カテゴリ:ワークショップ( 19 )

ウェストバンクーバー図書館内のスペース

今回はウェストバンクーバーというバンクーバーの隣町で行われた図書館のデザインのためのワークショップをご紹介します。写真などはサイトをご覧ください。

このウェストバンクーバーという町はとにかくリッチなところで、カナダでも1、2を争うほど不動産の値段の高い住宅地だと聞いたことがあります。商店街には私の人生に必要も縁もなさそうな値段の高いお洒落な商品を売るお店が並び、たま~に行くと異世界を見る思いがします。そこにある図書館というのは、ずっと前に一度だけ行ったことがありますが、中に高級紅茶店の出店があったのだけ覚えています。

2012年の夏、図書館の若者向けスペースの改装のためのワークショップが行われ、翌年3月に改装されたスペースがオープンしました。出席者は市内の若者たちです。内容はいつものように、完成したスペースで自分は何をしていると思うか、というところから始めて、環境を詳しく想像してテーマ別に絵にしていく、というものでした。所要時間は4時間で、現地を実際に歩いて見てみることや、エコロジーに関する話し合いなども含まれました。

ワークショップで得られた結果は図書館が市民を対象に作成したアンケートの内容に反映されました。なお、この図書館では若者が図書館の活動に積極的に参加するような取り組みを行っていて、ワークショップはその一環として開かれたものです。

ワークショップで作られた絵はデザイナーが実際のスペースをデザインするときに資料として活用され、勉強するための明りがたくさんある、雑談などしてたむろする場所があるなど、いくつもの要素が実現しています。たむろするという言い方も変ですが、若者は特に用もなく群れてぶらぶらするのが好きなようで、カナダの町ではショッピングモールなどがその場所になっていることが多いようです。特にそういう場所がない郊外では暇を持て余した若者が公共の場の器物破損などの問題を起こしたりすることも多いです。でも、ウェストバンクーバーのリッチな若者たちはそもそも健全だし、豊かな自然の中の整った遊歩道で若者ばかりで楽しく散歩していたりもするし、優雅なものです。

そういうわけで、若者向けスペースは「公共の居間」として作られました。明りは調節でき、本は壁の本棚に並べられます。改装オープンのときには、市長さん、議員さんたち、図書館役員、ワークショップに参加した若者たち、そしてコ・デザインのスタッフも参加しました。

こちらはつい先週行われたお年寄り向けのスペースをデザインするためのワークショップです。写真はありますが、解説は特にありません。
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by ammolitering7 | 2015-08-13 01:55 | ワークショップ

学生ワークショップ2(リバービューの続きです)

学生たちがわらわらと出てきてアイディアを紙に貼ります。
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どことなくブツブツした感じで気持ち悪いですね。これは、、、そう、壁にたくさんの蛾が張り付いている様子を思わせます。しかしこの際、私の個人的な趣味はあまり重要ではありません。もしかしたら全然まったくどうでもいいのかもしれません。係の人は一向に気にしない様子でアイディアの内容を分類し、学生たちにテーマごとに分かれるように指示しました。なお、このプロセスは本物のワークショップでは書記がリアルタイムでアイディアを分析して分類していきますが、今回はあらかじめ7つのテーマを決めていたので、こうやって紙にアイディアを書いていくプロセスは実際にはかなり無意味でした。

テーマが7つだったのはアーティストが7人しかいなかったからです。それぞれのテーマごとに9~11人くらいのグループができました。私が書記をつとめたグループは9人です。これはほんとは4人くらいに絞ったほうがいいのですが、アーティストが足りないので仕方ありません。ほんとは私もこのワークショップのアーティストとして働けるようになりたいなあと思っているのです。しかしそう思うだけでじっとして何もしないでいたら絵は上達しません。下手くそでもいいから何か描き始めることにしましょう。

私のグループのテーマは「居住」でした。予定地は広大な場所なので、何らかの居住施設が建てられることになると考えられています。患者とその家族のための施設になるのかどうかは分かりませんが、今回はこの病院との接点を持たないいわゆる部外者ばかりのワークショップだったため、たくさん出てきたアイディアの中には病院と関係するようなものは何一つありませんでした。また、都市計画を学ぶ学生ばかりということで皆さんとても積極的に参加してはいましたが、対象であるリバービュー精神病院への個人的な感情が欠けていたからか、全体的な雰囲気は冷静そのものでした。「居住」というテーマで出てきたアイディアはこれといって特徴のあるものは何もなかったのですが、収入や年齢や人種など様々に異なる人たちが共存する、地産地消型の経済と雇用、車にあまり依存しない暮らし方、などが共通する要素であるように見えました。
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イラストが出来上がったら展示してアイディアを評価します。
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「よい、まあまあ、わるい」ならぬ「実現しよう!、もっと工夫しよう、他のところに向いている」という評価表。あくまでそれぞれの意見を尊重するという姿勢に頭が下がります。私だったら「却下!退場!」の一言で済ませて事態を紛糾させそうです。

なお、カナダ人たちがそれぞれの欄に非常に分かりにくく傍線やチェックなどで投票しているのを集計して数字にするのも書記の仕事です。時間の配分を見たり、アーティストの手が回らない人たちの意見を聞いておいたりすることもします。
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私たちのグループの絵。絵はいつも中心となる人物、つまり「そこにいる自分自身」から始まります。そこに自分がいる、何をしているか、周りに何があるか、誰がいるか、その人たちは何をしているか、どこらへんにいるか、、、など、夢の話を絵にするようにして描いていきます。この技術はすごいものだと思うのです。「誰かに自分の話を聞いてもらった」という実感をこれほど強く抱けるものも他にあまりないのではないでしょうか。
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他の絵もいくつかご紹介します。
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ワークショップのあとで学生さんから感想を聞いてみました。とても良いワークショップだった、これまでに見た他の公聴会とは全く違う、市民を対象とした本物のワークショップにもぜひ参加したい、という声が聞けたのでよかったです。

翌日、ある年配の地元の人にワークショップに出た話をしました。これです、と言って資料を見せたら、彼は「リバービュー!?」と言って顔をしかめました。この病院はバンクーバー地域にありますが、中心地からはかなり郊外に離れた隣町の隣町です。お会いしたおじいさんはバンクーバーの中心地にお住まいなので、リバービューに家族がいたことがあるなどの個人的な関わりはないのかもしれません。精神病院というと今では差別用語のような扱いであるようですが、その背景には一般市民の間のこうした抵抗感があるのだろうと想像します。

