英語の原文をご希望の方はお問い合わせください。お約束はできませんが、可能であればお送りします。

若者にサステイナブルな生き方を教えながらコ・デザインの手法を伝えるための努力もなされています。そのためのマニュアルである「ユース・マニュアル」も掲載しているので、あわせてご覧ください。Youth Manual in English 英語のサイトはこちらです。最新版をダウンロードすることができます。ブログ形式なので見づらくて申し訳ありません。右側のカテゴリーから記事に入れます。私が参加したワークショップの様子や、フォールスクリークその他の開発例の写真もあります。(日記ブログからの転載です。)ご感想やご質問などあればお寄せください。スタンレーさんへのご質問も受け付けます。
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ずいぶん久しぶりに更新しています。少数ながら熱心に見てくださっている方がいらっしゃるようで嬉しく思います。スタンレーさんは90歳近い高齢ながらお元気でいらっしゃり、日本文化にも変わらず強い関心と敬意を持っていらっしゃいます。日本でコ・デザインに関心を持ってくださる方がいることを大変喜んでくださっています。スタンレーさんへのメッセージやご質問などあれば、コメントをお寄せください。私の日記サイトにコメントしてくださったほうが連絡はつきやすいと思います。
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by ammolitering7 | 2017-12-31 12:05

ヘザーストリート・ワークショップ 3

<center style="text-align: left;">コ・デザインのワークショップそのものについてはもう何度も書いたので詳しいことは省きますが、最初にこうして参加者にいろんなアイディアを出してもらってそれを大きな紙に書き留めます。</center>
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書き留めたものを分類して、今回はアーティストが7人いたので7つのテーマに分け、椅子も7つの円陣を作り、参加者に好きなテーマのところに参加してもらいます。私は「コミュニティーとコミュニティーの暮らし」というところに書記としてあてがわれました。ここに参加したのはたったの一人、インド人のような見た目のカナダ人のおばさんです。<div><br>
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<div>最初にみんながてんでにアイディアを出すという時間には、一人だけとてもつたない英語で熱心に長々と演説する中国人のおじさんがいました。彼の意見は非常に分かりにくかったのですが、要するに交通に関することらしく、これはやっかいなのが登場したぞ、と思っていたら、そこはやっぱり大御所のスタンレーさんが交通関係のテーマを担当することになったのでした。<br>
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おばさんはとても熱心で、アーティストの描くボードの上で指図をするだけでは飽き足らず、「ペンと紙を貸しなさい、ほら、ここがこうなってて、ここのところにこういうふうに作って、、、」と、自らアーティストになって地図やイラストを描いてくれました。<br>
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ところがそうこうするうちに会場が停電してしまいました!風はそれほど吹いていなかったのですが、やっぱり嵐の影響なのだと思います。こうなることを予想して、停電した場合にはそれから上限1時間で会場を出るように、というお触れが出ていたので、急いで仕上げにかかります。でも、私たちが担当していたおばさんは停電したことさえ全く気づかない様子で能弁にアイディアを語り続けたのでした。<br>
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私たちの席は窓辺だったので、停電しても明るいです。<br>
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最後はそそくさと会場を畳んで、ろくに評価する時間も取れないままお開きとなりました。いつもならこれから打ち上げで食事にでも、ということになるのですが、今日はこれから台風がひどくなるから、ということでその場で解散しました。永遠の無関係者ながら、なんだかんだで長年こうして呼んでいただいているのは有難いご縁だと思います。皆さん、どうもありがとうございました。</div>
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<div>なお、<a href="http://vancouver.ca/home-property-development/heather-street-lands-planning-program.aspx" target="_blank">今回の開発計画の詳細は市役所のサイトで見られます。今後も2年間くらいアップデートされ続ける予定です。</a>それから、<a href="http://en.clc.ca/property/21" target="_blank">こちらは開発会社である「カナダ・ランド・カンパニー」のサイトです。</a> </div>
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帰りに開発予定地を歩いてみました。風が強くなってきていて、マフラーと手袋と分厚いコートが欲しいところでしたが、薄っぺらなレインコートを羽織っただけで凍えながら歩きました。これが1912年に建てられた大邸宅。もともとは男の子のための学校だったのだそうです。その昔のカナダが本当にヨーロッパ系の白人の国だったというのがよく分かりますね。会場には、おじいさんがこのあたりを馬で回って新聞などを配達していた、というおばあさんがいました。<br>
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1970年代あたりに建てられたのかな、というイメージの建物。1912年の建物は保存委員会までできそうな勢いなのに、1970年のものは誰も見向きもしないというのはこれいかに。。。<br>
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雨のせいもあるでしょうが、いつ取り壊されてもおかしくない風情の建物。このあたりにはこうした古い大きな建物が集中していますが、近隣の市民の集まるようなちょっとした中心地になるようなところがないので、そういうところを作って欲しい、という声が多かったです。なお、20名程度の参加者は半分が中国系らしいアジア人、あとの半分はほとんどが白人、男女比は半々、年齢層は中高年というところでした。<br>
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秋の色の木々。昨今の住宅事情を反映して、今回の予定地にも少なくとも4~5階建てのコンドミニアムが複数作られることになるのは間違いないでしょう。でも、それでもこうしたのどかな感じが保たれたデザインになるといいなと思います。<br>
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皆様、ずいぶんお久しぶりでございます。長いこと更新していなくてすみません。久しぶりに更新しようとしたらパスワードなどが分からなくなってしまっていて、ちょっと困りました。私はどうもいろんなことに浅く広く首を突っ込む癖があり、都市計画についても中途半端にこうして末席を濁しておりますが、本格的にやっているコ・デザインの皆さんはほんとに頑張っていて、私が関わっていないプロジェクトもたくさんあります。スタンレーさんは来年4月に90歳というお年ながら頑張っておられ、カナダ国内各地に出張もなさっています。でもやっぱりだんだん無理は利かなくなってきているので、これからはお弟子さんたちの頑張りに期待したいところです。

