カテゴリ:「ユースマニュアル」( 8 )

2010年6月C.K.Choiビル

これはスタンレーさんやスーザンさんの設計によるものではありませんが、ユースマニュアルの中で生徒たちが訪問している建物です。バンクーバーのUBCという大学の中にあって、カナダで一番エコロジカルな建物と言われるC.K.Choiビルです。様々な工夫をご覧ください。
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バスの中の広告。半分隠れてますが、「若者よ、行き詰っていませんか?暗闇から出てきなさい」というメッセージです。命の電話のようなものですね。ロゴのイメージが強烈だったので、思わず写真を撮ってしまいました。
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バスに乗って出かけた先は、ついこの前も行った大学です。構内には環境に配慮したデザインで知られる有名な建物があるので、それをのこのこと見に行ったわけです。私は全くの部外者なのですが、うろうろと見て回りました。ここは見学者の多いビルなので、それほど変でもなかったようです。

これは途中にあった建物。穴を掘って住むのは昔のネイティブインディアンの建築スタイルだったのだそうです。つい思い出すのは吉野ヶ里遺跡。高床式倉庫の反対で、50センチくらい掘り下げた円錐状の家がたくさんありました。やっぱり文化が繋がってたのかな、と思います。なお、これはスタイルはネイティブ風ですが、用途はオフィスです。地下にあります。
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これはすぐ横にあった別の建物。屋根が妙な具合にねじれています。一緒に行った友人と「面白いね」と言ってみていたのですが、彼女はなぜか「このねじれ具合は数学を思わせる」と発言しました。「どうやって計算するのかな。なんか、とたんに面白くなくなった」と述べていた彼女は、かつてこの大学で工学を学んでいて挫折したのでした。
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これも何やらネイティブ風の建物。真ん中の地面には火を焚いた跡がありました。
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中に入って上を見るとこんな感じ。一体何に使う建造物なのでしょう。
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これはスウェットロッジ(汗をかく小屋)と呼ばれるものの骨組み。ネイティブインディアンの伝統的な祈祷の儀式に使われるものです。ずーっと前に一度参加したことがありますが、そのときはこんなに狭い本物ではなく、どこかの公民館みたいなところで行われました。石を熱して、それに水をかけるのだったか、それとも乾燥したままハーブや煙草を燃やすのだったか、よく覚えていないのですが、とにかく煙が多くて暑苦しい儀式でした。
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さて、やっと着きました。すごく広い大学なのです。目的の建物は中国系カナダ人のチョイさんという方が建てたものです。(この方の設計によるのではありません。)そのため、あちこちに東欧風のものがあるのです。この建物のある一帯はアジア系の研究施設などが集まっているところです。
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鐘の前には「仁」「義」「礼」「信」などと彫った大きな石が並んでいます。チョイさんの好きな漢字なのでしょうか。私だったら何を選ぶかな。「実」(ベリー類)、「硝」(ガラス)、「露」(ロシア)、えーとそれから、、、と、しょうもないことを考えてしまいました。
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入り口のところでは狛犬様がお出迎え。入れるものなら入ってみろ、というお顔をなさってるような気がするのですが。。。
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この建物の正式な名前はこちら。
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前から見たら別に何てことない建物ですね。屋根の勾配だけは取ってつけたような東洋風ですけど。
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中に入ったらこんな感じ。吹き抜けのロビーは風通しの良さを確保するためのものです。この建物には、パッシブ・ヒーティング、およびパッシブ・クーリングという手法が採用されています。これは電力や機械を使わないで冷暖房をするというものです。換気をよくするための工夫もあちこちにされている、、、のですが、実際入ってみたら結構空気が淀んでいました。寒くも暑くもなくて、室温は別に問題なかったのですけれど。
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このビルの大きな特徴の一つはトイレ。水を使わず、排泄物が堆肥になる仕組みです。いろいろ説明してありますが、、、
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とにかく全く匂いがしないのです。清潔そのもの、びっくりしました。
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中には小さなオフィスがたくさんありますが、窓からの眺めは自然林なのです。こんな素敵な環境だったら仕事もはかどるでしょうか。
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これは換気のための工夫です。建物全体にありますが、窓枠のところに小さな穴がたくさん空いていて、、、
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、、、こんなふうに開けたり閉じたりできるようになっています。
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ロビーを二階から見たところ。
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建材の多くはリサイクルされたものだそうですが、それってちょっと不安だったりします。変な虫とか付いてたりしないのでしょうか。
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天窓があるので明るいのですが、修理中らしくて布で覆われていました。
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こちらは別に何てこともない庭に見えますが、実はこれが曲者、いや、すごいのです。ショウブみたいな草がぎっしり植えられていますが、これは深さ1メートル弱くらいの溝に植えられています。その溝に特別な工夫がしてあって、この植物もその工夫の一環なのです。これは浄水システムになっていて、建物から出る全ての廃水がここで処理されます。処理された水は飲用にもなるというからびっくりします。どんな味の水なのかな。
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建物の外で見つけた草の花。面白い形をしています。
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建物の裏手は自然林風の庭園。空気が綺麗です。
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背の高い木がたくさん生えていますが、そこにこんなポスターがありました。「この木の上にアオサギが巣を作っています」と書かれています。アオサギって、何となく水辺でぼーっと憂鬱そうに立ってるイメージがあるので、巣も水辺にあるのかなと思っていたら、全然違うのですね。
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中央の丸いのが巣です。そのお隣の木の上のほうにも黒い塊があるのが見えるでしょうか。
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アオサギは集合住宅を作るのだそうです。この写真の中にも実は5-6個あります。
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歩いていたら、友達が「あっ!」と言って見つけたのがこれ、アオサギの卵の殻です。巣立った後で、要らなくなった殻を捨ててしまうのだそうです。そりゃまあ、取っておいても邪魔でしょうね、そういえば。。。卵の殻はうっすらとした青。多分、割れてなければ鶏の卵くらいの大きさではないでしょうか。私の新しいカップとよく似た色です。これは今日ここに行く前に友達が「遅ればせの誕生日プレゼントということにしといてね」と言って買ってくれたのです。うっすらとしたアクアマリンは私の一番好きな色かもしれません。

ずっと前、お土産屋さんを兼ねた宝石店で働いていたときに、とてもきれいなアクアマリン色の石があったのです。それほど高いものではなかったのですが、私の給料のほうもひいき目に言えばそれほど高くなかったので、買おうかなあ、どうしようかなあと長いこと思い悩んでいたのです。ところが、あるとき店長さんにその石が好きだと言ったら、「ああ、あれね。風呂場にできる染みの色にそっくり」という非情な言葉が返ってきたのでした。バンクーバーの水道の水は、しばらく掃除しないでいると白いタイルや浴槽に青緑色の染みを残します。言われてみれば似ているけどさ、と思って深く傷つき、結局買わず仕舞いに終わってしまったあの石。。。いつの間にか売れてしまいましたが、今はどこにあるのでしょう。
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by ammolitering7 | 2013-01-26 04:19 | 「ユースマニュアル」

2010年10月湿地帯での環境教育2

それから全員が集まり、レンジャーのお姉さんが屋外での授業の大切さや自然を尊重することの大切さを切々と語ってくださいました。土に触れることでストレスが減ることを述べた論文とか、お勧めの本などの紹介もあり、カリキュラムの作り方に関するアドバイスもありました。自然観察ノートを作ることの面白さも強調され、屋外で子供たちの関心を引き止めておくためのいろんなヒントも紹介されました。服装の注意もあり、至れりつくせりです。お姉さんのバックパックからはいろんな小道具が次から次に出てきて、これは準備が大変だっただろうなと思ったことでした。
Then everyone gathered and the ranger talked about the importance of spending time outdoors and respecting nature. She showed us lots of things like a copy of essay regarding the soothing effect of touching soil, and the recommended books for reading. She gave lots of advise on class planning and dressing for the weather and other essential issues. She emphacised the joy of keeping nature journal, too. Her backpack was full of little devices to help her lecture. It must have been a lot of work to prepare for the workshop this well.
ワークショップは早口かつ駆け足で行われましたが、それでも2時間の予定が2時間半に伸びました。ほんとはもっともっと時間をかけたかったのだろうなと思います。ワークショップの後は湿地帯のすぐ外でお茶とお菓子の茶話会がありました。
The workshop was done in a very fast pace, but it still took longer than they had anticipated. It was supposed to be 2 hours, but it took 2 and half hours, and they talked fast. After the workshop, we had a tea time just outside of the bog.
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もちろんラブラドールティーもありました。最後は名札を回収して、それを使ってくじ引きが行われました。当たった人にはイラスト入りの自然観察ノートの作り方の本などが贈られました。
There was Labrador Tea, of course. At the end, they collected everyone's name tag, and did a draw. The prize was a map and a few books on journal keeping.
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すごく寒かったけど、とても楽しいワークショップでした。何の関係もないのに混ぜていただき、有難い限りです。夏になったらまた来よう、と思いました。冬はどうも寒くていけません。しかし、いくらなんでも手がしびれるほど凍えていたのは私だけだったのかもしれません。体の中に熱が足りないのでしょうか。正直なところ私はあんまりちゃんと食べないので、熱帯向き、あるいはそういう馬鹿を言わずにちゃんと栄養を摂ったほうがいいのでしょう。ベリーやキノコばかりを採集して食べていてはいけません。
It was very cold, but the workshop was very enjoyable. I was grateful that Susan invited me even though I'm not a teacher. I will come to this bog again, but maybe in summer.
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by ammolitering7 | 2013-01-24 13:10 | 「ユースマニュアル」