リバービューの地元では、古くからの大きな施設なので、家族に患者がいようがいまいが、少なくとも中年以上の人にとってはこれは慣れ親しんだ大切な施設です。患者や家族や職員を中心として、学校や郵便局や駅もあって共同体として機能していたし、美しい自然に溢れた敷地は地元民の公園としても親しまれていました。それでもやっぱりちょっと離れると遠くて不気味な存在なのかもしれません。隔離収容をやめようという動きも、こんな背景から出てきたのかもしれないな、と思いました。難しいものです。
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by ammolitering7 | 2015-08-03 02:02 | ワークショップ

学生ワークショップ (リバービューの続きです)

昨日、ダウンタウンの真ん中にある、、、
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こちらのビルに行ってきました。一番上に回転式の展望台がありますが、そこに行ったわけではありません。
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こちらの入り口から入って、、、
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この部屋に忍び込んだのです。
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窓からは駅の立派な建物や、、、
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往来の激しそうな港が見えます。
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部屋の後ろのほうには軽食が並んでいます。この様子はもしやまた、、、と思われた方もいらっしゃることでしょう。そう、今回再び例の都市計画ワークショップが開かれたので、私もやっぱりのこのこと参加したのでした。
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サンドイッチの種類は12種類もあります。決して食べ物に釣られたわけではありませんが、、、
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釣られなかったわけでもない、という事実があります。
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今回のワークショップは市内の大学のダウンタウンキャンパスで行われました。やっぱり大学はリッチだと見えて、軽食も立派です。野菜と果物のところには、グルテン無し、乳製品無し、ビーガン対応、と書かれています。
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普通のクッキーと並んでグルテン抜きのクッキーも用意されています。
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コーヒーはオーガニックでフェアトレード。
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ナプキンは大学のロゴ入り。きっと学費が高いのだろうなと思います。
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会場には前と同じく資料が展示されています。
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前のときと違って、受付のところには配るための資料も用意されていました。
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プロジェクターが用意されていたり、、、
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椅子の上に一つ一つこうやってペンとメモ用紙が用意されているところも前とはちょっと違います。実は今回のワークショップは一般市民を対象としたものではなく、市内の3つの大学(UBC,SFU,Langara)で主に都市計画を学ぶ学生たちを対象とした授業の一環として行われました。これからの都市計画を担う彼らに実際の都市計画で使われている手法を体験してもらうことが目的です。そのため、ワークショップの初めに一般市民にはしないようなちょっと難しい説明が30分くらいなされました。ワークショップの流れを説明するときには、いろいろなアイディアを出すように、と促す一方で、「予算というのもあるから、それも忘れないでね」と釘が刺されました。これは一般市民を対象としたワークショップではわざと絶対に言わない事柄です。また、ワークショップのテーマは前回と同じリバービュー精神病院跡地ですが、この病院に慣れ親しんだ地域住民と違って若い彼らには馴染みの薄い場所なので、そもそもこれがどんな施設なのか、どういう経緯で今に至ったのかなどの説明もなされました。

また、今回のワークショップは時間の制約がありました。普通だったら4時間くらいかける全体の流れを半分くらいにはしょったので、予定地が無事に理想通りに完成したと想定したときの一日の行動、という最初の部分もあまり時間をかけられません。本来は参加者に手を挙げてもらって、ちょっとした話も聞きながら大きな用紙を埋めていきますが、今回は学生に各自でアイディアをメモ用紙に書いてもらって前に出てきて貼り付けるという形式を取りました。
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なんと、定刻ぴったりに始まりました!カナダ人でもやろうと思えばできるのですね。彼らとて、いつもいつも30分遅れててれてれと生きているわけではないものと見えます。ただ、参加者のほうはやっぱりのんびりした人も多く、登録していた80人程度のうち10~15人くらいは遅れてやってきました。それでも、必修ではなかったらしい今回のような授業では、登録しておいてもやってこない場合が多いそうです。受付の人は、「土曜日だし、天気もいいしねえ。50人くればいいほうじゃないかなあ」とおっしゃっていたほどです。今回の場合はなんだかんだで結局席が足りなくなるほど集まったので、盛況だったといえると思います。

学生たちは大学で建築学その他を学んだあとで都市計画に進むので、年齢層は高めです。見たところ30歳前後の人たちが多く、男女比は7対3くらいに見えました。時間の制約のため別に軽食の時間を取ることはしなかったので、学生たちは適当に何か食べながら参加していました。でも、実際には休憩時間に軽食を取りながら参加者やスタッフが雑談をする時間というのも大切です。控えめな人たちなどは、そんなときのほうがくつろいで意見を言ったりするものです。私は書記として参加していますが、そういうふうな、ぽろっともれたような声でも聞き取っていくのが仕事です。学生たちには、これが時間を短縮したワークショップであることを伝え、本来のスケジュールで行うときとの違いなども説明しました。また、参加のときの心構えも伝え、市民を対象とした本物のワークショップへの参加も促しました。
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偉い人のお話の時間があります。最初は大学の関係者、次は開発に携わる公的な機関(BC Housing)の人の話です。この計画はおよそ一年前に始まったけれど、影響力の大きな大規模な開発なので一年かけて人々の声を聞いている、という背景が説明されます。実現のための段階に入るのは来年内を目処としているそうです。いろんな話をなさいますが、難しいことが多いのでよく分かりません。はっきりと分かったのは、「皆さん、トイレは部屋を出てあっちのほうです、軽食は適当に食べてください」というくだりです。主催者であるとは言え、偉い人が難しい説明をする中にこういう実際にはとても大切な説明が入るというのはカナダらしいなと思います。

これは原住民との兼ね合いを説明しているところ。ここは少なくとも1万年前からクウィケットレム族が暮らしている場所で居住地も隣接しているので、彼らの存在を絶対にないがしろにしてはいけないことが強調されます。なお、原住民の中にはこの土地の所有権そのものを主張して派手な開発を進めたいという意見もあるので、原住民とは一般市民とは別に特別なワークショップが開かれ、交渉が続いています。

この後もいろいろ説明していたので分かった範囲で書くと、古い歴史的な建物をできるだけ残したいけれど老朽化が進んでいて大変な費用がかかるので、実際にはごく一部の建物の外装を残すしかないこと、自然の維持と保護が大切であること、開発後に生じる利益が100%地元に還元されること、精神病院としての機能が維持されること、などです。また、一般市民や関係団体などから広く丁寧に意見を聞き取ることに十分な時間をかけることの重要性も強調されました。ここをはしょるとのちのち大変なことになる、ということを、都市計画の未来を担う若者たちに教え込んでいるのは素晴らしいことだと思います。

また、リバービュー精神病院の経緯としては、抗精神薬の発達に加えて、患者を隔離しないで地域内で家庭的に面倒をみたほうがいい、という理想主義的な思想が広まったことで、患者をグループホームなどに移したり家庭に戻したりするようになって患者数が減っていき、やがて現在のようなほぼ完全な閉館状態になったことも説明されました。1950年代には4,600人くらいいた患者が現在は重症患者64名になっています。