スタンレーさんに何かメッセージがある方は、こちらのサイトだとあまり使わないためかすぐにコメントできなくなってしまうので、私の私の日記サイトのほうにコメントを残してください。

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by ammolitering7 | 2016-10-16 12:09

ヘザーストリート・ワークショップ 2

<center style="text-align: left;">ボランティアの人たちがあれこれと用意をしています。人ごとみたいに言ってますが、私も本来はのんびり写真など撮ってないで一緒に働かなくてはならないのです。</center>
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一応形だけ何かしている振りをします。これはイラストと評価表を貼り付ける台を作っているところ。使うものは原始的なのです。<br>
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小学生くらいの男の子もお手伝いしていますが、コ・デザインの主要メンバーの息子なのです。5歳くらいのころからワークショップ会場でうろうろしているので、お手伝いもお手の物です。もうちょっと大きくなったらアーティストを補佐する書記として児童労働をさせられることでしょう。<br>
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若き後継者の一人がイラストを練習しています。<br>
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本物のアーティストが描いたものをトレースしているのです。この子はとても熱心で、この後もたくさん書いていました。もともと教育者でもあるスタンレーさんの最近のお仕事は、こうした後継者を育成することが焦点になっています。でもやっぱり他の仕事も多いみたいで、90歳の年寄りだというのに、スタンレーさんにデートの時間を工面してもらうのは一苦労なのです。<br>
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ボランティアスタッフ向けのおやつも用意されていました。<br>
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さて、そういうわけで今回の開発地域はこちら。バンクーバーのダウンタウンから南に行った、住宅地の真ん中です。それにしても、昔の開発者がいかに安直に定規で街づくりをしたかがよく分かる地図ですね。こうして強引に道を作ったおかげで、バンクーバー市内には今でもおよそ200本の地下河川が流れています。地下にしてしまったのですね、無理矢理に。これを再び地上河川にするのは不可能に近い事業で、デイライティングと言いますが、なかなか進んでいません。<br>
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拡大図。Sさん、ご自宅のすぐ近くですね。今はここに昔の古い邸宅や警察や労働事務所や病院などがあり、既にそれらが移転・閉鎖することだけは決まっているのです。<br>
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開発予定地の詳細や質問事項などを書いた用紙とご意見箱。「この予定地とあなたの関わりは何ですか」、「年齢は?」、「一緒に住んでいる19歳以下の子供はいますか?」、「この地域の特徴は何だと思いますか?」、「どのような住宅形態が望ましいですか?」、「居住以外ではどのような用途が望ましいですか?」、「どのようなコミュニティー・サービスが必要だと思いますか?」、「予定地にある1912年に建てられた大邸宅は保存すべきだと思いますか?どう使用すべきだと思いますか?」、「公園などの設備についてはどう思いますか?何が必要ですか?」「徒歩、自転車、公共交通、自動車など、交通についてはどう思いますか?」、「特に歩行者についてはどのような考慮をすべきだと思いますか?」、「開発による環境への長期的な影響を抑えるために何をすべきだと思いますか?」、「いろんな施設や設備は予定地のどこに作るのがいいと思いますか?」、「他に何かご意見はありますか?」、、、<div><br>
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<div>かなり徹底した質問用紙ですが、何人もの人が熱心に書き込んでいました。でも、やっぱり20人では足りません。大変だとは思いますが、何とかしてもっともっとたくさんの人に知ってもらう必要があると思います。<br>
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ようやく始まりましたが、椅子がいっぱい余ってるし、半分は関係者です。<br>
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市役所の担当者のお話があり、それから原住民団体代表者のおじさんが登場して貫禄のあるお腹から立派な太い声を出して何事か述べ、それから開発会社の人が何か言い、そしてスタンレーさんが登場しました。原住民のおじさんはシャツの下からお腹がはみ出ていましたが、スタンレーさんはセーターの裾のあたりが妙なことになっています。。。</div>
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<div>なお、原住民のおじさんはこのあたりの広大な地域に住む3つの部族を代表していました。マスキアム、スコーミッシュ、という二つはよく聞きますが、もう一つ、ツレイル・ウォタース(?)というのは初耳でした。これはノースバンクーバーからディープコーブにかけての地域に住む800人ほどの小さな一族で、スコーミッシュ族と血縁関係がありますが、多くの部族が結束してスコーミッシュ族となったときにツレイル・ウォタース族は独立してやっていくことを決めたという背景があります。代表者のおじさんは「我々は互いの相違を乗り越えてなんたらかんたら」と言ってたので、やっぱりいさかいもあるのでしょう。おじさんは酋長さんたちのメッセージを伝えるために開発のこの最初の場に出てきていて、どう見ても一般カナダ人(と中国人に代表される移民)ばっかり住んでるように見える地域の開発でも必ず原住民との関係が出てくるカナダの難しさを感じました。</div>
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<div>なお、おじさんは「ご心配なく、カジノは作りませんから」と言って笑いを誘ってましたが、カナダのギャンブル産業は原住民がほぼ一手に握っているそうなので、「カジノは作らない」というのもブラックジョークの一種なのでしょうね、たぶん。</div>
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by ammolitering7 | 2016-10-16 12:02