2010年10月湿地帯での環境教育1

こちらはスタンレー・キング氏の後継者の1人である理科の先生、スーザン・エン先生が主催した教育者のためのワークショップです。Co-Designの手法はサスイテナビリティーの教育にも応用されています。この湿地帯(キャモサン・ボグ)のサイトはこちらです。英語のみ。Camosun Bog website
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学校の先生でもないのに、なぜか今日は小中学校の教師を対象とした環境教育のワークショップに紛れ込んできました。場所は地元の大学の近くにある小さな湿地帯です。その昔、1万2千年くらい前には氷河だったところが沼地みたいになって残っている場所で、こういう条件でしか育たない植物がたくさんあるし、動物たちにとっても大切な場所なので、環境教育には理想的なのでしょう。英語の下にある不思議なアルファベットはネイティブの人たちの言語を表しています。
I'm not a school teacher, but somehow I joined the special workshop meant for school teachers held at a bog in Vancouver. It is a small bog called Camosun Bog located near UBC. The workshop is meant to train teachers for environmental education. The area used to be a glacier some 12,000 years ago. Now there is only a small pond left. There are many species of plants which survive only in this specific condition. The bog is also important for the animals, too. Because of its delicate nature, it is an ideal place to teach children the importance of conservation. The unfamiliar alphabet under the English is the ones used for the native language.
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今回のワークショップは、メトロ・バンクーバーと呼ばれるバンクーバーおよび周辺市町村の森林課のようなところと、この湿地帯の回復運動グループ、そしてグループのメンバーである学校教師スーザン・エンさんが開催したものです。第一回目なので、つまり参加者はモルモット。予定の時間を大幅に超えてしまいましたが、充実した内容のワークショップでした。これは森林課のレンジャー(自然保護官、でしょうか)のお姉さんの制服についていたワッペンです。
The workshop was led by the collaboration of 3 groups; the bog restoration group, schools, and Metro Vancouver park board. It was the first of this type of workshops. It took longer than they had planned, but it was a very enjoyable experience.
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参加者は主催者たちを含め全部で22人、うち男性5人。小学校の先生8人、環境教育を学んでいる中学生一人、残りは中学校の先生および引退した先生、部外者一人(私です)、犬一匹という構成でした。朝の9時半に現地集合だったので、家からバスで行きました。メトロバンクーバーには幾つか湿地帯がありますが、バスで簡単に行けるのはここだけだそうです。
There were 22 people at the site, including the facilitators. 5 of them were males. About 8 of them were elementary teachers, and the rest were mostly secondary school teachers, with some retired teachers. And there was a dog, and there was me. I took bus to get there. It is the only bog that is easily accessible by bus in Vancouver.
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天気は不安定で、とても寒かったです。順番に並べると、小雨、曇り、晴れ、小雨、曇り、、、。雨天決行のイベントだったのですが、「雨だから」という理由で当日になってキャンセルした人が何人もいたというところがいかにもカナダです。家を出るときも寒かったのでちゃんと着込んで行ったつもりだったのですが、湿地帯は水気の多いところなので、もっと寒かったです。最後のほうには左手の親指と人差し指がしびれてきて、これはまずい、と思いました。
The weather was very unstable. Light rain, cloudy, faint sunshine, right rain, cloudy... The event was advertised as 'rain or shine' event, but several people called in to cancel in the morning because it was rainy. Rather strange, indeed. It was cold, too. I thought I was dressed warm enough, but I wasn't. I was freezing in the wetland.
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この湿地帯は、氷河が溶けてからは湖になりました。だんだんそれが小さくなって、今では小さな池が残っているだけです。湿地帯というのはほっといても自然に小さくなるのだそうですが、人間が入ってきてからは、というか、近代になって西洋人が入ってきてからは、その速度が急に速くなりました。人々はじめじめして蚊の多い湿地帯に住むのを嫌がり、湿地から水を抜き取り始めました。これは日本語で何と言うのでしたっけ。。。
After the glacier melted, there was a lake, and it eventually became a pond. Now the remaining pond is very small. The bog becomes smaller and drier naturally, but modern development by humans accelerated the process. People hated to live in a wet place with tons of mosquito, so they drained the water out of the land.
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彼らは水を抜いた湿地に木を植え、道を作り、たくさんの家を建てました。近くに大学ができてからは、湿地はゴミ捨て場にされました。バンクーバー市による水の抜き取り作業が始まったのは1929年だそうです。かなり徹底的に破壊された湿地帯でしたが、1990年からはボランティアによる回復作業が始まりました。1996年には最後に残った池を取り囲む木道も作られ、現在でも週に一回の作業が続いています。
They planted trees, and built roads and houses. After UBC was built, the bog became their garbage dump. The city of Vancouver started the draining in 1929. All these activities destroyed the bog quite badly. Then in 1990 a group of volunteers started to restore the bog. In 1996, a wooden walkway that surrounds the bog was built. Now they gather once a week on Saturday mornings and continue the restoration work.
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これはゴミ箱。周りに溶け込むデザインです。
This is a garage bin. It blends in so well.
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作業の内容は、乾燥に伴って入ってきた植物を取り除き、酸性の強い湿地の上に積もった土壌をおよそ25センチも取り除き、さらに湿地にもともと生えていた種類の植物を植えるというもの。地味な作業です。湿地帯を訪れる人にいろんなことを教えたりもします。
Volunteers remove the plants that came into the area after it started to dry out. They also remove about 25cm or so of top soil to expose the acidic bog soil. They plant carefully selected bog plants, too. They are very good guides for the people who visit the bog.
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このボランティアグループは通称「クレージー・ボガーズ」。湿地は英語でボグというのです。なお、じつはこれは言葉遊びで、「バガー」という言葉をもじったものです。バガーというのは軽い意味で「困った奴」というふうに使われたりしますが、もともとはかなりよろしくない意味の言葉です、と、割とどうでもよい英語の勉強でした。この名札は湿地から取り除いた木で作られています。
These people are called, or call themselves, 'Crazy Boggers'. This is a play on words, and the original word in Britain apparently means something very inappropriate. The name tag is made from the tree they removed.
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これは森林課のレンジャー(自然保護官)の人が参加者の一人をシェフに見立てて湿地の作りかたを説明しているところです。ボウルに水を入れ、それから土を一掴み。それを酢で湿らせ、スポンジとかコケとかも入れ、ピートモスも入れ、、、おいしいかな。
The park board ranger dressed up on of the participants as a chef, and demonstrated how the bog is made. The ingredients are water, soil, vinegar, sponge, moss, and peat moss. Very tasty, maybe.
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参加者にはそれぞれ自分で描いた名札が付けられました。この名札の紙に小さなイラストが付いているのですが、湿地に生えている3種類の植物が描かれています。私のにはクラウドベリーという私の憧れのベリーが付いていました。嬉しいな、と思っていたら、「はい、クラウドベリーの人はこっちに集合してください」との声がかかりました。こうして無作為に分けられた参加者は、3箇所に別れて3つのテーマを順番に学びました。
Participants were given name tags randomly, and wrote their own name on the tag. My tag had a illustration of cloudberry. It is my dream berry, so I was happy. Then they called out, 'All the cloudberries, gather here'. There were two other designs of bog plants, and participants were divided into 3 groups in this way. Then we learnt 3 different themes in order.
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クラウドベリーはカナダの北部や北欧ではとても大切な食べ物です。一度食べてみたいベリーなのです。
Cloudberry is an important food source in northern Canada and Northern Europe. I'd love to have some one day.
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最初は土壌です。湿地帯の土は5メートルにも及ぶピートモスでできています。ピートモスというのはコケの化石のようなもので、乾燥するとよく燃えます。飛び跳ねてみると、ふかふかしていることが分かります。グループの半数が飛び跳ねると、そばに立っている人たちには地面が揺れるのがはっきりと感じられるのです。なお、湿地帯はデリケートなので立ち入りは禁止されていて、比較的乾燥しているこの場所だけは立ち入りが許されています。
First, our group learnt about the soil. The bog soil is made of 5 metre deep peat moss. Peat moss is something like fossilized moss. It burns very well when dry. One can feel its bounciness when someone jumps nearby. The group was divided into two, and jumped alternately. It is not allowed to walk into the most delicate part of the bog. This part is quite dry, so we can walk there.
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ふかふかした地面には簡単に棒が突き刺さります。5メートルの棒があれば5メートル入るそうですが、今回は1メートルほどのを使いました。私もやってみたら、簡単に入るけど出すときには吸い付くような抵抗感があって、ちょっと力が要ります。冬の間は地面からおよそ30センチくらいの深さまで乾燥していて、今日は33センチだそうです。その下は水気が多くなっていますが、夏はこれが70センチくらいの深さまで乾燥します。最近では温暖化の影響で特に夏は乾燥が進んでいるそうです。
It is very easy to insert a stick into the bog soil. If there was a 5 metre long stick, it will go in 5 metres. We used a stick that is about 1 metre. It is easier to put it in that pull it out. There is some suction, and that makes it heavier. In winter, the soil is dry about 30 cm deep. Today, it was 33 cm. In summer, it is dry down to about 70 cm. These days, due to global warming, the soil is very dry in summer.
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なお、湿地帯の地面は生き物の死体を死んだときの姿のままで保存するのだそうです。マンモスとか人間とかの完全に保存された死体の写真を見せていただきました。ここでも何か見つからないかと思ってボランティアの人たちは熱心に探しているのだそうですが、あいにくまだ何一つみつかっていないそうです。ここで見つかるのは、保存活動が行われる前にこの辺りで遊んでいた近所の子供たちが捨てたおもちゃとか、腐食して薄くなったコインとか、そんなのだけだそうです。
The soil in the bog preserve the dead body very well. We were shown the photos of preserved humans and animals. The volunteers are hoping to find something like that here, too, but they have not found any so far. The only things they found here are garbage, coins and toys and such which were left by the neighbourhood children years ago.
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次は動物です。レンジャーのお姉さんがいろんな資料を取り出して説明してくれます。通りがかった親子連れも飛び入り参加して、熱心に見ていました。
Then we learnt about animals. The ranger took out many objects and showed them to us. A father and son who walked by joined the workshop and watched with us.
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ここにいるのは割と小さな動物たちばかり。もぐらとか、小さなネズミとかです。でも、コヨーテ(野犬の一種)もいるし、コウモリとかフクロウとかもいます。これはネズミの一種。
The animals here are mostly small. Mole, mouse, and more mouse. But there is coyote, too. There are many birds, too.
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コウモリ。
Bat.
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コヨーテの頭蓋骨。
Coyote skull.
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コヨーテの足跡。
Coyote foot print.
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コヨーテのフン。あいにくというか、幸いというか、プラスチックでできたおもちゃなのでした。かなりリアルなのだそうです。
Coyote poo. It is a very well made plastic toy.
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コヨーテの毛皮は本物です。
The coyote fur is real.
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きつつきは頭蓋骨が重くてびっくりしました。やっぱりこうでなくては脳震盪を起こすのでしょうね。
The woodpecker's skull is very heavy. It has to be this way, I think, to protect its brain.
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ワシは電線に触れて死んだもの。なお、野生動物の死体あるいは死体の一部を個人が所有するのは違法なのだそうです。知らなかった。。。
The eagle parts are from the one who died by flying into the electric wire. We were told that it is illegal to keep the dead body, or the part of it, of wild animal without permit.
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これはフクロウの頭蓋骨。目玉の部分が大きいですね。人間の頭に換算すれば、グレープフルーツくらいの大きさなのだそうです。
The owl skull. The eye socket is huge. If it was the size of human head, the eyes are the size of grapefruit.
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これはフクロウが吐き出した獲物の残り。
Leftover from the owl's dinner. They spit out this ball.
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フクロウの羽は動かしてもほとんど全く音がしません。とても滑らかで柔らかい肌触りです。
The owl wind is very quiet. It hardly makes any noise at all when moved. It felt so nice and soft.
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羽の裏側。
The back of the wing.
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これはワシが吐き出した残り物。
This is the eagle's pallet.
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次は植物。特に植生の種類が豊富な場所に移動します。
Then we learnt about plants. We moved to the spot where there are most variety of plants.
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こういう木は後から入ってきたものです。
Trees like these came in later.
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湿地帯に生えている10種類の植物のサンプルを特別に採取して、木のテーブルに並べます。
There are samples of 10 different kinds of plants on the wooden bench. It is usually not allowed to pick anything here. This time it is special.
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コケには雄と雌があるのだそうです。知らなかった。。。いや、そういえばはるか昔に学校でそんなことを聞いたかもしれないような記憶があるような、ないような。。。忘れっぽい身には、学び続けることは大事です。
So, there are male and females in moss. I may have heard that at school, but I had forgotten it completely. It is important to keep leaning to keep up with my forgetting.
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グループの人が一人一種類ずつサンプルを持って、それぞれの植物の特徴を身振りで表します。何と言っても今回のワークショップの目的は先生たちが環境教育をするときの助けにするということなので、こういうエクササイズが随所に見られました。私にあてがわれたのはラブラドール・ティーという木の葉っぱ。これはとても香りが良くて、ハーブティーとして使われます。まろやかでおいしいお茶です。
Each member of the group held a plant and did the imitation of that plant. Since this is the workshop for the teachers, they taught us lots of hints for learning exercise like this. I held Labrador Tea plant. It is very fragrant, and used as herbal tea. I like is mild taste.
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ラブラドールティーの茂み。
Labrador Tea bush.
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一通り終わってからは、小学校の先生と中学校の先生に分かれて教え方のヒントを学びました。部外者の私はどうしたらいいのだろうと思いましたが、小学生のグループに混ぜてもらいました。これは植物の進化に合わせてサンプルを並べるというもの。恐竜のおもちゃを置く場所はどこが正しいでしょう。
I joined the elementary school teachers' group when they taught us learning hints. This one is an exercise to arrange the plants in the order of evolution. Now, where is the right place to put the dinasour?
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正解はこちら。
And here is the right answer.
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この湿地帯での授業はとても人気があるので、今では予約が必要になったほどです。今回のワークショップを見ただけでも、そうだろうなと思いました。生物学を学んでいる中学生が湿地帯について学び、自分たちで資料を作って小学生に教えるという授業もあるそうです。これは表紙だけですが、絵や図をたくさん使った、とてもよくできた資料がたくさんありました。
It is very popular to have an outdoor environmental class at this bog, and now it is necessary to make appointment for it. I understand it now after seeing this workshop. Sometimes secondary school students who are studying biology do research about the bog and teach elementary school children, too. This is the front page of the material made by such students.
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次に子供たちに自然を「個人的に自分にとって大切なもの」と感じさせるためのエクササイズが行われました。全員が内側を向いて詰めて立って円陣を作り、レンジャーのお姉さんがそれぞれの人に石ころを渡します。石を見ないで触るだけで、「これが自分の石」というのを覚えます。それから右隣の人に順繰りに渡していって、途中で落っことしたり滞ったりしながらも渡し続け、全員自分の石が手元に戻ってきたら初めてそれを眺めます。たったこれだけなのですが、「こんな姿をしていたのね」というささやかな愛情が芽生えるから不思議です。この作業は、自分のペット・ロック(石ころ、岩)として石を絵に描いたり詩に書いたり、あるいはストレス発散のために握り締めたりして、子供と自然が親密になるきっかけになるそうです。
Next we did an exercise for feeling nature as our personal treasure. Everyone stood in a tight circle looking inside. We held our hands on the back. The ranger then walked around, putting a stone each in our hand. We felt our own stone without seeing it. Then we passed it along to the person next to us, and kept doing so until we each got our stone back. It sounds simple, but sometimes we drop the stones, and sometimes there is a 'traffic jam'. Stones don't necessarily get passed around in the original order. When everyone finally got their original stone, we each looked at our beloved stone for the first time. Amazing how easily we can develop affection by such simple connection. Children can use their own stone as stress release stone, paint it, write poetry, etc. It is a great way to make connection with nature.
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これは湿地帯の一部をミニチュアの湿地に見立て、保護のためにはどうしたらいいかを学ぶというもの。正直言って、よく分かりませんでした。湿地にもともと生えていた植物と外来種との戦いを表すゲームもありました。
I didn't really understand this exercise, but I think one has to be a child to really appreciate it. We chose a spot on the ground and marked it with a string. Then we pretended that it is a very special spot with lots of environmentally sensitive features. We marked such features with pepsicle sticks. There was also a game that depicts the battle between the original bog plants and the invasive plants.
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by ammolitering7 | 2013-01-24 13:08 | 「ユースマニュアル」