これはとても良いことだと思われていたのですが、実際には混乱が広がっただけで、軽度であっても精神的な病気を抱えた患者を家庭で面倒を見ることができなかったり、グループホームが足りなかったり、グループホームで働く人の負担がものすごく大きかったりいろいろで、結局バンクーバーは大量の路上生活者を抱えることになってしまいました。このことの反省から、やはり何らかの長期的な収容施設が必要であること、それが患者自身だけでなく、患者を抱える家族にとっても大切であることなども説明されました。

ワークショップに参加したのは精神病の子供を抱える老いた親たちが少なくなかったのです。社会生活のできない子供を残して先に自分が死んでしまうことの不安は切実なものです。入院できるほど重症ではなく、グループホームにも入れず、かといって家で自分が世話することもできず、ホームレスになっているのを手をこまねいて見ている場合もあるでしょう。個々のケースは本当に様々だと思いますが、共通しているのは自分にとっては幾つになっても大切な子供である患者たちが衣食住の心配をせずに死ぬまで安心して暮らせる施設が欲しいという願いであるようです。

これまでに3つのワークショップが開かれ、1,000人以上が何らかの形で参加したこと、ワークショップで出来た絵は6箇所で巡回して1,400人以上から反応があったこと、ソーシャルメディアなどを利用していること、幾つもの関係機関から意見を聞いていることなども説明されました。また、主要な開発業者であるBCHousingは公的な機関ではありますが行政府ではありません。今回の開発にあたっては、その重要性から、一番最初の段階から地元の自治体が積極的に参加していて、それはとても珍しくてありがたいことだ、という言葉もありました。開発計画ができたことが知られるようになってから参加した関係団体もあるそうです。
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by ammolitering7 | 2015-08-03 02:01 | ワークショップ

描画ワークショップ 2

写真を撮りながら寄り道ばっかりしていましたが、ようやく集合場所に辿りつきました。本日の参加者は12名、皆適当に集まり、適当に描き始め、開会の挨拶なども何もありません。内訳は、大御所のスタンレーさんに加えて建築関係者1名、教育関係者3名、プログラマー1名、大学生5名、加えて無関係者代表である私というものです。私も前々からこの技法を学びたいと思ってはいたのですが、天秤にかければ怠け心の方が重くてなかなか実行しないでいたのです。今日も授業が行われるわけではないので何か先生について学べるわけではありませんが、他の人が皆スケッチをしていると私も自然にスケッチをする気持ちになって、それがとても良かったです。
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若者に指導するスタンレーさん。彼らは既にスタンレーさんから実際的な指導を受けているので、今日のワークショップはその延長線上にあります。
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黙々と描く参加者。
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私はこのあたりを見ながら描いてましたが、、、
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難しいものですねえ。
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描いていたら、通りがかりの人が話しかけてきました。絵を描きたい気持ちはずーっと昔からあるし、絵を描ける人はすごいなあと思うのだけれど、どうもきっかけがなくて描けないままになってしまった、どうやって描き始めたらいいのか、とおたずねになるのです。その方はトニーさんとおっしゃるポルトガル人のおじいさんで、私たちが単なるスケッチクラブかと思って、入りたそうな感じを見せておいででした。都市計画のための技法を学ぶワークショップだと説明したら、それじゃあ上手な人でないと駄目だ、とつぶやきます。それで私は「そんなことはない、描きたければ誰だって描ける、人物なんか丸と棒で十分」と言って技法の一番最初のところをお教えしたのでした。

絵はいつでも人物から始めます。そこから遠近法のための補助線を延ばし、それから細部を加えていきます。もちろん、公民館などで行われる絵のコースを取るのなどもいいことですが、一番大事なのは下手でもとにかく手を動かして描いてみることだなと思います。
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自分の影。
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ちょっとしか描いてませんが、満足して帰りました。途中で見かけたベンチ。こういう姿勢で目を閉じると、いろんな映像が浮かびやすくなります。
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人工的に作られたようには見えないけど人工的な島。
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シャボン玉を飛ばしているおじさんがいました。
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大きなシャボン玉が割れた瞬間。
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人だかりがしているなと思ったら、、、
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ピアノの周りで若者たちがライブの演奏をしていたのでした。
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橋の下のコンサートです。
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橋の上から見てみましょう。あれこれと問題はあるとは言え、バンクーバーはやっぱり素敵な街だなと思います。なお、このピアノは屋外にピアノを置いて市民に楽しんでもらおうというプロジェクトによるもので、市内の各地10箇所ほどに置かれています。ほんとはもっと30台ほど置く予定だったけど予算が集まらなかったのです。誰でも弾いてよいということで、あるピアニストは市民のリクエストに応えて一日中次から次へと弾いているそうです。ホームレスの人からクラシック音楽のリクエストを受けることも少なくなく、どんな経緯でその人がホームレスになったのかと考えこんだりもするそうです。
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by ammolitering7 | 2015-08-03 02:00 | ワークショップ

久しぶりのワークショップ 2

会場にはケータリング会社が用意したけっこう豪華な軽食が用意されています。わたしもあとで少し食べましたが、イチゴが腐っていたのがショックでした。
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コーヒーもあります。ちょっとした飲食は参加者の気持ちを落ち着けるのに効果的です。こういうイベントだと感情的になる人も少なくありませんが、共に飲み食いしながら怒り狂うことは難しいのです。それに、イベントのご案内のチラシに「軽食が出ます」と書いておくと人間の本能とか潜在意識とかを刺激するので、釣られて出席してしまう人が増えるという効果もあります。
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描画ワークショップを担当するアーティストが練習をしています。アーティストは必ずしも建築家ではありませんが、建築家、その卵、設計関係者、教師、学生などいろいろです。コ・デザインの技術はこうした都市計画の場で開発されましたが、今では他の分野にも応用されていて、後継者の育成も盛んに行われています。
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初めて描画を担当する若い学生アーティストも練習しています。あとで聞いたら、やっぱりすごく緊張していたそうです。
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開始時間にはぼちぼちと人が集まり始め、、、
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それじゃあそろそろ、と言ってようやく始まり、、、
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それでもまだまだ遅刻してくる人が後をたちません。カナダ人はそもそも定刻に顔を出そうという気がないのだと思います。
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犬も当然のように入ってきます。二階に上がってきたのもいました。
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何度も書いたので詳細は省きますが、そんなこんなでワークショップの前半が終了し、あとはテーマ別に分かれて描画作業に入ります。私の仕事はここでアーティストのお手伝いをすることです。参加者の意見をメモしたり、詳しく聞きだしたり、そんなことです。今回は描画は2枚で、どちらも人数が少なかったので心行くまで話していただけました。しっかり話を聞いてもらえた、受け止めてもらえた、と思っていただけたようです。現実的な制約というのは避けられないものですが、しっかり話し合った上での妥協であれば物事は滑らかに進むものです。建築会社がこうした市民の声をしっかり検討してくれたらいいなと思います。
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黒いマジックで描いた絵にカラーペンで色を塗ります。
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できた絵をずらーっと並べて、、、
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参加者全員でアイディアを評価します。作品はこれからインターネットで公開されるほか、市役所やスーパーなども巡回して展示され、できるだけ多くの人に見てもらって評価してもらい、コメントを集めます。それから建築会社がそれを分析して、結果を参考にしながら同様のデザイン画を作り直し、それをさらに評価してもらってからやっと設計に入り、それも展示してみてもらってからようやく建設が始められるかもしれない、というような流れになっています。