ヘザーストリート・ワークショップ 1

<center style="text-align: left;">さてさて、今日もまた植物園に行きました。年間入場券を買ったので、何としても元を取らねばという思いに突き動かされている、、、というわけではないのですね、実は。もちろんそういう気持ちはあるのですが、何といっても今日は台風。朝はまだ風もなく、雨も降ってなかったとはいうものの、今降るぞ、すぐ降るぞ、と言わんばかりの空模様です。いくら私でもこんな日にわざわざ植物園に行こうとは思わないし、道向かいのスーパーにだって行きたくはありません。でも、今日はどうしても植物園に行かなくてはならない用事があったのです。でも、入り口のところに行ってみたら、、、</center>
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なんと、本日は臨時休園となっていたのでした。昨日の嵐で園内の木が倒れて、入園者の安全の保証ができないということで、40年ほど前の開園以来初めてこういう事態になったのだ、と受付にいたとてもハンサムでしかもとてもフレンドリーな警備員のお兄さんが教えてくれました。残念だけどそれほど残念でもない、ということでしょう。<br>
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これはロビーにあった秋のいけばな。<br>
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さて、それではそろそろほんとの目的地に向かいましょう。ずいぶん森の中に見えますが、植物園の入り口のすぐ近くです。<br>
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こちらが入り口。<br>
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今日はここで例のコ・デザインのワークショップが行われたので、またしてものこのこと参加したのでした。我ながら節操の無い奴だと思います。。。<br>
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<center style="text-align: left;">時間より早く行ったのに、会場はすっかりセットアップができていました。永遠の部外者である私にできることと言えば椅子を運んだりすることくらいなので、困った、これじゃ何の役にも立てないぞ、と思います。コ・デザインのメンバーには古株の大人たちのグループの他に頭の切れる高校生・大学生の若者たちがいて、その若者たちのうちの何人かはかなりのトレーニングを積んでいるのでワークショップのベテランです。手際はいいし体力はあるし、動きは速いし頭の回転も速いし、しかもはきはきとして堂々としているので、ぼやっとした私はいつも圧倒されています。</center>
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今回のイベントの主催者はバンクーバー市なので、市役所が用意した資料がたくさん並んでいます。<br>
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いろんな資料に見入る市民の人たち。この悪天候の中わざわざこういうものに参加しようと思ってやってくるのはかなり熱心な人たちばかりです。何となく見にきた、植物園が閉まってたから仕方なくこっちを覗いてみた、という人たちもいて、最終的なカウントは52人になりましたが、雨も降り出して帰る人も多くて、実際にワークショップに参加したのは20人ちょっとしかいなかったと思います。私はいつもワークショップのたびに数えているのですが、こんなに少ないのは今回が初めてでした。コ・デザインのスタッフや市役所の関係者、開発会社や原住民団体の関係者など、関係者のほうが参加者よりも多かったくらいです。<br>
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ビデオを使った現地案内。今回のワークショップは、開発計画の中のほぼ一番最初の段階です。3週間ほど前には近隣の人たちを対象とした現地視察ツアーが行われたのですが、それだけで、まだ何をどう開発するか全く決まっていない白紙の段階なのです。この時点から始めて、1年半から2年かけて計画される予定です。<br>