ユースマニュアル5

「個人的な経験と知覚」

43ページ
図書館での調べ物(1-3時間)
生徒たちは4組に別れ、地元の図書館でリサーチを行いました。それぞれのグループにテーマを選んでもらいます。(生徒たちが自分たちの時間で行うか、あるいは授業時間に行う。2時間)

持続可能な暮らしのテーマ

エネルギーを作り出す
*風、アクティブ・ソーラーとパッシブ・ソーラー、地熱、極小タービン(モーター)
(訳注:太陽熱を取り込む際に動力を使って機械的に行うものをアクティブ・ソーラーと呼び、そのような要素がごく少ないかゼロであるものをパッシブ・ソーラーと呼ぶ。)
*エネルギー効率と保持技術

動きと循環
大人数を移動させる交通機関、自転車、スケートボード、歩く

食物や水などの生活必需品を集める
有機栽培の食べ物、都市での農業、完結自給型農業開発。

ゴミ処理システム
人間の糞尿を含む生ゴミのための堆肥作りシステム
リサイクル戦略、ゴミをゼロにする

庭と景観
屋根に作った庭、緑の壁、 ゼリ造園(訳注:水の節約のために工夫を凝らした造園技術)、菜園

持続可能な建築資材

リサイクルした資材、伝統的な建築資材


グループ一つにつき課題2つ。


A.学習の成果を披露するために、以下のうちの一つを用意します。ポスター、口頭でのプレゼンテーション、歌による披露、またはボードゲーム(訳注:すごろくのような紙に描いたゲーム形式の展示)

B.持続可能な住宅あるいは持続可能な学校の模型を作る。材料は自由。模型にはすべてのテーマを盛り込むこと。例えば、太陽光パネル、菜園、 わらの束を使った断熱材、雨水を集める設備があり、リサイクルした建築資材を使用し、ドアのところに誰かのスケートボードが置いてある住宅の模型など。(生徒たちが自分の時間または授業時間に行う。1時間)

課題を評価する
生徒たちが作ったプロジェクトを評価する。教師や他の生徒たちによる評価、および自己評価(1時間)

ボードゲームの例(次項)

44ページ(写真のみ)

45ページ
地域の年長者(専門家)と関わりを持つ
来賓として地域の年長者(専門家)を招いて話をしてもらいます。地域の年長者(専門家)は生徒たちに持続可能な一日の暮らしについて教えてくれます。例えば、原住民の長老や語り部は、生徒たちの住む地域で土地と海がすべての必要をまかなっていた頃の暮らしはどうであったかを教えてくれます。おばあさんは冷蔵庫を使わないで食糧を保存する技を教えてくれます。園芸家は有機栽培の技術について語ってくれます。

私たちの学校は持続可能な空間をデザインする人に依頼することにしました。デザイナーは1時間かけて生徒たちに持続可能なデザイン戦略について教えてくれました。来てくれた年長者(専門家)は、LEED(Leadership in Energy and Environmental Design、エネルギーと環境デザインにおける リーダーシップ)に認可された 構造設計技師であるダイアナ・クライン氏、そして造園技師であるコーネリア・ハーン・オバーランダーOCでした。

オバーランダーOCはブリティッシュ・コロンビア州大学のCKチョイ・ビルにおいて、自分がデザインした景観を13歳の若者たちのグループに説明して歩きました。彼女たちは、専門知識を生徒たちと共有してくれただけでなく、生徒たちにとって将来の職業として建築と工学を考える前向きな見本ともなってくれました。

コーネリア・オバーランダーOCは、その芸術的、現代的、かつ持続可能なデザインで、カナダ勲章受賞者(オフィサー)となりました。(訳注:「カナダ勲章」はカナダ国民に与えられる最高の栄誉勲章であり、「オフィサー」は上から2番目。)

46ページ
持続可能な場所を訪問して調べる
持続可能な特徴で知られる場所を訪ねる遠足を準備します。訪問対象地として考えられるのは、有機農場、太陽熱発電を利用している場所、開拓者の暮らしを見せる歴史村、産業化以前の原住民の暮らしを展示している博物館などです。

当校の生徒たちはブリティッシュ・コロンビア大学のCKチョイ・ビルを訪ねました。このビルは建築家のエヴァ・マツザキ氏が率いるデザインチームによってデザインされました。私たちのツアーガイドはCKチョイ・ビルの構造技師であるリード・ジョーンズ・クリストファーソン社のダイアナ・クライン氏でした。(上は写真。)

この建物の特徴は、環境に与える影響が少ないこと、リサイクルされた建築資材、そして パッシブ冷房(訳注:電力や機械を使わずに温度を下げること)です。流しとトイレから出た水はすべて庭園内で処理されます。この繊細な仕事をするのは、コーネリア・ハーン・オバーランダーOC(写真右)がデザインした廃水処理溝に植えられた、湿地帯に育つ植物です。

それらの植物によって処理された水は1ミリリットル当たりの 大腸菌の量が10ないし50であり、飲用にも適します!私たちはトイレを訪問し、「人糞堆肥」の箱を開けました。(訳注:トイレのフタを開けた)生徒たちは匂いがしないことに驚いていました。

47ページ
トイレを観察する16歳の生徒。(写真上)
BC州大学のCKチョイ・ビルを見学する子供たち。(写真右)

48ページ
年長の生徒たちをトレーニングする(1時間)

ユースマニュアルの中の主な活動の手順をおさらいします。

(写真)「壁の街」エクササイズを指揮する年長の生徒たち

49ページ
年長の生徒たちが子供たちを指導する(3-4時間)

プログラム
第1部:年長の生徒たちと子供たちを引き合わせる
第2部:「壁の街」エクササイズ、「人生の一日」エクササイズ、「持続性とは何か」エクササイズ 
第3部:サイトマップに活動を記入する
第4部:仕上げ

以上のようなクラスを3-4回行う。各クラス1時間。

第1部:年長の生徒たちと子供たちを引き合わせます。もしも図書館でのリサーチプロジェクトを終了した生徒たちのグループが8つあれば、子供たちのグループも同じ数だけ手配します。年長の生徒たちに、彼らが担当する子供たちを紹介します。彼らは子供たちと図書館でのプロジェクトを共有します。クッキーとホットチョコレートなどの軽食や飲み物を用意します。

第2部:年長の生徒たちが「壁の街」エクササイズ、「持続可能な学校での一日」エクササイズおよび「持続の可能性とは何か」エクササイズを行います。年長の生徒たちが描画エクササイズで子供たちの手助けをします。子供たちはそれぞれ自分と友人たちが持続可能な活動にいそしんでいる様子を描きます。それから活動を取り巻く周囲の様子を描きます。

年長の生徒たちは、提案をしたり 子供たちのあいまいな想念を明確にしたりして助けます。部屋中を見て回り、テーマが描画の中に盛り込まれているかを確かめます。もしそうでない場合は、以下のようなテーマを盛り込むように促します。

  持続可能なエネルギーの選択肢
  動きと循環
  生活に必要な物を集める
  ゴミ処理システム
  菜園・庭園と景観
  エネルギー効率と保持技術

第3部:学校の見取り図を描き、活動をその地図の中に配置します。
第4部:追加レッスン:絵をもっと良くするために、色を塗って仕上げます。

年長の生徒たちは、絵を分析して短く要約した文章を添え、上記のカテゴリーに分類します。

50ページ 活動の絵
51ページ 活動の絵
52ページ 現地の地図
53ページ 現地の地図

54ページ 
第3章 持続可能なデザイン・アイディア・フェア

55ページ 準備

56ページ 準備の詳細
*年長および年少の子供たちに仕事をあてがう。(訳注:生徒たちが自分でしたい仕事を希望する)
*どの生徒にも何らかの仕事を与える:挨拶をする者、音楽を演奏するもの、部署ごとに配置した担当者。
*生徒たちが仕事の希望を出す。
*後片付けは生徒全員で行う。
*服装はあまりカジュアルでなくある程度正式なもの。
*緑化改装のための補助金を受け取るために政府の担当者を招く。そうすることで、子供たちの熱意を代弁するために保護者も招きやすくなる。
*地域の年長者(専門家)を招き、テーマに沿った挨拶をしてもらう。
*イベントの資金を援助してくるスポンサーを招く。(私たちのイベントのスポンサーはグリーン・ブリックス教育協会とバンクーバー市)
*地元の企業に寄付を募る。ドア・プライズ(訳注:入場券やくじを販売し、抽選で商品が当たるというもの。資金集めに使われる手法)、食べ物、コーヒーなどの飲み物。
*保護者や学校の役員や都市計画者を招く。