こういう大変な手間と時間とお金のかかる作業を嫌がる建築家は多いです。好きなようにデザインして好きなように建てたい、というのが正直なところだろうと思うのですが、そうなると問題も生じやすくなります。この町でも、少し前にこうした大き目の計画2つが住民の反対に遭って紛糾してしまったので、今回の業者はその二の舞にならないように神経を尖らせているのだと思います。
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ワークショップの後はスタッフ20名ほどで食事をして帰りました。神経を使うのでぐったりと疲れはしますが、楽しい一日でした。実は私もこの描画技法を習おうかなあと思っているので、明日はちょっとその練習の様子を覗いてくる予定です。
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by ammolitering7 | 2015-08-03 01:58 | ワークショップ

久しぶりのワークショップ

昨日はバンクーバーの郊外にあるポートムーディーという小さな町に行きました。アートが盛んでとてもかわいい感じの町なのですが、ダウンタウンからまっすぐこちらの公民館に行っただけなので、観光は全くしていません。
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公民館の向こうは入り江になっています。小さな浜辺もあってとても素敵なところです。
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線路もあります。
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裏庭には子供の遊び場が作られています。
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さて、本日は久しぶりにコ・デザインのワークショップが開かれました。私は例によって無関係者なのにお手伝いをします。
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入り口のところには受付があります。今回はこの近くで予定されている大規模な開発計画のための市民ワークショップで、3日前の木曜日にも同じ内容のものが行われました。ワークショップはできるだけ多くの人が出席できるように平日と週末の2回同じものが開かれることが多いです。木曜日のは252名が出席し、今日は町で他のイベントが二つ開かれていたこともあって150人程度に留まりました。
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私の仕事は必要な資材を運んだり小物を作ったりするのと、もう一つ、ワークショップで出席者の話を聞いたり促したり記録したりする助手の仕事です。
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ちゃんと偉そうに名札もつけます。
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どなたかスタッフのために差し入れをしてくださいました。ここ数日大変健康的な食生活をしている私はがっちりと朝ごはんを食べてから行ったので、せっかくの差し入れにもほとんど手を出しませんでした。
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会場には設計会社の人たちがパネルを展示しました。今回は250エーカー、あるいは100ヘクタール、または30万坪、もしくは100万平方メートル、ないし東京ドーム21個分、、、どれもあんまりよく分かりませんが、要するにけっこう広いのです。
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現地の位置。交通ルート、水路などを示したパネルもあります。
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周囲の自然。
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現存する建物など。
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斜面の傾斜。
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植生の特徴。開発って、いろいろなことを調べなければならないのですね。
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現地の歴史。ここはインペリアル・オイル・カンパニー(IOCO)という石油の会社が開発した町で、精製工場が活発に操業していたころは賑わっていましたが、工場が閉鎖されるととたんに寂れてしまいました。でも、土地はいまでもIOCOという名前で呼ばれていて、そこを最近香港の事業者が買い取ったのです。そして中国系カナダ人の建築家が雇われて開発計画が始まることになりましたが、それに先立って関係するいろんな人たちから話を聞こうということになりました。近隣のポートムーディー市民や現地に今も住んでいる人たちの声もその大きな一部なので、それでコ・デザインが引っ張り出されて、私もそれにのこのこついてきたというわけです。
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ポートムーディーの地図も用意されています。参加者はこの地図の上に、、、
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青いシールを貼って自分の住んでいるところを示します。
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会場にはいつものように現地での一日を想定するための用紙が用意されました。
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話し合いの決まりもあちこちに大きく張り出されます。発言するときは「私たちは」ではなく「私は」と言うこと、他の人の意見を否定しないこと、デザインの解決策を見つけ出そうとしないこと、という3つです。つまり、問題点をあげつらって事態を紛糾させるための集まりではない、ということを分かってもらおうとしているのです。
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by ammolitering7 | 2015-08-03 01:46 | ワークショップ

リバービューワークショップ3

さて、本日もまたはるばるワークショップへ出かけてまいりました。最初はこんな陰鬱なお天気だったのですが。。。
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着くころには晴れてきました。しかし、ちゃんと住所を調べて行ったのに、ここではないようなのです。
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おかしいなあ、こっちかな?
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さらに次に行った建物も違うし、困ったなと思って尋ねたら、目指す会場はこの奥にあったのでした。本日のワークショップは、いくつもの大きな建物が点在するだだっ広い複合施設の一角で行われたのです。まさかそういうこととは思わなかったので、すっかり迷ってしまいました。
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会場発見!
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椅子やパネルなど、もうすっかり準備されていました。遅れてしまってすみません。
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前回のワークショップでできた絵も展示されています。
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見てみたら、評価表のところに「安全性についてはどうなんだ!!!(ホームレスの?)子供のためのシェルター(以下不明)」と書き込んでいる人がいました。どうしても感情的になる人はいるものです。
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軽食の準備もできています。
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ワークショップが始まるまで何となく手持ち無沙汰に待っていると、この前のときにイラストを描いたアーティストが「僕はこの熊が気に入らない」と言って自分の描いた絵に修正を加え始めました。この二日間は気になって寝られなかったものと見えます。耳と鼻にちょっと手を加えた様子がこちらですが、熊だと言えば十分に熊に見えますよ、Pさん。動物を描けと言われるのは苦手だ、という人は多いようです。建築家というのはたいていが人間用の建物をデザインするもので、熊の別荘が得意です、という人はあんまりいないと思うのです。
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10時に始まるはずなのに、早10時半。やっぱり迷っている人が多かったようで、最初はあんまり人の集まりがよくありませんでした。結局、10時半ぴったりにキングさんが開会の挨拶を始めました。
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最初は40人くらいで始まりました。スタッフとボランティアのほうが多いんじゃないか、と思うほどでした。前回と同じ顔ぶれも何人かありました。でも、ほんとはワークショップの参加は一人一回という決まりになっています。他の人たちにも発言の機会を与えるためです。そうは言っても、「あなた、この前も来たでしょう、帰ってください」と言われることはありません。
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参加者は手を挙げて、当てられるのを待ってから発言します。でも、やっぱり司会者一人では気づかないこともあるので、ボランティアが見張っていて「ここ、ここ、この人に当ててください、次はそっちにも」と指図をします。
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参加者の発言は記録係がすべて記録して、内容ごとに分類します。この後のグループ描画のテーマにするのです。
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描画のときは、やっぱりこの前と同じように興味関心に大きな幅がありました。一人のアーティスト(一つのテーマ)に大勢が群がるかと思えば、、、
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こんなふうに個人セッションになったりしました。私の担当はここで、お客さんが最初はゼロだったので他から4人引っ張ってきて、それが二人ずつに別れ、さらに一人が離脱してこうなりました。分かれていった二人というのは、意見が強くて独占的に振舞っていた女性と、なんとなくそれについていった気の弱そうなおじさんです。女性のほうは前回のワークショップにも来ていて、やっぱり独占的で他の人たちを黙らせていた人でした。残る二人が一人になったのは、それぞれの関心事に大きな違いがあったため、テーマを分ける必要があったからです。
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おじいさんの絵ができました!彼は昔からこのあたりに住んでいた人で、精神病院に家族や友人がお世話になったわけではありませんが、地域にとって欠かせない大きな要素としての精神病院に長らく親しんできた住人です。高齢でありながら、何年という長い時間のかかる都市計画に積極的に関わろうという姿勢はとても前向きで素晴らしいものだと思います。