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コ・デザインのスタッフがあらかじめ現地に行ってスケッチした絵。<br>
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市役所の開発関係資料にはコ・デザインのワークショップをもとにしたイラストも多数使われています。<br>
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わ~い、ワークショップはこれが楽しみなのです。市役所が市民の血税で用意してくれた軽食をありがたく頂きます。今回はサンドイッチなどは無くて割と質素でしたが、参加者が少なかったので多すぎるくらいでした。なお、コ・デザインのものに限らず、こういう集まりには大抵何かしらの軽食が用意され、案内のチラシにも隅っこのほうに「軽食があります」と書いてあります。とにかくたくさんの人に出席して欲しい場合、何とも原始的な方法ではありますが、この一言がとても効果的なのだそうです。<br>
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水も用意してあります。私はこのところ健康のために水をたくさん飲もうと心がけているのですが、魚じゃあるまいし、ただ水だけ飲むというのもなかなか難しいものです。<br>
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市役所が出てくるところには必ずリサイクル箱セットが登場し、どれをどこにいれるかとまごまごする人々の姿を必ず見ることができます。実際のところ、こうして分別などしないで、あとで専門の人に分けてもらったほうがよっぽど効率的だという話を聞いたことがあり、シリコンバレーなどは(今もなのかは分かりませんが)その方式でリサイクル率がずば抜けて高いそうです。でも、こうやって市民自ら当惑しつつ一生懸命考えてゴミを捨てることで、リサイクルをしなければという意識がついてくるのかもしれません。でも、お店で毎日大量のゴミを扱っていると、リサイクルなんて幻想よね、という気持ちになります。<br>
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by ammolitering7 | 2016-10-16 12:01

コロラド州でのワークショップ

ユースマニュアルのサイトには他にもいろんな活動が紹介されています。これは主にコ・デザインのサステイナビリティー教育への応用で、コ・デザインの後継者となる若者たちの活動も多く紹介されていますが、一般の開発に関する内容にはほとんど触れられていません。この記事はコロラド州でコ・デザインを応用したワークショップが開かれたときのものです。写真はサイトをご覧ください。

このワークショップのテーマはコロラド州のボルダーという町の博物館です。Dr. Louise ChawlaとMr. Jeff Dillonが開いたもので、子供のときに一番楽しかった遊び場の思い出というのをコ・デザインの手法に取り込んだのだそうです。これも効果的な方法かもしれませんね。バンクーバーでもやってみたい、と考えているそうです。コロラドでは2013年にコ・デザインのトレーニングセッションが開かれたので、これはその成果だと思います。90歳のお年寄りなのに飛行機ではるばる出かけるスタンレーさんはすごいなと思います。この町では既に市民参加のためのいろいろな試みが行われていて、コ・デザインは熱烈歓迎だったようです。
http://www.growingupboulder.org/co-design-method.html

コ・デザインは英語圏の各地で積極的に取り入れられており、独自の工夫もなされているし、情報交換も盛んです。英語圏以外からも少しずつ関心が寄せられるようになってきていますが、日本ではたぶんほとんど全く知られていないので、今のところ反応はほとんどありません。唯一、東京の港区のサイトで紹介していただいています。どうもありがとうございます。