(挿絵:どうぞおいでになって開会の挨拶をしてください。。。敬具)

57ページ
持続可能なデザイン・アイディア・フェアのプログラム 全4部
第1部:体育館での正式なプレゼンテーション:35分
第2部:広いカフェテリアでカジュアルな集いをする:人々はフェアの体裁をとった会場で各部署を見て回る。一時間半。
第3部:ドア・プライズの抽選、スポンサーへの謝辞、地域の年長者(専門家)への謝辞、閉会の挨拶。10分
第4部:後片付け。

58ページ
プログラムの詳細
第1部:体育館での正式なプレゼンテーション:35分
生徒たちがプログラムを説明するための楽しくてテンポの早いプレゼンテーションを行う。
市の担当者による緑化改装のための補助金の贈呈。
生徒たちが歌を披露する。「ウォーター・ラップ(水のラップ音楽)」
開会の挨拶:コーネリア・ハーン・オバーランダーOC(訳注:カナダ勲章受賞者の肩書き)、造園技師。

第2部:広いカフェテリアでカジュアルな集いをする:人々は各部門を見て回る。科学フェアに似た様式。一時間半。
それぞれの部署に用意するもの:
  フレンドリーな担当者たち:若者たちと子供たち
  若者たちの図書館でのプロジェクトと子供たちのデザイン(模型やポスター)
 
展示器具は保護者や市や他の教師たちから借りて、生徒たちがディスプレイした。
  パスポートに押すはんこ。招待客一人一人にパスポートが渡される。
  はんこが押されたパスポートがドア・プライズのためのくじになる。

各部署:および展示器具のアイディア

動きと循環
*スケートボード、スクーター、自転車、おもちゃの列車セット、おもちゃのバス、持続可能ないろいろな公共交通機関を描いたポスター
*年少の生徒たちがスケートボードで抽選のくじを集めて回った。

持続可能な建築資材
竹でできた床材、リノリウム(訳注:天然素材から作られる建材の一種。)

エネルギー
太陽発電、太陽光パネル、ソーラー・カー
• パッシブ・ヒート(訳注:機械や動力を使わずに得る熱)
• 地熱

ゴミ処理システム
シマミミズを使った生ゴミ処理施設、台所の生ゴミで堆肥を作るのための箱


雨水を溜める樽、廃水処理のための溝(訳注:前述の湿地帯に育つ植物を使った排水処理設備)の展示

食べ物
フェアでは地元で採れたリンゴと地元で製造されたチーズが供された。地元の農場のパンフレット、カナダ農業省とBC州の有機農業組織からの情報もあり。

その他
イベントの間中、生徒たちによるライブのジャズ演奏。
市のブースでは緑化改装のための補助金に関するパンフレットの配布。
ゆっくりした自転車競走(写真)

第3部:ドア・プライズの抽選、スポンサーへの謝辞、地域の年長者(専門家)への謝辞、閉会の挨拶。10分

第4部 後片付け

59ページ ゆっくりした自転車競走
60ページ (写真のみ)

61ページ
著者について
E.スタンレー・キング
*建築学士、イギリス、レスター (Leicester) 県。(1953)
*建築学修士号(BC州大学)(1971)
*MAIBC (Member of the Architectural Institute of British Columbia)BC州建築協会会員 (引退)
*MRAIC(Member of The Royal Architectural Institute of Canada)カナダ王立建築協会会員
*コ・デザイン(一緒にデザインする)グループの創設者であり社長。建築家(現在は引退)。イギリスとカナダのモントリオールで建築家として活動。(1953ー68)
*モントリオール市に建てられた43階建てのCIBC(訳注:カナダの主要な銀行の一つ)高層ビル・プロジェクトの建築家。(1962-63)
*モントリオール万博のコンセプト・デザイナー。描画はカナダ全国および国際的に展示された。(1967)
*モントリオール市で都市デザイナーとして活動。(1962ー68)
*バンクーバー市、カルガリー市、レスブリッジ市、レッドディア市、およびアルバータ州メインストリート・コミュニティー・プログラムの中の多くのコミュニティーにおいて、都市デザインコンサルタントおよび公共プログラムコンサルタントとして活動。(1969ー現在)
*サイモン・フレーザー大学の環境教育学部(1971-76)、およびビクトリア大学の環境学部(1982-86)で教鞭を取る。
*南アルバータ州工業大学(SAIT)で建築テクノロジー学のプログラム・スーパーバイザーおよびインストラクター。(1979-92)
*コ・デザインの「都市イラスト上級編」コースを設立し、カルガリー市とビクトリア市で指導。(1981-86)
*アメリカ合衆国に基盤を置く教育支援委員会によって「本年の国際的な教授」の候補に選出される。(1989)
*SAITの最高の学究的な賞である「学究的な業績を讃えるラルフ・T・スカーフィールド賞 」を受賞。(1990)

*スタンレー・キングは都市計画への市民参加という事柄に関する国際的に認められた権威であり、著作や論文は世界各国で出版・掲載されている。また、パブリック・ダイアログ(市民対話)という手法を開発したパイオニアでもある。

*BC州大学における研究の間にコ・デザインの方法をデザイン(1968-71)。その業績はカナダ映画庁にとって取り上げられ(「恋人たちの椅子」1972)、CBCとCTV(訳注:どちらも日本のNHKに当たるようなテレビ局)で全国に放映された。

*「コ・デザイン --- デザイン参加の方法」(ヴァン・ノストランド・レインホールド社、ニューヨーク、1989)の主な著者であり、「若者たちを中央大通りへ」(アルバータ州中央大通りプログラム・マニュアル、メリンダ・コンリー編集、2000)と題する学校マニュアルの著者でもある。

スーザン・エン・チャン
*BC州大学にて理学士号 、教育学士号、教育修士号取得。
*プリンス・オブ・ウェールズ・セカンダリー・スクールにて教師。バンクーバー教育委員会所属。カナダ、BC州、バンクーバー市。(1993ー現在)
*「プリンス・オブ・ウェールズ・コミュニティー・ガーデン・グループ」のコーディネーター。生徒たちは官僚的な障害を乗り越えて菜園を始めた。バンクーバー教育委員会は、「学校での菜園を推奨するために園芸ガイドラインを修正する」という当グループからの提案を受諾した。
*コーネリア・ハーン・オバーランダーOC(訳注:カナダ勲章受賞者の肩書き)に師事。(2009年6月ー現在)
http://www.primeearth.org/projects/garden.html
*http://www.box.net/shared/2a9gyr9bzi
*「持続可能なデザイン・アイディア・フェア:世代を超えて年長者(専門家)から学ぶ」は、「グリーン・ブリックス生徒の挑戦」賞を受賞。(2009)
*http://www.box.net/shared/i03a96ksko
*http://www.sustainablebuildingcentre.com/forum-topic/%5Btitle%5D_7
*「キャモサン湿地:年長者(専門家)から学ぶプログラム」:生物学を学んでいる生徒たちが小学生に湿地帯のエコロジーを教えた。(2005-2009)
*公共交通機関の 支援運動家。署名運動を企画し、教師たちから草の根の支援を得た。メディアでの発言も行い、バンクーバー教育委員会に提案書を提出。さらにトランスリンク社(訳注:バンクーバー地域で独占的に公共交通手段を提供する半私企業)に働きかけ、すべての教師たちと10ヶ月以上継続して雇われているすべての被雇用者への定期券の支給を実現させた。(2006年5月)
* http://www.cbc.ca/canada/british-columbia/story/2007/05/08/bc-buspasses.html
*「ホット・チョコレート天文学の夜」:初等科学を学ぶ生徒たちのための星を見る集い。1996ー2002)
*犯罪科学教材「スヴェトラナ・ミロフ博士のミステリー」の著者。
*触媒会議に参加。(訳注:触媒学会の会議ではなく、各国の若者のリーダーが集う集まり。触媒のように、きっかけとなって世界を変える、という意味がある)BC州ウィスラー市。(2000)
*上記の教材を教室で使用して指導。(1997ー2009)
*同教材は他の教師によっても活用された。南バーナビー・セカンダリー・スクール(1999)。キング・ジョージ・セカンダリー・スクール(2006)。触媒会議でも紹介された。
*http://kgdragons.vsb.bc.ca/whatsnew/newsletters/vol3/3.pdf
*バンクーバー水族館海洋科学センターのナチュラリスト。(1992)
*コ・デザイン・グループ社のコ・デザイン・アーティスト。(1994ー2009)
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by ammolitering7 | 2013-01-22 13:00 | 「ユースマニュアル」

ユースマニュアル4

36ページ
プログラム
若者たちが持続性について学ぶ
A、教師から(2-3時間)
B、若者たちが持続可能なデザインについて図書館でのリサーチプロジェクトを準備する。

若者たちが地域の年長者(専門家)を訪ね、持続可能な暮らしについて学ぶ

A.地域の年長者(専門家)を教室に招いて話をしてもらう(1時間)
B.地域の年長者(専門家)に率いられて持続可能な場所を訪れる(見学)

年長の生徒たちを進行係としてトレーニングする(ユースマニュアル)(1時間)

若者たちがデザイン・ワークショップとデザイン・フェアを企画・開催する

A.年長の生徒たちが年少の生徒たちに教える(3-4時間)
B、年長および年少の生徒たちが教師と共にアイディア・フェアを開き、地域の人々にプロジェクトや描画を見せる(一晩)

準備
*地域の年長者(専門家)に連絡し、学校を訪問してくれる日時を決めます。この訪問の目的は持続可能な暮らしについて語り合うことです。
*持続可能な場所への訪問を企画します。
*年長および年少の生徒たちのグループのリーダーがプロジェクトの進行とデザイン・フェアの企画について会議を開きます。

37ページ
若者たちが持続性について学ぶ
課題:持続性とは何か?エコロジー的な視点(1時間)
このレッスンの目的:このレッスンを通して年長の生徒たちに「人生の一日」エクササイズを導入します。(以下に紹介しています)このレッスンを通じて彼らは自分たちのことを環境に繋がったエコロジー的な生き物であると理解するようになります。のちに、彼らは持続可能な暮らしについて独自のリサーチを行い、学んだことを年少の生徒たちと共有します。

アクティビティー

1、「人生の一日を想像する」および「壁の街」エクササイズの中の持続性に関する対話。
2、エコロジー的なニッチ
3、持続可能な学校におけるPEP(個人的な経験と知覚)

「人生の一日を想像する」エクササイズ(30分)

紙の真ん中に横線を引きます。(約6メートル)おおよそ真ん中の辺りに印をつけ、太陽の動きに合わせた弧を描きます。下図のように時刻を刻みます。


「「理想的な人生の典型的な日」を想像してください。場所は地元、季節はいつでも構いません。普通の日でも、週末でも、特別な日でも構いません。」

それから、デザイン予定地で朝6時から時刻ごとに何をしているかを尋ねます。生徒たちが活動を述べるたびに、その発言を反復し、弧の中に書き込みます。下図のように、彼らのアイディアをおおよそ彼らが提案する通りの時刻に書き込みます。