政策が変わる前に精神病院が地域と密接して活発な活動をしていた頃を知っているので、彼は昔実際に行われていて良かったことをアイディアとして出していました。敷地のすぐ横を通っている鉄道が停車駅を持っていたり、そこから病院で作られた作物が出荷されたりしていたことなどです。でも、懐古趣味ばかりでもなく、新しい病院設備や医療活動なども提案していました。

ワークショップの参加者は精神病患者の家族や親戚などの関係者も多かったのですが、こうして単に近くに住んでいるだけの人もたくさんいました。これもまた、地域の受容性を示す大事な点だと思います。どこでも同じだと思いますが、火葬場やゴミの処理場、ネガティブな印象のある施設などは、近くに建てられるとなると住民が大反対する、というのがよくあるパターンです。精神病院も例外ではありません。でも、ここでは少なくともワークショップにわざわざ参加しようという人たちの反応を見る限り、昔からあったこの大きな施設を精神病院のままで維持したい、という意見が大勢を占めています。

バンクーバー地域では人口の集中が進んで住宅の不足が大きな問題になっています。主催者の一つである住宅省としてはこの広大な土地に大きな集合住宅をできるだけたくさん建てたいようなのです。この場所の開発計画が持ち上がったとき、一番最初に行われたのが住宅省による市民に対する提案会でした。このときに精神病院を全く無視した提案がなされたために住民たちが頭にきて、事がこじれてしまったのでCo-Designが助け舟として呼ばれた、というわけなのです。

前回のワークショップのあとでさえ、ある参加者は「やっぱり私はまだ疑ってる。あの人たちは私たちの意見を本当に聞こうとはしていない」という感想を述べていました。これは本当に残念なことだと思います。Co-Designの人たちは本当に心から住民の声を汲み取ろうとしているのですが、実際に開発を行う業者や行政がせっかくのワークショップの結果を全く無視することだってないわけではありません。そうなると住民の信頼は完全に失われるし、ダメージが大きいのです。たくさんの利害団体が関わると難しいことが多いものだなと思います。
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できあがった絵の中では、おじいさんは医療研究者になっています。かっこいいですね。自分の意見をアーティストにしっかりと受け止めてもらったおじいさんは、「これはとても良いセッションだ」と満足した感想を述べてくださいました。できあがった絵は、この後インターネット上で市民評価を受けるほか、市内各地のショッピングセンターなどの人の集まるところで展示して、さらに多くの人に見てもらって評価を集めます。

この時点ではアイディアは予算も技術的な制約も何も考えていないものなので、実際に実現できるものばかりとは限りません。それでも、市民評価を経ることで開発のためのガイドラインができるし、将来的な開発のためのガイドラインとしても利用されることになります。
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今回もまたたくさんの絵ができました。私もこの絵を描けるようになりたいな、と思います。心に思い描くものを言葉の助けを借りて紙の上に表す、というこの作業は、人生のいろんな面で大切なスキルではないかと思うのです。Co-Designの技法をまとめた本は既に絶版になって久しいのですが、40年を経て今なお全く色あせず、建築学の古典として古本の値段が上がり続けています。今200ドルくらいです。今回はこの本の主たる著者であるスタンレー・キングさんの他に共著者の皆さんがたにもお会いしてご一緒に働くことができました。

40年前、若き建築家や学生としてスタンレーさんに師事していた彼らも、それぞれの町で経験を重ねながら老齢を迎えています。お一人の方は、スタンレーさんの「別荘」でみんなでタイプライターで書いては話し合った当時のことを、人生で一番幸せな時間の一つだった、と振り返っていらっしゃいました。(なお、「別荘」というのは森の中にある単なる隙間のことで、とても建物とは呼べないような掘っ立て小屋(壁もない、水道も電気もトイレもない)があります。)

私はこの方たちにお会いできてほんとに幸運だったと思います。まったくの部外者なのに受け入れてくださり、著書を翻訳する栄誉もいただきました。残念ながらまだ出版には至っていないのですが、本当に大切な内容だと思うので、少しずつでも広まっていくといいなと思っています。興味のありそうな方に伝えていただければ嬉しいです。

なお、この後は利害団体の一つである原住民団体の人たち限定のワークショップが行われますが、これはボランティアも含めて参加できる人が極めて限られるため、私も入れてもらえません。原住民の意見は大きな力があるので、どんなことになるのか興味があります。これからもまだまだいくつもの段階を経てようやく再開発が実現するわけですが、一般市民の声が反映されたものになるといいなと思います。私は多数決の民主主義が一番いいものだと思っているわけでもなく、実を言うと民主主義というのは往々にして衆愚主義と紙一重だとおもっているのではありますけれど、こと地域開発に関してはできるだけしっかりと一人ひとりに意見を聞いて、その上で住民たち自身が決めるのがいいと思うのです。
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by ammolitering7 | 2014-09-28 14:14 | ワークショップ