スタンレーさんや私の知らないところで独自に本を入手して研究している人もいるかもしれない、と思うと楽しいです。絶版なので入手は難しく、ソフトカバーなのに3万円くらいするのです。それがこのサイトだと日本語でタダで見られるという嬉しい特典つき、と言ってひっそりと宣伝しておきましょう。翻訳したのが私なので品質の保証ができないのが難点ですが。。。私の無知な翻訳を(すみません、無償で)チェックしてくださる方を今もまだ探しています。どなたか専門知識と多少のお時間のある方、いらっしゃいましたらどうぞご連絡ください。

ユースマニュアルのサイトその他、資料は山ほどあるのでほんとは全部紹介するのがいいと思うのですが、門外漢の片手間仕事ということでどうぞご容赦ください。時折ぼちぼちと紹介していこうと思います。
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by ammolitering7 | 2015-08-13 02:24

先日のワークショップ

幾つか前の記事になりますが、郊外の町で予定されている大規模な開発のためのワークショップをご紹介しました。その補足をちょっとしておこうと思います。
この開発計画の公式サイトはこちらです。

この土地はIOCO、Imperial Oil Companyという石油会社が精製工場を持っていた土地で、会社で働く人たちだけが住むカンパニータウンが形成されていました。村の名前はそのまんまIOCOといいます。

村の歴史を説明した英文がありますが、全部翻訳するのは気分的に無謀だと判断しまして簡単に言うと、まず、1914年に精製工場が稼動しました。場所は一番近い町からちょっと離れたところで、交通の便は全くなかったので、会社は労働者が職場の近くに住めるように町を作りました。1921年のことです。それからカナダの国力が増すのにつれて町も栄えましたが、戦後は状況が一変しました。これはグランビルアイランドのあたりも同じことですが、軍需がなくなって急速に経営が悪化し、工場が次々に潰れてしまったのです。IOCOも寂れる一方で、すっかりゴーストタウンになってしまいました。町は1992年には隣接するポートムーディー市に編入されましたが、土地の所有者はインペリアルオイル社のままでした。

なお、このインペリアルオイル社というのはカナダで2番目に大きな石油会社で、今も元気に内陸のほうで石油を掘っているようです。全然儲からないゴーストタウンなど持っててもしょうがないということだと思いますが、ともあれ、とうとうこの土地が売り出され、2年ほどかけてようやく今年の初めにBrilliant Circle Group (BBG)が買い取ることが決まりました。この会社の社長さんは香港の人ですがカナダ市民でもあり、彼がJames Cheng(ジェームズ・チェン)さんという中国系カナダ人の建築家を雇いました。

この土地は「最後のフロンティア」とさえ呼ばれるところで、私の聞いた限りでは原住民の部族との利権の摩擦もなさそうだし、たぶんカナダで最後に一から(比較的)自由な開発ができる機会です。(環境保護のことなど、それなりにたくさんの制約はあります。)そのため、この土地を買った会社はここに住宅地やその他の設備のある小さな町を作ろうとしています。「小さな」というところが大切みたいで、近くにあるバンクーバーのような大きな都市ではなく小さな町に住みたいという人たちを購買者に想定しています。もともと隔絶した町として作られていて交通の便はすごく悪いので、道を作ったりあるいは橋を架けたり、そんなところから始めなくてはならないことになります。

ポートムーディーでは以前の幾つかの開発で住民の意見が反映されなかったり、そもそも開発のことをろくに知らせなかったりして反対運動が起きたので、その失敗を繰り返さないように今回は開発の一番最初にスタンレー・キングさんが招かれたというわけです。スタンレーさんは業者と住民が激しく対立してどうしようもなくなったときにSOSで呼ばれるような方ですが、やっぱりそういうのはものすごくストレスが大きいそうです。今回のように白紙の状態のときから住民を尊重して、一緒に作る姿勢を貫くと結局は誰にとっても良い結果になるのではないでしょうか。私もほんのちょっとだけですが反対運動の片鱗を見たことがあって、ちょっと怖かったのです。