38ページ
必要な活動
心の中で、一日の活動が網羅されたかどうかを確かめます。(必要であれば促します)
• 眠る、休息をとる
• 入浴、トイレ
•食事
•生活必需品の買い物(水、食べ物など)
• 動き回る
• レクレーション
• 仕事
• ゴミ捨て

過去と未来の活動
紙がアイディアでだいたい一杯になったら、生徒たちに次の問いについて考えるように頼みます。

1、「タイムラインに書いた活動の中で、あなたのおじいさんやおばあさんが子供だったころにはできなかったことは何ですか?」
2、「あなたの孫はその活動をしていると思いますか?」
3、「あなたのおじいさんやおばあさんが行っていたことの中で、どの活動が「持続可能」で、どの活動はそうではないと考えられますが?」
4、「ある活動を持続可能なものにするのはどんなことですか?」
5、「持続可能」という言葉は、あなたにとってはどんな意味ですか?」


彼らの答えを聞き、紙に書きます。もし正しい答えが出てこなかった場合には次のように説明します。

「簡単に言うと、自分の住んでいる環境や他の誰かの住んでいる環境を破壊しないで長い間続けることができるなら、その活動は持続可能だ、と言うことができます。ここにあなた方が言った「人生の一日」の活動がありますが、これは持続可能ですか?食べることについて考えてみましょう。近くから食べ物を集めて、食べるものがなくなることがないようにするにはどうしたらいいですか?それから、生ゴミが山ほど溜まっていたらどうしますか?生ゴミはどこに行くでしょうか?あなたの友達がここに住みたがって、自分の別の友人たちも連れてきたらどうしますか?」

39ページ
私たちのエコロジー的なニッチ
(訳注:ニッチの定義「ある生物が生態系の中で占める位置。生態的地位。ニッチェ。 」大辞泉 より)

「人生の一日」は私たちの日常の暮らしを代弁するものです。私たちが住むところは環境と呼ばれます。どんな生き物も(クラゲ、蚊、 サナダムシ、熊、蟻、ナメクジ)、その暮らしを通じて、そして環境を知覚することを通して環境と交錯します。どんな生き物であれ、その暮らしと環境をまとめる一言があります。何と言う言葉か、分かる人はいますか?」

「その言葉は「ニッチ」です」


「生き物のエコロジー的なニッチは、それがどこに住むかだけでなく、何をするかにもよる。分析すれば、生物学的には生息地とは生物の「住所」であり、ニッチとはその「職業」であると言えるだろう。」
「エコロジーの基盤」(オダム著。WBソーンダーズ社、フィラデルフィア1959)

環境を知覚する:話し合い(5分)

「動物は様々な感覚を通して環境を経験します。私たちと動物たちが共通して持っている感覚は何でしょうか?嗅覚、バランス感覚、視覚、触覚、聴覚、動き、これらは他の多くの哺乳類や 脊椎動物と共通して持っています。私たちは持っていないけれど動物たちは持っている感覚には何がありますか?」

磁場の知覚 ー 伝書鳩
紫外線 ー 蜂
足に味覚を感じる器官がある ー ハエ

「動物の生涯を形作るのはどんな活動ですか?ヒトデを例にとってみましょう。ヒトデがするだろうと思うことを全部挙げてください。(動き、食べる、エサをとる、逃げる、排泄、、、)ヒトデの個人的な経験と知覚(PEP)の図を描いてみましょう。」

40ページ
持続可能なニッチ

(イラスト)活動の周辺

視覚:周りに何が見えますか?光は?色は?
(視野の分類図)

音:風、声、音楽、車の音など?
味と匂い:食べ物と飲み物、空気?
触覚:空気、陽光、熱さと冷たさ、地面、手触り?
雰囲気:どんな感じの場所?
人々:周りの生き物は?近く?遠く?人は何人?
時間:いつこれをする?どれくらい長く?
動き:行動、移動、どうやってここに来る、どうやって帰る、動き回る、歩く、自転車、バス、または車など?

PEP 3
「個人的な経験と知覚」
スタンレー・キング、コ・デザイン・グループ

 「人生の一日」は日常の暮らしの流れを描写する手助けとなる
 PEP図で環境を描写する
 合わさることでこれらは人のエコロジー的なニッチを定義する

「地上のすべての生命体は必然的に持続可能な暮らしをします。もしもそうしないのであれば破滅的な結果が訪れるからです。私たちの都会的な現代の暮らしが、私たちの現在のニッチが、持続可能であるかどうか考えてみてください。ほとんどの生命体が実行しているようなものに倣った新しいニッチを、どのように定義できるでしょうか?

「良い暮らし」を定義することを考えてください。惨めな暮らしや貧しい暮らしではありません。もしも私たちが理想的に持続可能な暮らしをしたなら、私たちのニッチはどのようなものになりますか?新しいニッチにおいて、あなたは何を見て、聞いて、匂いをかいで、触りますか?あなたの一日はどんな様子ですか?」

「持続可能な学校という環境でのあなたのPEP図を描いてください。PEPの人体の周りにメモを書いてください。」

生徒たちが作業を終えたら、書いたものを発表してくれるように頼みます。

「1組のみなさん、動きと循環の項に何を書きましたか?二つ挙げてください。5組のみなさん、雰囲気には何を書きましたか?6組のみなさん、どんな音が聞こえましたか?」

41ページ
(イラストのみ)

42ページ
「生徒たちのアイディア」
一般
光の入る窓際で作業。
外で作業。
太陽光で部屋を暖める。
暖かくて明るい作業場。外で遊ぶ。
エコロジー的な暮らしを勧める標語
太陽光パネル
たくさんの植生
小さな駐車場
もっとたくさんの植生
公害がない
清潔な小道(訳注:公園の中などの小道を指す)
植生のある壁
夜は蛍光灯やLED(Light Emitting Diode、発光ダイオード) を使う
たくさんの窓
風力
水の生き物がたくさんいる池

雰囲気
じっとして凍えるのではなく、動いて暖まる。
相手を尊重した話し方をする
自然光
友達と一緒に活動する
互いの勉強を助ける
前向きな励まし
平和
機嫌の良い立派な先生
エコロジー的な暮らしを奨励する教師
励ます教師と協力的な生徒
幸せな先生
支援する先生(いろいろ助けてくれる先生)
選択する講座を分散してストレスを減らす
前向きな心構えのために何かのクラブに属する
持続可能だと感じる
ストレスを感じたときは散歩に行く
環境保護に取り組む組織でボランティアをする
ヨガ
もっと睡眠をとる
歌ったり踊ったりする

身の回りの人々や動物や植物

外で元気に遊んで暖房を節約する
屋根の上の菜園の世話をする
緑の壁からハックルベリーの実を摘む
家族や友達と散歩する
家族や友達とサイクリングをする
家族や友達と車を共有する(相乗りする)
家族や友達と公共交通機関を利用する
あまり長いことコンピューターの前に座らない

動きと循環
歩く
消防署の棒
滑り台
自転車、スクーター(訳注:片足で蹴って乗る子供の乗り物)、スケートボード、ローラーブレード
車を共有する
公共交通機関を利用する
走ったり踊ったりして暖かくする
持続可能な庭園を散歩する
ジョギング
盗難の心配のない自転車置き場、スクーターのためのロッカー、自転車のための駐輪施設(訳注:カナダでは自転車に鍵がついていないのが普通であり、塀や道路標識や細い木などに別に用意した頑丈な金属の鍵で固定する人が多い。駐輪用のラックがあればそれを使うが、慢性的に不足している。)
スケートボードで入れる入り口
生徒と先生のための無料の交通定期券
遊歩道
車が徐行するように道路に付けられた突起
車のない道
近くにバス停がある
近道
もっと大きな会堂
足で踏んでワインを作る
日本庭園の中の小道


アイポッドその他の電気機器やラジオではなく、鳥の声や自然な音を聞く
歌って暖かくする
持続に関する教育に耳を傾ける
歌うこと、口笛を吹くこと、鳥、風、風鈴
動物
車がない
滝、電気を使わないライブの音楽

ゴミ
堆肥になるトイレ
漂白剤を使わず、水の使用が少ないトイレ
便利な場所に置かれたリサイクル箱
あまり頻繁に小便をしない
消費者が使用した後の再生紙で作ったトイレットペーパー(訳注:再生紙の大部分は廃棄処分された未使用の紙を再生したもの)
トイレや洗い物に雨水を使う
もっと小さなゴミ箱
ゴミを分別する
ミミズを使った堆肥作り
生ゴミを堆肥にする箱

味と匂い
資源を節約するために果物と生の野菜を食べる
ゆっくり煮込んだ食べ物を食べる
地元で採れた有機栽培の食べ物を食べる
香水や人工の芳香剤を使わない

触覚
暖房節約のために室内で暖かい服を着る
地域の菜園で土に触れる
冷房ではなく自然の涼しい風で涼む
冷房ではなく海で涼む
机や白板を触る
人工芝ではなく自然の芝
有機栽培の食べ物を植える
リサイクル
本物の毛皮を触らない(訳注:動物愛護のため?)
雨水で手を洗う

持続可能な学校のためのPEP図


以上はプリンス・オブ・ウェールズ・セカンダリー・スクールの二つの学級の16歳の生徒たちが書いたコメントをまとめたもの。
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by ammolitering7 | 2013-01-22 12:43 | 「ユースマニュアル」

ユースマニュアル3

28ページ
「壁の街」の歴史、スタンレー・キング
この作業は子供たちと共に始まりました。1960年代半ばにモントリオールで建築家として働いていたとき、私は自分の仕事が計らずして若者たちを疎外していたことに気がつきました。彼らは私を取り囲み、怒りに燃えた顔を向けました。その中には私の息子もいて、こう叫びました。「ブルドーザーが僕たちの遊び場を壊しているよ。そんなことが許されているの?どんな決まりがあるの?」彼らの遊び場は、大人の目にはただの空き地でした。しかし、そこには木の上に自分たちの基地もあり、彼らにとっては自然の一角に作った自分たちの領域だったのです。」

「コ・デザイン(訳注:一緒にデザインする):デザイン参加の過程」(スタンレー・キング他、Van Nostrand Reinhold(ヴァン・ノストランド・ラインホールド) 社、ニューヨーク 1989)

後に、私はこれが発展する郊外の場面ではありふれた出来事であることを知りました。彼らの怒りを鎮めようとして、私はデザイナーが未来の都市を計画した素敵なアイディアをまとめてみました。生徒たちはこれを敵意と共に却下しました。

イギリスのコリン・ワードは、私の経験をこう書いています。「スタンレー・キングはイギリスの建築家である。1950年代にカナダに移住し、教育委員会のプログラムの一環として生徒たちに都市環境への興味を喚起させる試みを行った。彼は訪れた教室での生徒たちの反応に愕然とした。「教室の雰囲気は不安と敵意と陰鬱さに満ちていました。つまり、生徒たちは口を利かなかったのです。もちろん、話を聞いてもいませんでした。」何か言ったり話を聞いたりするときには、 彼らの言動には無感動と恐れが 混じっていた。無感動は、「街は戦うには相手として大きすぎる」から。恐れは、彼らにとって街とは「そこに住む人々の上に忍び寄る邪悪な存在」だったからだ。このような防御的な状態を理解してくださる教師たちは多いだろう。