リバービューワークショップ2

こちらが異様に忙しいご隠居、スタンレー・キングさんです。
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会場には必ず軽食が用意されます。腹が減っては戦ができぬ、というのもありますが、同じ釜の飯を食いつついがみ合うこともしづらい、という心理を利用したものでもあります。
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席が半分くらい埋まったところでワークショップが始まりました。時刻は4時半くらいです。
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テレビカメラも入っています。なお、登録した参加者は撮影と肖像使用に関する同意書に署名しますが、それは嫌だ、という場合でも参加は可能です。その場合は「撮影お断り」と書いた印を胸元につけておきます。
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マイクを持って意見を述べる参加者。一人で何度でも手を挙げてマイクを離さない人もいるので大変です。
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参加者が発言したアイディアを紙に書いていきます。
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最後にはこんなにぎっしりになりました。
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アイディアをその性質に応じて分類して、こんなふうにタイトルにします。今回はアーティストの人数に合わせて8つのテーマに分けました。参加者はその中から自分が一番興味のあるテーマを選んでグループを作ります。私は「レクレーション」というテーマを掲げるグループの書記になりました。普通はレクレーションというテーマに集う人はけっこうたくさんいるのですが。。。
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なんと、今回はたったの一人でした。
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他のグループは10人くらいいたりするので、今回の参加者は病院の敷地を単なる公園以上のものとして活用する意志が強いということでしょう。特に大勢集まっていたのは病院施設の存続を前提としたテーマのものと、コミュニティー活動に関するものでした。
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人懐っこいおじいさんが「私はサイクリングをしていて、その辺にいる人たちに手を振ってて、子供たちとも仲良くなって、、、」などと語る様子を絵にしました。
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最後にこういうマーカーを使って、、、
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色を塗ります。最初に私がかなり適当にちょっと塗って、「ご一緒にいかがですか?」と声をかけます。おじいさんは嬉しそうに「それじゃあ」と言っていそいそと一緒に塗ってくれました。あとはもう、ほったらかしても大丈夫です。「こんなに楽しいのは久しぶりだ」と言いながら、にこにこして熱心に塗って、、、
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できあがり!楽しいこんな様子が実現するといいですね。
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そうこうするうちに、次のお客様がいらっしゃいました。実は、この方は他のグループにいらしたのですが、あまりに意見が強くて他の人たちを黙らせてしまうので、体よく追い出されてしまったのです。ワークショップには必ず一人監視係がいて、こういうことが起こってないかを巡回して見張っています。困った人がいると、「あなたには特別に専任のアーティストをつけてあげましょう」と言って引き離します。そのためにアーティストとしてのスキルのある予備のスタッフを用意しておくのですが、今日はテーマが多くて人数も多くてアーティストが全員手がふさがっていたので、閑古鳥の鳴いていた私たちのグループに白羽の矢が立ったわけです。

彼女はペットに関して並々ならぬ情熱があり、意見もペットに関するものばかりでした。今回のワークショップで意見を述べるのをものすごく楽しみにしていたので、あらかじめ20ページ以上ものレポートを作成し、手書きのアイディアノートも添えて持参していらっしゃいました。それをアーティストに突きつけてここぞとばかりに独占的に振舞うので、グループでの話し合いはできません。彼女は実は密かにペットの猫を隠し持ってきていました。猫も気の毒なことです。彼女は猫がいたばかりに部屋を借りることができず、夏の間の数ヶ月はホームレスだったそうです。コンクリートの建物の裏で寝泊りしていた、と言いました。今もあまり状況が良くないのか、あまり清潔を保てていないような匂いもします。

最初のうちはとにかく威張って自分の意見を無礼なまでに押し付けるだけでしたが、アーティストが辛抱強く話を聞いて彼女の意見を絵にし、私も彼女の意見を紙に書き取って要所要所で同意したりしているうちに、やっと誰かに話を聞いてもらえた、という実感がでてきたのか、だいぶ落ち着いて笑顔さえ出るようになってきました。ワークショップが終わってからは私のところにやってきて、「次のときも来るのか」とおっしゃいました。土曜日にも別の場所で同じワークショップを開く予定があるのです。「来ます」と言うと、「良かった、それなら私もまた来る、まだまだ伝え足りないことがある」とおっしゃいました。

正直なところ、私は「参ったなあ」と思ってしまったのです。でも、考えてみればこれはとても特別なことかもしれません。孤独で、おそらくは何らかの精神的な病気を抱え、多分に自業自得とはいえ自分の声を誰にもまともに受け入れてもらえなかった老いたる人が、「やっと誰かに聞いてもらえた、またこの人に聞いてほしい」と強く思っているのです。毎日彼女と顔を合わせることになるわけでもありません。今度の土曜日のほんの30分ほどの時間が彼女にとってとても大きな意味を持つのなら、私はやはり喜んでそのお手伝いをしようと思います。
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最後は出来上がったたくさんのイラストを展示します。
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他にもたくさんありますが、これくらいにしておきましょう。
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参加者がイラストとリストを見て評価をします。こうしてできたイラストは、今後地域のいろんなところを巡回してもっとたくさんの人に見てもらいます。今回はオンラインでもリアルタイムでアップしているそうです。Co=Designの手法はきわめて有効であることが実証されていて、後継者の育成も積極的に行われています。若い参加者たちはハイテクなので、ワークショップもだんだんハイテクになってきています。

なお、理想としてはこのワークショップは開発の一番早い段階で行われるのが最も有効です。開催には多少の費用がかかりますが、これによって住民の意見の傾向が分かれば計画を早い段階で調整できますし、場合によっては中止ということもあります。最悪なのは工事を始めてから座り込みなどが起こることで、そうなったら金銭面だけでは計れない大きなダメージが出ることになります。

今回も、原住民との交渉次第ではこうした努力が水泡に帰す可能性もあります。それでも、できるだけ早い段階で住民参加を促すことは長期的にも得策です。原住民はまた全く利害の異なるグループなので、来月には原住民だけを対象としたワークショップが予定されています。スタンレーさん、今日はボランティアのお招きありがとうございました。土曜日のワークショップも楽しみにしています。
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by ammolitering7 | 2014-09-28 14:01 | ワークショップ

リバービューワークショップ1

今日はけっこうたくさん雨が降っていましたが、そんな中をはるばる遠くまで出かけていきました。
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鉄道の建設工事が進んでいるコキットラムという郊外の町に行ったのです。バンクーバーにはあんまりたくさん鉄道がないので、増えると便利になっていいです。
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コキットラムのどこに行ったのかと言えばこちら、ダグラスカレッジという学校です。
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構内を歩き回ったわけではないのでよく分からないのですが、幾つもあるらしい建物の一つであるこちらの、、、
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中央ロビーのようなところが目的地です。さて、ここで、、、
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100人分ほどの椅子を並べるのが私の最初の仕事です。そう、何でもやって稼ぐのがポリシーの私は、今日は都市計画ワークショップの書記兼雑用係という仕事をしにやってきたのでした。
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ワークショップのテーマはこちら、半ば放棄された形になって久しい精神病院です。本来ならワークショップは現地の視察を含み、ワークショップそのものも現地がその近くで行われるのが普通なのですが、今回は安全性に問題があることから別会場で行われました。ワークショップの主催者は病院の所有者である州政府と住宅省、都市計画会社、および私がお手伝いしているCo-Designという組織です。