この大掛かりな開発を手がけるBBGという会社は実はこれまで一度も開発をしたことがないそうです。この会社が香港ベースであることもどう影響するのだろうと思います。どちらにしても、今時こうやって森の中に一から町を作るに近い作業を間近にすることができるのはすごいことだなと思います。ほんとうに、滅多に見られるものではないと思うのです。私がこれまで垣間見てきたものはどれも既存の町のほんの一部をちょこっと変えるというもので、スタンレーさんの代表作であるグランビルアイランドやフォールスクリークでさえバンクーバーという町の一部です。(スタンレーさんは市民参加の面で参加したもので、実際の建築デザインをしたのは別の建築家です。)今回のようなのはスタンレーさんでさえ滅多に見ないものだと思います。私の知る限りでは、彼が町を一から作るための計画に関わったのはアルバータ州で町を丸ごと移転したときのケースだけです。これは既に住民層が確立していたので、またちょっと違うかもしれませんけれど。

なお、スタンレーさんは建築家である一方で教育者でもあります。若いときは高層ビルなど建てていましたが、だんだん市民参加の手法のほうに熱心になっていて、あとからはそればっかりするようになりました。町が壊されて新しいものが入ってくることで人々が深く悲しむことを知り、それが自分の行く先々で起こるので自分が破壊と嘆きの使者であるような気持ちになっていったのだそうです。今は一応引退していて、お弟子さんの指導にあたることが多いです。お弟子さんたちはスタンレーさんを深く敬愛していて、お元気なうちにできるだけ多くを学んでおきたい、自分もやがては彼のようになりたい、と言って熱心に学んでおられます。また、スタンレーさんの手法はサステイナビリティー教育にも応用されて各地の学校で使用されているので、それを体験した若者たちの中からもワークショップアーティストが生まれてきています。

私は個人的に、この手法は人生のいろんな場面で応用できるものだと思っています。何人かの人が一緒に何かをするときの心構えとして、穏やかな状況の中で個々の理想像を具体的に描いてみることは、起こらなくて済む誤解を避けるためにも大切な役割を果たすと思います。個人的にも、何か夢があればそれを一人二役で自分に問いかけて絵にしてみることで得るものは多いと思うのです。

Co-Designが関わるのは最初の段階だけですが、この興味深い開発については継続して注目しておきたいと思います。ワークショップでできた絵と、その後の市民の反応などは、こちらのページで随時更新される予定です。殴り書きみたいなイラストは、次の段階では内容はそのままにもう少し整った形に描き直されます。ああ、それから、会場の様子の写真がありますね。誰か前に立って挨拶をしています。ほんとはスタンレーさんが挨拶をする予定でしたが、始まるのを待っているうちに蜂に刺されてしまって、薬を飲んだらぼーっとしてしまったので、急遽代わりの人が挨拶しました。スタンレーさん、お気の毒に。。。蜂が服にとまっても払いのけるものではありません、ほんと。

The Imperial Oil Company built an oil refinery in 1914 on the north shore of Burrard Inlet, across the way from Port Moody, BC. It was isolated from Port Moody by road, but “Shift Ferries” brought workers to and from work by boat. The Company began construction of theIoco Townsite – an abbreviation of Imperial Oil Company – in 1921, adjacent to the refinery.

Before the Townsite was built, some refinery workers lived in tents or shacks. By the late 1920s, Ioco had developed into a thriving community consisting of 89 structures including 83 homes, 2 churches, a community hall, a lawn bowling green, a baseball diamond, a tennis courts, and a horseshoe pitch. The people of Ioco were active in their community, participating in parades and May Day celebrations, holding regular community picnics and dances, and participating in sports or community service clubs.

Things began to change after WWII. The Company no longer wanted to be a
landlord, and people began to move away. Houses were also moved. By 1975, the Companyclosed the store, though the Community Hall was used up to
the early 1990s. Ioco was incorporated into the city of Port Moody in 1992. The remains of the townsite still offer a unique look at Ioco as it was originally laid out. In 2002, the City of Port Moody declared thetownsite a Heritage Conservation Area. A festival – ‘Ioco Ghost Town Day’ – has been held annually on the first Sunday of October in commemoration.