「ストリートワーク」(コリン・ワード、アンソニー・ファイソン共著、ルートレッジ・アンド・キーガン・ポール社、「都会と田舎の計画委員会」ロンドン、1973)

「このアイディアが好きじゃないなら、」と私は尋ねました。「どんな街に住みたいですか?」そして、出てきて教室の前に貼った紙に自分のアイディアを描くように頼みました。こうして若者たちが「壁の街」プログラムを始めたのです。美術の教師である妻のマーガレット、そして当時小学生だった私たちの子供たちの助けを得て、私は教え方を準備し始めました。

教師たちと校長の助けを得て、さらにCMHC(Canada Mortgage and Housing Corporation カナダ不動産抵当および住宅会社)奨励基金からの補助金も得られたので、私はバンクーバー市およびBC州全体の多くの小さな町やカナダ全体の都市や町の多くの学校で生徒たちと話し合いをしました。「壁の街」プログラムは、これらの数多くの話し合いの結果であり、また、私の建築学修士号のための論文「若者たちに建築の社会的な在り方を導入する」のための研究の結果でもあります。この論文は、1968年から70年にかけて、ブリティッシュ・コロンビア大学の建築学部と教育学部における学際的な研究の間に作成しました。

教育者たちからは熱意のある反応がありました。サイモン・フレーザー大学とビクトリア大学からは、この方法を教育者たちに教えるために招かれました。教師たちは独自の工夫を加えてこの方法を使い、教育の様々な側面で活用しました。

29ページ
第2章 世代を超えて年長者(専門家)から学ぶ

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ケース・スタディー:再生産可能なデザイン・アイディア・フェア。プリンス・オブ・ウェールズ・セカンダリー・スクール、バンクーバー市、2009年4月2日

「生徒の声」
「お集まり頂いた皆様の中には、今夜の集まりの目的が全く理解しかねると思っておいでの方もいらっしゃることでしょう。学校が深刻な資金不足で苦しんでいるときに、なぜアイディア・フェアなど開催するのでしょうか。馬鹿げているのではないでしょうか。しかし、バンクーバー教育委員会は、北米で最も持続可能な学校地区となることを目指しています。どこかで行動を始めなければ目標に至ることはありません。ですから、私たちは今ここから始めるのです。」

「持続可能なデザイン・アイディア・フェア」の開会の言葉。プリンス・オブ・ウェールズ・セカンダリー・スクールの生物学科生徒、キーラン・リー。(2009年4月2日。)

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共同作業
1、スタンレー・キング氏の希望は、「壁の街」プログラムを課題として使うことによって都市計画の過程に若者の参加を図ることでした。「壁の街」プログラムは、200を越える計画の場において子供たちの参加のために使われました。その中には、以下のような大規模な都市プロジェクトが含まれます:バンクーバー市のロブソン広場、グランビル・アイランド、フォールス・クリーク南部と南東部、ヘイスティングス公園(PNE)、ビクトリア市のジェームズ湾、カルガリー市のオリンピック・プラザ、メモリアル通り、都市部の公園、州立公園、国立公園、およびアルバータ州とブリティッシュ・コロンビア州各地の都市および小さな町。プログラムの過程はカナダ映画庁によって作成された映画に記録されています。「チェアズ・フォー・ラバーズ(恋人たちの椅子)」(1973)キング氏は、年長の生徒たちがプログラムを実行するためのエクササイズで、当校の生徒たちに直接トレーニングを施しました。

2、グリーン・ブリックス教育協会のダイアナ・クライン氏並びにフィオナ・ザワツキー氏の希望は、若者たちに持続可能なデザインの趣旨を教えることでした。また、彼らがひるがえって自分たちの両親に持続性を提示してくれることも望んでいました。両氏は持続性に関するテンポが速くて学ぶところの多いワークショップを開き、当校の生徒たちに持続可能なデザインの趣旨について教えました。彼らは資金をやり繰りし、フェアには来賓として市の関係者も手配してくれました。

3、当校の教師であるスーザン・エン・チャンは、年長者(あるいはその道の専門家)から何かを教わるというシステムによって生徒たちが学習に積極的に参加するようになるということに気がつきました。チャンがコーディネートした「持続可能なデザイン・アイディア・フェア」は、生徒たちがエコロジー的な暮らしについて考えるようにすることを目的としています。教科書を超えたエコロジーを教えることを望んだチャンは、生徒たちに自分の一日の暮らしと活動を振り返って、それが地域と地球のエコロジーにどんな影響を与えているかを観察するように促しました。

32ページ(写真)
左上から時計回りに
   生徒たちに教えるダイアナ・クライン
   スーザン・エン・チャンとスタンレー・キング
   持続可能な学校のデザイン、細部

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世代を超えて年長者(専門家)から学ぶ
地域社会の年長者(専門家)から、年長の生徒たちへ、そして年少の生徒たちへ。
すべての生徒たちが自分たちのアイディアを伝える:保護者、地域社会、世界へ。
伝えるのは、それはあなたです。

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必要なもの
「ユース・マニュアル」の第1章「壁の街」エクササイズ
年長の生徒たちのグループ(だいたい14歳かそれ以上)
年少の生徒たちのグループ(8歳から13歳くらい)
訪問して研究できる地元の持続可能な場所
(例:有機農場、屋根や壁に植生のある建物、LEED(Leadership in Energy and Environmental Designエネルギーと環境デザインにおけるリーダーシップ )に認定された建物、エネルギー効率の高い太陽熱発電による場所、開拓者の暮らしを見せる歴史村、産業化前の時代の原住民の暮らしを展示する博物館。)

地域の年長者(専門家)の例

*原住民の長老や語り部は、産業化前の持続可能な暮らしについて語ってくれます。
*持続可能なスペースをデザインする建築家、エンジニア、都市計画者、 造園技師
*有機農法を採用している園芸家や農家
*伝統的な保存食の作り方に詳しい高齢者(瓶詰め、漬物など)

35ページ
*効果と結果
*教科を超えた繋がり
*芸術、デザイン、生物学、地理学、基礎的な科学

年長者(専門家)から学ぶ
年少の生徒たちは年長の生徒たちから世話をしてもらい、注意を払ってもらう。年長の生徒たちはリーダーシップの経験をする。

計画に若者が参加する

変化を作り出す「誰か」の代表者に会うことで、生徒たちが感じる社会からの疎外感を減らす。

結果
変化をもたらす者としての若者
生徒たちは、自分たちの周りの作られた環境は変化しうるものであり、自分たちがその変化をもたらす者であることを理解する。

アイディア・フェアの後で、プリンス・オブ・ウェールズ・セカンダリー・スクールの生徒たちは、官僚的な障害を粘り強く乗り越え、すべてのデザインの中でも顕著だった学校菜園というアイディアを実現しました。プリンス・オブ・ウェールズ・セカンダリー・スクールは、2009年度の「グリーン・ブリックス学生の挑戦」賞を獲得しました。

(写真)BC州大学の持続可能な建物であるCKチョイ・ビルを訪問する生徒たち。
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by ammolitering7 | 2013-01-22 12:33 | 「ユースマニュアル」

ユースマニュアル2

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ユース・マニュアル 第1章「壁の街」

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プログラムの目的
若者たちが変化を計画する「誰か」に会って話をする。街が発展するのは「誰か」ではなく「自分たち」の活動によるものであることを、若者たちが自ら理解する。若者たちが自分たちの場所の未来のためのデザインに関して発言権を持つ。

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デザイナーにとっての利益
「あなた自身を描いて、それから友達を描いて、それから周りの様子を描いてください」という単純な指示によって、都市計画者にとってのデザインの宝庫が開かれます。自分と友人たちがいる様子を描き、周囲の様子を描写することによって、若者たちは「活動」の項目を加えてくれます。デザイナーはこれを最良のガイダンスとします。それによってデザイナーは自分の経験、知識、創造性を理想の生活様式に適うように生かすことができるからです。デザイナーにとって若者たちの描いた絵は貴重です。それらは他の方法では得られないデザイン・データを提供するからです。若者たちは自分たちの環境について鋭い感覚を持っており、予算のことや管理のことなどの大人の考えにとらわれない新鮮な視点を提供します。

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実行前の手配
始まり:都市計画者を招待する
若者たちの環境に変化を与える計画に若者たち自身が参加するプログラムを開始する前に、計画者と意思決定者が彼らのアイディアを喜んで受け入れるということを確認する必要があります。

彼らは通常はその町の若者たちからのアイディアを考慮する用意があるものです。喜んで若者たちと語り合って彼らの気持ちを聞く用意があることを、理解してもらおうとするでしょう。市長および他の公証人たちも、少なくとも挨拶の部分だけでも学校にやってきて計画者と共に若者たちに会ってくれる場合があります。

「壁の街」の例
スタンレー・キングがバンクーバー市のロブソン広場のデザインのために同様の「壁の街」エクササイズを行っている様子を撮影した映画「恋人たちの椅子(チェアズ・フォー・ラバース、邦訳無し)」。カナダ映画庁、28分。

新聞、テレビ

地域の新聞やテレビは、都市計画に子供たちが参加するという出来事に興味を示す場合が多く、子供たちの描いた絵を掲載あるいは放映したいという意向を示します。その場合は保護者の許可が必要です。(訳注:子供たち自身の映像や写真も同様。)

子供たちを撮影するために好適な時間帯は「壁の街」エクササイズの後半、およそ9時半から10時の間です。(訳注:朝9時から始める場合)

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会場での準備
体育館でのセットアップ
床に6メートルほどの紙を広げます。生徒たちに紙を壁に貼ってくれるように頼みます。紙は2重にするのが最適ですが、もしも壁がデコボコしているようであれば増やします。

生徒たちが到着する

生徒たちに、壁に貼った紙の方を向いて、互いに詰めて座るように頼みます。最前列の生徒と壁の間に1メートル強のスペースを空けておきます。最前列の生徒たちに、エクササイズのために持ってきたパステルやフェルトペンを箱から出してくれるように頼みます。

地域の指導者や都市計画者を紹介する

地域の指導者や都市計画者に頼んで、生徒たちに自分たちの日頃の仕事のことや計画予定地について話してもらいます。また、該当地域に対する生徒たちのアイディアは計画する上で考慮されるということも話してもらいます。

11ページ
「壁の街」エクササイズ

9時「街がどうやって発展するかを見てみましょう」
「あなた方の地域の将来については、しばらく後で想像してもらいます。今はまず昔のことを振り返って、街が実際にどうやって発達するのかを見てみましょう。」

生徒たちに話しかけながら、茶色と青のパステルを使って地面と水を表す線を引きます。
「あまり誰も住んでいないときにこの土地にやってきた様子を想像してみてください。こうやって、あなたはカヌーに乗ってやってきました。

ここで何をしますか?
どんな音が聞こえますか。
どんな匂いがしますか?

ここにもっと長くいたいと思ったので、土地を幾らか買うことにしました。
友達がやってきて、小屋を建てるのを手伝ってくれます。
どこに建てますか?。。。ここですか?」


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「友達も住みたがりました」
「あなたの友達もここに住みたがりました。それであなたは土地を分けて、友達に区画を売って、家を建てるのを助けてあげます。買い物をするときはどこに行きますか。お茶を一杯飲みたいときは?レストランとお店が要りますね。何軒かの家は、改造してこういうサービスを提供するようになります。

嫌な匂いのする動物の皮や骨をトラックに積んだ人がやってきました。この人は工場を建てたいのです。」

13ページ
「さあ、街が出来始めました」
「お金を稼ぐことができるのは嬉しいですが、工場の匂いがあんまり近くでするのは
嬉しくありません。工場はどこに建てたらいいですか?あっちですか。。。?