Co-Designというのはときどきこのブログにも出てくるイギリス人の建築家スタンレー・キングさんの非営利会社で、都市計画に関して市民の声をくみ上げることで開発を潤滑にすることを専門としています。今回の件では住民側と行政の対立に加えて原住民グループも積極的に利権を追及する姿勢を見せているため、助けてくれ~ということでCo-Designにお声がかかったのでした。大きな問題に対処するので、今回のワークショップには大御所のスタンレーさんに加えてCo-Designの百戦錬磨のベテランスタッフが大勢顔を揃えました。怒鳴り合いや殴り合いの大騒ぎになることもあるので90歳近いスタンレーさんは前線からは一応引退したはずなのですが、これだけ大きなプロジェクトとあってはやっぱりじっと黙って見ていることはできなかったのでしょう。

リバービューというこの病院は244エーカーという広大な敷地があります。エーカーで言われても分からん、と思って調べてみたら987 432.967 m2だそうですが、それでもやっぱり分かりません。要するにものすごく広いのです。この辺りは郊外で、1904年に病院ができたときには周囲に建物などもなく、早い話が町から遠く離れたところに精神病の患者を隔離して閉じ込めておいたわけです。あまりに隔絶していたので病院は自己完結している必要があり、敷地内に発電施設も作られました。農園も学校も郵便局もあったそうです。

病院ができてから90年くらいたった1990年代には、当時の政府の中に「精神病患者はもっと家庭的な環境で治療されるべきだ」という声が強まり、多くの患者がグループホームと呼ばれる小さな施設に移されました。それは別に良さそうな気もするのですが、実際には監視の目の行き届きにくい施設が住宅地の真ん中いたくさんできてしまったこと、スタッフの労働状況が悪くなって不規則な長時間労働が増えたことなど、いろいろ問題がありました。

そして何より、グループホームにも移れず、病院にも残れず、ただ単に道端に放り出された軽度の精神病患者が大量のホームレスとなり、行政にとってはホームレス対策で余計にお金と手間がかかる、という馬鹿げたことになってしまいました。冗談でしょう、と思うほどひどい政策ですが、本当なのです。

グループホームに入れられないほど重度の患者たちはそのまま病院に残され、その数は現在64名だそうです。ただ、今はそのうちの一人が脱走して行方不明になっているので、警察から警報が出されています。何というタイミング、と思います、ほんとに。でも、危険でワークショップが現地で開けない、というのは別にそれが原因ではなく、建物が老朽化していて安全性が確保されないためです。地震対策は全くできていないし、水漏れもしているし、コンクリート自体も風化してもろくなっているのです。
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人が住まなくなると建物は急速に生気を失うように見えます。
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なんとなく後味が悪くて嫌なのですが、この病院は閉鎖されてからホラー映画などの撮影に頻繁に利用されています。幽霊も出るそうなので、理想的かもしれませんけれど。
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病院のジオラマ。
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往時の精神病院。静かな森の中の壮麗な建物です。治療方法は古くて効果も薄かったかもしれませんが、こんな環境の中に患者を置くことそのものは悪くないのではないだろうかと思ったりします。
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会場にはこういうパネルが何十枚も用意されていました。行政が行う通常の公聴会では、こういう情報パネルがずらりと並んでいて市民がそれを見て意見書を書いて投書する、という形が多いようです。Co-Designが違っているのは、投書箱の代わりに生身の人間が話を聞いて、市民が心に描くものをその場で絵にしてくれることだと思います。
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会場の準備をします。話し合いのルールを書いた紙を張り出します。これはCo-designのワークショップのときのルールですが、どんな対話にでも当てはまることだと感じます。1、「私たち」ではなく「私」と言うこと。自分の意見はあくまで自分ひとりの意見であり、何人分もの価値があるように見せてはいけません。2、解決策を見出そうとしないこと。いろんな可能性を考慮する柔軟性があればこそ、最終的には最善の解決策も結果として生じるものと思います。3、他の人の意見を非難しないこと。その代わりに「自分はこれを望む」という別の意見を出すことで、考慮の枠が広がります。ワークショップでは人々が心に描いているものを紙の上に描き出しますが、「これをしている」は描けても「これをしていない」を描くことはできないのです。
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この大きな紙もワークショックを特徴付けるものです。弧を描いた線は一日の時間の流れを表していて、参加者は「理想的に出来上がった現地で、ある日あるとき、自分は何をしているか」というアイディアを出していきます。
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「秋祭り」など、一年一度だけのような特別な行事は「スペシャルイベント」として別に書き出します。
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人々が出したアイディアをこの紙に描いていきます。こういうパネルを用意するのも雑用係りの仕事です。
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アイディアをリストにして評価するための紙もあります。
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会場にはテレビも用意されていて、現地の事情を説明した短いビデオが繰り返し流れます。
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参加者の目となり手となるアーティストたちは実戦前の腕ごなしをしています。これは私の引越しの様子です。私が家や庭や門の様子を語り、アーティストがそれを描いていく、というものです。話を聞いて絵にするというのはなかなか難しいものです。
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ぼちぼち人が集まり始めました。熱心にパネルを読んでいます。今回登録した参加者は77名ですが、通りがかって参加した人もいたので、実際は100名前後というところでしょうか。このほかにも、招待されて参加した地元の偉い人たちなどもいました。
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by ammolitering7 | 2014-09-28 13:57 | ワークショップ

2012年8月ワークショップ

今日はバンクーバー市の主催で行われた都市計画に関するワークショップに参加してきました。緑の少ない住宅地に畑などのグリーンスペースを作ろう、という案があって、候補地だけは決まっているのですが、今はまだ他のことは全然決まっていません。開発計画の一番最初の段階なのです。このワークショップは、これから行われる予定の開発計画に市民の声を取り入れようという試みです。
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ご覧のように、候補地は全くの住宅地の真ん中です。道路の一部を潰して緑地にしよう、という計画なのです。
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今回の予定地は4ヶ所あります。
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ワークショップは予定地の一つである道路を封鎖して行われました。特別イベント、と書いてあります。
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テントが出てますね。2時に開始の予定に少し遅れて行ったのですが、なかなか始まりませんでした。ここではカナダ時間で物事が進行するのだということを忘れていました。。。
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いつ始まるのだろうかと思っていたら、なんとなくいつの間にか始まっていました。いつもだったら一応市長さんの挨拶とか開発業者の紹介とか、多少は形式ばったことがあるのですが、全く何もありませんでした。ややうるさい音楽が始まっていたのが開始の合図だったのかもしれません。