以下のサイトには土地の売買などに関する記事があります。
http://www.thenownews.com/news/ioco-townsite-sold-to-novice-developer-1.1733021
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by ammolitering7 | 2015-08-05 15:18

描画ワークショップ

今日はコ・デザインの描画ワークショップが行われたので、誘われてもいないのにいそいそと行ってきました。本来の対象者はもちろん描画を担当するスタッフの人たちですが、屋外で行われるカジュアルな自由参加のワークショップだと小耳に挟んだのです。場所は遊歩道をたくさんの人が行き来する上に一風変わった新しい建物の多いオリンピックビレッジです。これはバンクーバーオリンピックが行われたときに選手村として建てられたところなのです。
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公園には線路が残されています。このあたりも昔は軍需で栄えた工場地帯で、港から物資を運ぶための鉄道も敷かれていました。戦後はすっかり廃れてしまい、工場からの汚染だけ残って長いこと荒地になっていました。70年代の終わりくらいからグランビルアイランドに近いほうは再開発されてすっかり素敵な住宅地になり、都市計画の世界では奇跡の成功例とさえ言われたほどですが、そこから遠いこっちのほうはすっかり取り残されていていたのです。万博が行われたときにもやっぱり取り残されました。私は個人的にはこういう何てこともない空き地が都会の近くに広がっているのもいいものだと思っていたのですが、人口過密で空いた土地がなくなる一方のバンクーバーではこんな貴重な土地を遊ばせておくわけにはいかなかったのでしょう。
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へんな筒もあります。
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入ってみましょう。
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うーむ、下の沼が見えますね。
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もちろん公園の沼ですが、雑草が伸び放題といいますか、自然豊かといいますか、近年の主流となっている自然派の造園方式で作られています。もともとその土地に自然に生えている植物だけを使い、手を加えなくても天候が荒れても、農薬や肥料を使わなくても、ひとりでに茂るように工夫されているのです。自然の空き地に近いような外見になりますが、寛ぐにはこんな感じの公園のほうがいいようです。
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これは一体なんでしょうか。高速そうめん流しができそうですね。
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複雑な遊具もあるし、、、
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広場もあります。
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この変な彫刻は、たぶんオリンピックを象徴しているのだと思います。いろんな色の人たちが集まって人間ピラミッドになっています。
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選手たちが滞在していたマンション群。オリンピックが開かれるたびに世界中でこんなマンション街が作られるのでしょうか。
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道の名前は「選手通り」だそうです。
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海辺の、、、ベンチなのでしょうか。
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赤いパラソルの下で冷たいビールでも飲んでいるらしい人々。
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巨大化したスズメと、赤い建物は昔は砂糖倉庫だったところを改造したビール醸造所。
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入り江に船がたくさん停まっています。ボートの停泊所は何箇所もあるのですが、その許容量よりもボートの数のほうが圧倒的に多いので、あぶれる船が出てきます。そういう船は2週間までは一箇所に停めておくことができますが、2週間経ったら移動させなくてはなりません。でも、ちょっとくらい移動したからと言っても入り江にあることは変わりません。バンクーバーは家賃が高いので船に住んでいる人もいます。そういう人たちは正式な停泊所が提供するサービスを利用することもできないし、ということはつまり、排泄物などの処理に困ることになります。もちろん、それなりに処理の方法はあるのだと思いますが、夜の闇にまぎれて海に捨ててしまえばそれが一番簡単です。入り江の大腸菌汚染が異様にひどいのは、夏になるとこういう人たちが一挙に増えてくるためだそうです。
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子供科学館。
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辛い目に遭っている人々。ドラゴンボートの漕ぎ手とも言いますが、絶え間なく怒鳴られているし、やっぱり奴隷労働にしか見えません。ああ、逃がしてあげたい、と思います。好き好んでやっているとはどうしても信じられないのです。彼らの前世は絶対にローマ帝国の軍艦を船底で漕がされていた敗戦国の奴隷だったに違いありません。
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by ammolitering7 | 2015-08-03 01:59

ワークショップ記事

昨日、バンクーバー市役所で行われたコ・デザインのワークショップに参加してきました。写真サイトに記事を載せていますので、よろしかったらご覧ください。
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ワークショップ1
ワークショップ2
ワークショップ3


先日はスタンレーさんに原稿をお渡ししました。喜んでくださってとても嬉しかったです。
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by ammolitering7 | 2013-07-01 01:50

スタンレーさんのプロフィール

英語ですが、興味のある方はご覧ください。スタンレーさんのプロフィールが紹介されています。いずれ気が向いたら翻訳しますが、だいたいこちらで既に小出しで紹介しているような内容です。
スタンレー・キング氏のプロフィール
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by ammolitering7 | 2013-01-30 08:49