さあ、こうやって街ができてきました。居住地域と呼ばれる、住むところがあります。商業地域と呼ばれる、買い物をするところがあります。そして、工業地域と呼ばれる、働くところがあります。」


ここで、知っている街の様子を思い出すように促します。そして、絵に何を加えたらいいかを考えてもらいます。生徒たちは、「病院」、「学校」、「消防署!」などと口々に言います。前に出てきてそれを描いてもらうように頼みます。

14ページ
「前に出てきて描いてみませんか」

素敵なアイディアがたくさんありますね!ここに来て絵に描き込んでください。パステルを使って自分のアイディアを描いてください。どんどんできていく街のどの辺りにあったらいいかを考えて描いてください。」

9時40分
「この街に住みたいですか?」
まもなく、ごみごみした街ができあがります。
「座ってください。みんなで描いた街を見てみましょう。ここに住んでみたいですか?」

必ずとは限りませんが、子供たちは多くの場合「住みたくない」と答えます。自分たちの住む都会の環境に似ているので、住みたくないと言うのです。描かれた街は、商店やコンクリートや自動車でごみごみしています。木はほとんどありません。うるさくて臭くて、ごみごみした街に見えます。

生徒たちにカヌーを見つけるように指示します。この場所が自然に溢れていたときには何が聞こえ、何が見え、どんな匂いがしていたかを思い出してもらいます。

「あなたが住みたいのはこんな場所ですか?この場所が自然だったときには、何ができましたか?今描いた街では、何ができますか?今、この街では何が聞こえますか?何が見えますか?どんな匂いがしますか?」

15ページ
都市の問題

「現在では地球上に60億人の人間がいて、その半分は都市に住んでいる。2050年には人口は90億人に増え、都会には60億人が住むことになると予想されている。」
ハンス・ロスリング博士、ギャップマインダー(訳注:「ギャップマインダーはスウェーデンの非営利組織。様々な国際的な統計を公開している。)
http://www.gapminder.org/videos/a-slum-insight/

「もしも誰もが私たちが築いたような都市に住むなら、それを支えるためには少なくとも地球が4つは必要です。」

写真はNASAがアポロ17号から撮影したもの。(1972年12月7日)

16ページ
もう一度やり直し。何をしたいですか?
「私たちの街を見てください。ここにあるのはどれも何かを解決するためにできたものですが、今では問題が何だったかということさえ分かりません。

もう一度デザインをやり直しましょう。そして、今度は「どうしたらいいか」ということは考えないで、建物のことも考えません。今度は「何がしたいか」ということを考えてみましょう。建物がいらない場合もあるのです。」


17ページ
個人的な経験と知覚(PEP)
「空気や暖かさを感じるのはどの部分ですか?」
「今ここにいる自分のことを考えてみましょう。周りに直接触れているのはどの部分ですか?」

生徒たちは「足」、「お尻」などと答えます。

「空気や暖かさを感じるのは体のどの部分ですか?」
「顔。」「手。」

「場所の雰囲気を感じたり、周りの人たちや生き物のことを考えたりするのはどの部分ですか?」
「頭。」「心。」

「歩いていたり立っていたりするとき、周りに触れるのは何ですか?
「足。」


18ページ
「では、時間の中心は?」
「見たり聞いたり匂いを嗅いだり味わったりするのはどの部分ですか?」
「目。」「耳。」「鼻。」「口。」

「では、時間の中心にあるのはどの部分ですか?」

生徒たちは、普通はこの問いに対してはしばらく考え込みます。
「脳みそ?」「心臓?」
「そうですね、それもいいですが、それは一番の中心ではありません。この部分が「時間ですよ」と言えば、ほんとにその時間なんです!」

そのうちに誰かが「お腹」と答えます。

「そう、その通り。下腹部は「食べる時間ですよ」と教えてくれます。下腹部が「トイレに行く時間ですよ」と言えば、必ず行かなくてはなりませんね!」

19ページ
地域の指導者あるいは計画者
「新しい場所での一日を想像してください」
生徒たちに、広場や公園や庭園や建物など、デザインの該当地域について説明します。

「さて、この場所がすっかりデザインされて、建物も全部あなたの希望通りに出来上がったところを想像してください。新しい場所での一日を想像してみましょう。何が見えますか?何がきこえますか?どんな匂いがしますか?どんなものに触れますか?どうやって動き回りますか?」

問いかけをしながら生徒たちに次ページのPEPの図を見せ、反応を導きます。

20ページ
(PEPの図)
(PEP)個人的な経験と知覚

21ページ
「人生の一日」エクササイズ・・・一日をデザインする
10:30 活動のタイムライン
生徒たちに手伝ってもらって「壁の街」の絵を外し、新しい紙の下、あるいは別の壁に貼ります。新しい紙に「活動のタイムライン」の図を書きます。

「新しい場所での一日を想像してみてください。季節はいつでもいいし、普通の日でもいいし、週末でもいいし、何か特別な日でも構いません。今度デザインすることになった場所で、何をしたいですか?朝の6時から始めましょう。」

生徒たちが何かの活動を発言したら、それを反復して、タイムラインに記入します。以下の図に見られるように、生徒たちのアイディアを彼らが指定した時刻と大体同じ位置に書き込むようにしてください。

心の中で、彼らが一日の活動をカバーしたかどうかをチェックします。(必要であれば答えを促します)
• 睡眠
• 入浴、トイレ
• 食事
• 生活必需品の買い物(食べ物、飲み水など)
•移動(動き回る)
• レクレーション
•仕事
• ゴミ捨て

22ページ
「「持続可能な活動」を簡単に言うと。。。」
11:00 AM 過去と未来の活動
紙がアイディアでだいたい一杯になったら、生徒たちに次の問いについて考えるように頼みます。

「タイムラインに書いた活動の中で、あなたのおじいさんやおばあさんが子供だったころにはできなかったことは何ですか?あなたの孫はその活動をしていると思いますか?あなたの孫の暮らしの質について考えて、その答えを説明してください。

あなたの孫の暮らしの質を考えることは、持続の可能性について考える一つの方法です。ある活動を持続可能なものにするのは何ですか?「持続可能」という言葉は、あなたにとってはどんな意味ですか?」


彼らの答えを受け入れ、もし正しい答えが出てこなかった場合には次のように説明します。

「簡単に言うと、自分の住んでいる環境や他の誰かの住んでいる環境を破壊しないで長い間続けることができるなら、その活動は持続可能だ、と言うことができます。では、タイムラインに書いたあなた方の活動では、どれがどれくらい持続可能でしょうか?

食べることとゴミを作り出すことについて考えてみましょう。。。どうやって一つの場所から食べ物を集めることができますか?どうやって食べ物が足りなくなるのを防ぐことができますか?

そうすると、持続可能な食べ物の供給というのは、いつでも食べ物があるようにしてくれるものを指しますね。もし生ゴミがたくさん溜まったらどうなりますか?」

この後、栄養の循環についての議論を続けることもできます。台所から出る生ゴミを堆肥にして、食用になるものを栽培するのに使う、ということなどです。

23ページ
「自分自身と友達を描いてください」
生徒たちは、タイムラインからそれぞれ自分の好きな活動のアイディアを選んで絵を描きます。一人一人に画用紙を渡します。生徒二人あたりにパステル一箱をあてがいます。生徒たちは体育館に散らばって自分のアイディアを描きます。このエクササイズの目的は、彼らが新しい環境の中でリストから選んだ活動をしている様子を想像し、自分の欲する環境を想像することです。

「その場所にいる自分を想像してください。デザインは全部済んで、あなたの理想の通りにできあがっています。そこで何をしているかを考えてみてください。まず、自分と友達を描いてください。それから周りの様子を描いてください。」

年長の生徒たちは文字で描写することを好む場合もあります。

24ページ
「それから周りの様子を描いてください」
「絵をもっとよく説明するために、周りの時間や雰囲気や音や匂いや味を説明する言葉を入れてください。絵の裏に名前を書いてください。」

すべての絵を展示する

全部の絵を床に並べ、生徒たちに順番に絵の周りを回って見るように言います。絵に番号をつけます。参加者すべてに評価表を渡します。一人一人で、声を出さずに、自分の活動の好みに応じて絵を評価してもらいます。

エクササイズを終了する
熱心に参加してくれたことを全員に感謝します。そして、彼らの絵は地域の人に見てもらい、公共の場所や都市計画者の事務所で展示されることを説明します。「壁の街」の絵を地域で展示する前に、生徒たちの許可を得ます。急いで描いたので、乱雑でごちゃごちゃしていることを嫌がる場合もあるからです。

25ページ
絵を展示する
展示する絵に添えるためのポスターを作り、生徒たちのプログラムを説明します。
*「保護者の夕べ」に生徒たちが主催するイベントを開き、飲み物や軽食も用意します。(訳注:「保護者の夕べ」というのは、授業参観と似た趣旨のものだが、もっと社交的な意味合いが強い)
*町役場や商店、ショッピングセンターなどの公共の場所
*地元の新聞
*ウェブサイト

生徒たちが歩行者および自転車のための独自の通行方法を強調しています。

26ページ
とてもいいです。ここで実現している様子を想像できます。
いいと思います。でも実現している様子は想像できません。
いいと思います。でももっとデザインに工夫が必要だと思います。

評価表のサンプル
アイディアを評価することで生徒たちに民主主義を示すことができます。

27ページ
必要なもののチェックリスト
紙(約1メートルx18メートル)
はさみ、またはカッターナイフ
マスキングテープ2巻き
パステル(生徒2人あたり1箱)
画 用紙(薄茶色のものを生徒一人あたり一枚。予備も用意する。)
評価表(一人一枚。予備も用意する)
カメラ
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by ammolitering7 | 2013-01-22 12:21 | 「ユースマニュアル」

ユースマニュアル

スタンレー・キングさんはイギリス出身でカナダで活躍している建築家です。厳密にはもう引退していらっしゃるのですが、生涯に渡って情熱を注いでいる市民参加型のワークショップ手法に今でも熱心に取り組んでおられ、とても引退した人とは思えないお忙しさです。

キングさんは最初は普通に高層ビルをデザインしたりしてたのですが、彼の関心はだんだん公共の意見を取り入れた開発計画に重点が移っていきました。教育者でもあるので、子供を対象としたワークショップの開発にも力を注いでいます。都市計画に関する知識のない人や子供も含めた共同体の中の一つ一つの魂すべてを尊重し、共有できる理想を描いていこうとする姿勢はすばらしいものだと思います。

以下、スタンレー・キングさんの最近の小論「ユースマニュアル」(イラストを除く)をご紹介します。続けて、今翻訳している書籍も掲載します。著作権はキングさんにありますが、広く知らしめたいというご希望により、日本語で紹介する許可を頂いております。私は建築や都市計画については門外漢なので、用語の間違いなど多々あることをあらかじめご了承ください。建築や教育関係その他でこの内容に興味を持ちそうな人をご存知でしたら、ぜひ一読を勧めていただきたく思います。