こちらはスタンレー・キングさん。イギリス出身の建築家です。市民参加型の都市計画という分野でこのワークショップの手法を開発した方です。キングさんの方法はCo-Design(一緒にデザインする)と呼ばれ、北米やイギリスを初めとする英語圏で高い評価を得ています。でも、日本ではまだ全然知られていないので、私は今この方の著作を翻訳しているところなのです。この方法はいろんな面でとても効果的なので、できるだけ多くの人に知ってもらいたいと思っています。

どこがそんなに効果的なのかと言えば、たくさんあるのですが、一つにはお金の問題があります。広く市民の声を集めてから開発をすることで、反対運動が起こる可能性はゼロに近くなります。そのため、極端な例では座り込みなどの問題が起きてから解決するとか、デザインを一からやり直す、建築の途上でやり直す、という恐れがなくなるのです。こういうのはものすごくお金と時間の無駄になります。それに、市民が反対運動を起こしてしまったら、それに関わった建築家にはプロとしての未来が難しいことになります。精神的なダメージも大きいのです。ワークショップをすることで、そういうコストを未然に防ぐことができます。

計画に市民が参加していると、器物破壊の問題も減ります。それをするのは大抵はエネルギーを持て余した若者たちですが、ワークショップには大勢の若者たちが関わりますし、多少とも自分や友達が関わったものにはたいていは危害を与えないものです。それに、子供たちや若者たちにとっては、社会の未来に関わったことで責任感のある市民になる心構えも育つし、長い目で見れば郷土での愛着も湧きます。ほかにもいろんな利点があるのです。

キングさんが持っているのは、ワークショップのルールを書いたポスターです。
1、「私たちは」ではなく、「私は」と言う。例えば、妻や子の意見を聞きもせずに夫が「うちの家族はこう思います」と言ったりしていることがあるのです。そういうふうに言うことで、自分ひとりの意見じゃない、自分の意見には何人分もの重みがあるんだ、と印象づけようとする人は少なくありません。
2、解決策を見出そうとしない。あるアイディアと、それがもたらす結果だけに焦点を当てる。
3、他人の出したアイディアに対して批判を加えない。制約や問題点は後からゆっくり考察すればいいのであって、まずは各人が自分の個人的な希望を自由に出すことが大事なのです。
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テントがいくつか用意されています。ワークショップにはいくつかの段階があり、それぞれの段階ごとに別のテントがあるのです。
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人だかりがしていますね。私たちが来た頃にはボランティアらしき人たち以外はほとんど誰もいなかったのですが、だんだん集まってきました。通りがかりの人たちも飛び入りで参加しています。
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人々が集まっていたのはこちら、「開発予定地での一日」という表です。理想の場所が完成したら、自分はそこで何をしていたいか、ということを人々が自由に書き込んでいくのです。アイディアはだいたいの時間帯に合った位置に書き込みます。
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カナダには英語の分からない人も多いので、今回は現地に隣接する公民館で英語を勉強している中国人移民のグループが通訳つきで参加しました。アイディアも中国語で書かれています。日本人の参加者もいたので、英語と日本語で書かれたアイディアもあります。
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絵で描いたアイディアもあります。今回のワークショップの対象者は9歳以上ということでしたが、実際には通りかかった幼児も楽しく参加していました。
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公園で遊ぶ、車で、だそうです。おもちゃの車で遊ぶのか、それとも公園の横に車があるのか、それは本人に聞かねば分からない謎です。
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こうしていくつかアイディアが出されると、テーマ別に大きく分けて、人々もいくつかのグループに分かれます。今日はかなり適当に分かれてましたが、いつもはすべてがもう少しは厳密に進みます。それぞれのグループごとにアーティストがついて、人々が出すアイディアを絵に描いていきます。
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アーティストが描き、書記が人々のコメントを細かく書きとめます。絵を描いていると意見を聞き漏らしたりするので、書記の人が「この人のこのアイディアも描いてください」と促したりするのです。
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だんだんできてきました。
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できあがり~!人々にデザインの細かいところを聞いたりしながら、アーティストがどんどん目の前でアイディアを絵にしていきます。自分のアイディアをこうして目に見える形にしてもらうと、かなり感動します。
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キングさんは一応既に引退しているはずなのですが、なぜか多忙なお年寄りです。ワークショップでは後継者の育成に力を入れているので若いアーティストもたくさん育っていますが、キングさんも楽しく現場で活躍していらっしゃいました。建築を志す若者にとっては、こういう経験はかけがえのないものだと思います。
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デザイン画ができたら、アイディアの要素を文字で表してリストにし、参加者がみんなでそれを3段階で評価します。「すばらしい、ぜひ作ろう!」、「う~ん、もうちょっと工夫したほうがいいみたい」、「これはここではちょっとねえ」の3つです。

ワークショップの過程はこれで終わりですが、こうして出来上がったデザイン画はこの後で地域の人が集まる場所を巡回し、もっと多くの人に見てもらって評価をしてもらいます。数字の評価だけでは表せないコメントも併せて集めます。そうやって多数の市民の目に触れることで、市民のだいたいの意向が明らかになっていきます。その後、行政の担当者やプロの人たちが、予算その他の様々な実際的な制約と照らし合わせて市民のアイディアを検討します。それからプロの手になるデザインが作られ、さらにそれが市民の目に見える場所でしばらくの間展示され、最終的な意見が集められます。実際に建築が始まるのは、これだけの過程を経たのちのことなのです。ワークショップには手間と予算がかかりますが、最良の治療は予防だ、というのと同じようなものなのだろうと思います。この手法は既にカナダなど各地で繰り返し実践され、効果が証明されています。小さいのは小学校の中庭みたいなのから、大きいのは町を丸ごと移転して作りなおすというのまで、多数の事例があります。これが日本にも広まっていくといいなと私は思っています。
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会場にはちょっとした軽食や飲み物の用意もあります。こういうのは全部ボランティアの人たちが用意します。(費用はワークショップの主催者持ちです。)このワークショップには多数のボランティアが関わっているのです。ワークショップには必ず何らかの軽食が用意されるのですが、これは一緒に飲み食いをするという行為が共同体としての人間にとって根幹的なものだからです。予算が余っているから軽食でも、というわけではありません。ワークショップの根本的な目的は、市民参加を促してみんなで一緒に地域社会を築いていく、ということにあります。小さなことですが、この場でのちょっとした飲食はとても有効なのです。
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おまけ。公民館にかわいい絵がありました。子供の絵って、いつも風景の全体が入っているなと思います。私もそういうふうに描けたらいいなと思うのです。
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およそ100年前に建てられたこの建物は、かつては郵便局として使われていました。こういう優雅な建物で働いていたら、自然と立ち居振る舞いも優雅になるような気がします。100年経って私たちの周りの建築の様式はずいぶん様変わりしました。
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by ammolitering7 | 2013-01-23 04:19 | ワークショップ