1ページ
ユース・マニュアル --- 若者のデザイン参加のための手引き
建築の社会的な在り方について(市民参加型の建築デザイン):
持続可能なコミュニティーのデザインにあたって若者たちの参加を図るために。

この小論は教師および年少の生徒たちを指導する年長の生徒たち(ユース・リーダー)のために作成されました。

著者:スタンレー・キング、スーザン・エン・チャン
草稿、2010年4月

2ページ
目的および目次

目的
このユース・マニュアルでは、若者たちが地域共同体の将来的な持続性を計画し、自分たちの周りの環境をデザインすることに貢献するための方法を学ぶことを可能にするためのプログラムをご紹介しています。本稿は、プログラムを実行するにあたっての補助として、教師および年長の生徒たちに活用していただくことを目的としています。

このプログラムは、公園や子供の遊び場、レクレーションのための場所、道路、公共の空間や建物など、様々な環境に適用できます。当マニュアルは相互に関係のある3つの章から成りますが、単独で利用することもできます。


目次

序章(3ページ)

第1章 「壁の街」(6ページ)
生徒たちは発展する街の様子をすばやく描き、それを作るのは「誰か」ではなく「自分たち」であることを理解します。自分の一日の生活のパターンと感覚に基づいて、彼らは自分たちの環境をデザインします。

生徒たちに次のような問いかけをします。「あなたの新しい環境の中では、何が見えますか?聞こえますか?肌に触れますか?匂いますか?午前6時、10時、正午、真夜中には、何をしていますか?」

それから、次のように促します。「まず自分の姿を描いてください。それから、お友達を描いて、それから周りの様子を描いてください。」

第2章 世代を越えて年長者(専門家)から学ぶ(原語はMentor) (29ページ)

(訳注:Mentorとは、何かの事柄について自分より先に進んでいる人であり、中でも特に師として仰ぐような人を指す。先輩、年長者、その道の専門家。)
地域の年長者(専門家)たちが生徒たちに持続可能な暮らしとデザインについて教えます。年齢層を超えたエクササイズでは、年長の生徒たちが年少の生徒たちに指導します。年長の生徒たちが「壁の街」エクササイズを指導し、その中で年少の子供たちが自分たちの持続可能な空間をデザインします。

ケース・スタディー:バンクーバー市のプリンス・オブ・ウェールズ・セカンダリー・スクール(訳注:日本の小学校の中ー高学年から中学生にあたる年齢層のための学校)

第3章 アイディア・フェア (54ページ)
保護者および市民の指導的な立場にある人々を対象とした、生徒たちによるデザインの発表会を開催するにあたって、年長の生徒たちが年少の子供たちを指導します。

ケース・スタディー:バンクーバー市のプリンス・オブ・ウェールズ・セカンダリー・スクール

著者について(61ページ)


3ページ
序章

若者たちが参加することの有効性
地域環境の将来を計画するときには、ほんの少しの時間を割いて若者たちの参加を促すことにより、良好な結果が得られます。自分の家という狭い世界から一歩を踏み出して、新しく地域環境を認識したばかりの若者たちは、対話に新鮮な視点をもたらしてくれます。彼らの活動的な生活はデザインにおける活動の幅を広げます。

車、人物、環境などに対する彼らの認識は、デザインに隠された危険の可能性に光を当てることができます。子供にとって安全な場所は私たちみんなにとっても安全です。

「子供にとって住みやすい街」

ユニセフは、1989年の「子供の権利会議」に基づいて、「子供にとって住みよい街」の性質を12か条にまとめました。ユース・マニュアルはそのうちの7つに対応しています。

子供たちが自分たちの街に関する意思決定に影響を与える権利
子供たちが自分たちの欲する街作りに関する意思表示をする権利
子供たちが家庭的、地域共同体的、および社会的な生活に参加する権利
子供たちが自分たちだけで安全に道を歩く権利
子供たちが友人に会って遊ぶ権利
子供たちが植物と動物のために緑の空間を持つ権利
子供たちが公害によって汚染されない環境に住む権利

http://www.childfriendlycities.org/

スタンレー・キングの「壁の街」エクササイズは、最初の三つの項目について子供たちが正式に参加することを可能にします。残る四つの項目は、200件以上の「壁の街」ワークショップで描かれた子供たちの絵に共通して見られるイメージです。

最初のワークショップは、1971年にノバスコシア州のポート・ホースクベリー市において、コミュニティー・スクールのデザインのために開かれました。(訳注:コミュニティー・スクールとは、公共図書館や公民館その他の公的な機能を併設した公立学校を指す)その後、幾つもの大きな都市計画プロジェクトにも活用されました。その中には、バンクーバー市のロブソン広場、グランビル・アイランド、フォールス・クリーク、ヘイスティングス公園(PNE)、ビクトリア市のジェームズ湾、カルガリー市のオリンピック・プラザとメモリアル・ドライブなどが含まれます。

アルバータ州およびブリティッシュ・コロンビア州各地で、多くの身近な公園や州立公園、国立公園、市内の居住区、小さな町などのデザインに若者たちが貢献しました。若者たちが計画に参加するときは、デザインは常にある特徴を示します。それは人間的な大きさであり、そして新しい場所で楽しむことのできる様々な活動の幅広さです。

若者が計画に参加することによって、彼らがおちついた振る舞いをすることや地域共同体の絆が強まることも期待できます。若者たちは自分たちがデザインの手助けをした環境を大事にします。公共器物の破損行為は皆無に近くなります。

「子供たちが自分たちの環境作りに参加したときは故意な破損はないということに、私は本当に心から同意します。」
(カルガリー市のジョン・ダイフェンベーカー高校の校長、モイラ・ヘガーティ氏からの手紙。)


4ページ
教育者からの反応
「私たちは毎回プログラムの締めくくりにバンクーバーへの見学旅行を行います。コリシアム、トロント・ドミニオン・タワー、ガスタウン、エンパイア・スタジアム、BC州大学、オークリッジその他いろいろな場所で、子供たちは「PEPリスト(個人的な経験と知覚)」をチェックします。一言で言って、このプログラムは私の授業で最もやりがいのあるものです。子供たちは心から喜んで行います。」
BC州ポート・アルバーニ市のアラン・ウィルモット氏からの手紙。(1973年2月8日)

「結果は驚愕すべきものでした。子供たちは、水を得た魚のようにこのプロジェクトに反応しました。彼らにほんの一言でも書いたり発言させたりするのは至難の業だったというのに、このプロジェクトの場合は子供たちが我先にアイディアやコメントなどを出してきました。
全く、信じられないほどでした。同じ子供たちとは思えないほどだったのです。他の3人の教師たちもこのプロジェクトを行ってみました。3年生から5年生の担当教師、4年生の担当教師、7年生の担当教師です。彼らも皆、それぞれの生徒たちから素晴らしい反応を得ました。」
バンクーバー市のローラ・セコード小学校のジョン・ヒバーソン氏からの手紙。(1973年3月19日)

コミュニケーション
「壁の街」エクササイズは、人間の集落の進化における歴史的な変化に関して子供たちに基本的な理解を与えます。日常的な一日の行動を観察することは、農家の暮らし、商店の経営者の暮らし、炭鉱の町の採掘労働者の暮らしなど、子供たちが様々な社会を学ぶ上で人間的な要素を思い描く助けとなります。

子供たちが自分たちの日常と祖父母が子供だった頃の日常とを比較することは、過去の暮らしを思い描いて歴史の中の人間的な要素を知る手助けとなります。

このプログラムはコミュニケーションの能力を高めます。絵を描くことと言葉を書くことを組み合わせることによって、子供たちは自分のアイディアを容易に、かつ自信を持って描写できるようになります。これは、カナダに来たばかりで英語に困難のある生徒にとっては特に有効です。

グループで課題に取り組むことを学ぶのも、(このプログラムを使うことで)もっと簡単になります。」バンクーバー教育委員会報告の中の教師評価より。「生徒たちが地域向上のためのデザインをする」(スタンレー・キング、1978)


エコロジー教育:「私の住むところ、私のすること」
スーザン・チャンは、「壁の街」エクササイズと「持続可能なデザイン・アイディア・フェア」を用いて、「教科書の中のエコロジー」を実際の暮らしと関連付けました。デザイン・エクササイズは、生徒たちに自分の周囲の様子と日常の暮らしをはっきりと認識させます。これは持続可能な暮らしをデザインするにあたって最初のステップとなります。

「生物のエコロジー的なニッチは、それがどこに住んでいるかということだけでなく、それが何をするかということにも左右される。(訳注:ニッチの定義「ある生物が生態系の中で占める位置。生態的地位。ニッチェ。 」大辞泉 より)分析すれば、生物学的には生息地とは生物の「住所」であり、ニッチとはその「職業」であると言えるだろう。」

「 エコロジーの基盤」(オダム著。WBソーンダーズ社、フィラデルフィア1959)(訳注:オダムはアメリカの生態学者)


5ページ
デザイナーからの反応
「プリンス・オブ・ウェールズ・セカンダリー・スクールでの科学祭に招待していただいてありがとうございました。素晴らしいイベントを拝見して大いに力づけられました。生徒たちは、持続性とは一体なんであるのか、そして地球を救うために何をなさねばならないのか、本当によく理解していました。貴殿が彼らに活力を与え、指導なさったからです。貴殿が教えておられる世代には希望があります。台風のときの水の管理、エネルギーを節約するための機器、マーケット・ガーデニングを理解することで、貴殿の教えと情熱は生徒たちに伝わっています。(訳注:マーケット・ガーデニングとは生産者が直接消費者やレストランなどに販売する小規模近郊農業を指し、栽培する種類の多さが特徴。)

貴殿が研究対象として選ばれたCKチョイ・ビルは、貴殿の生徒たちが生まれる前の1995年に完成されたものですが、間違いなく(持続可能な建物として)最高峰のものです。今朝、親しい友人から電話がありました。8年生の生徒の祖母から聞いた話だそうですが、その生徒は私が科学祭で「あなたがたの世代にはより良い人生への希望がある。地球を守ることを学んだからだ」と発言したことを祖母に伝えたのだそうです。想像してみてください。本当に素晴らしいイベントで、心から楽しませていただきました。」

プリンス・オブ・ウェールズ・セカンダリー・スクールで行われた「持続可能なデザイン・アイディア・フェア」の感想の手紙。コーネリア・ハーン・オバーランダーOC(訳注:カナダ勲章受賞者の肩書き)。(2009年4月3日)

「カナダ王立建築協会会員スタンレー・キング氏とスーザン・エン・チャン氏は、メトロバンクーバーカナダ王立建築協会支部で「建築の社会的な在り方」を講演し、好評を博しました。この支部の会員並びに議長であるスチュワート・ハワード は、両氏の努力を全面的に支援します。メトロ・バンクーバー支部は、特に中高生との教育的な関係において、このプロジェクトを全面的に支持します。キング氏とチャン氏は、建築および社会におけるその役割を推進する上で独自の貢献をしています。」

カナダ王立建築協会(RAIC)メトロ・バンクーバー支部からの手紙。(2009年9月3日)(スチュワート・ハワード、FRAIC(Fellow of the Royal Architectural Institute of Canada、カナダ王立建築協会賛助会員 )、MAIBC(BC州建築協会会員)(訳注:カナダはイギリス連邦の一部であり、儀礼的な国家元首はイギリス国王。)
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by ammolitering7 | 2013-01-22 10:16 | 「ユースマニュアル」