コ・デザイン デザイン参加の手法2

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「背景(事実関係) 需要の広がり」
建築とは地域全体に関する事柄である、というのは、古くからある考え方です。私たちの社会でも昔はそうでしたし、多くの発展途上国では今でも地域社会を作ることや納屋などを建てること、教会を立てることなどは、社会生活で大切な部分を占めていました。彼らは単に建物を建てただけではなく、地域の活力をも築き上げたのです。これらの社会では、地域の公共の建物がないということを社会的な退廃のしるしであると見なします。(注1)

現在では、典型的な地域社会では人々は滅多に自分たちが使う公共の建物を建てる作業に参加することはありません。私たちの都会生活では、社会的な疎外と非人間的な環境は全くありふれています。Co-Designは、地域社会の人々を自分の環境をデザインするという作業に引き込むことによって、この動きに対抗しようという試みです。

歴史的に、地域社会に関わりを持つことは社会的、文化的な重要性が非常に高いとして認識されてきました。ケネス・クラーク卿は古い言葉を引用しています。

「1144年だと伝えられているが、まるで魔法のように塔が空へ向かって建てられていたころ、信仰深い人々は石を運ぶ荷車に体をくくりつけ、石切り場から大聖堂へとひっぱっていた。

情熱はフランス中に広がった。男たちも女たちも、労働者のためにブドウ酒や油やトウモロコシなど重い食料を持って遠くからやってきた。領主たちや貴婦人たちもいて、他の人たちと一緒に荷車を引いた。人々は完全に統制が取れた振る舞いをし、そこには深い静寂があった。すべての人の心が結びつき、誰もがそれぞれの敵を許した。(注2)」

劇をするときやクリスマスツリーの飾りつけをするときなどには、私たちもこのような、共に何かを達成する感覚を味わいます。私たちは互いに対する好意的な感覚に輝き、互いに成功を祝いあい、それほどうまくできなかった者がいれば励まします。私たちのグループあるいは家族としての生命力が強まります。

Co-Designのワークショップでは、私たちは同じ輝きを、参加者の間の友好的な感覚を、そして地域共同体の健全な生命力を目の当たりにします。共同的な創造性は、ないがしろにされていた公共の建物や広場に命を吹き込みます。器物破損行為はなくなります。芸術に社会が関わることの重要性について書いた文章の中で、フランク・アヴレー・ウィルソン(訳注:1914-2009 、イギリスの抽象画家)はこう述べています。「個人が癒され、社会全体が癒される。個人の体と心の状態が癒されるに留まらず、グループや社会の関係全体の病への癒しが生じる。」(注3)

都市デザインと造園を含む建築は、その規模と社会的な影響の面で他のすべての芸術を超えています。特に公共の建築は社会に設定条件を提供し、私たちの日常生活の様々な側面で不可欠な役割を果たします。芸術における社会の関わりの源として、その大きさと恒常的かつ直接的な接触という点で建築は他に比べるものがありません。公共の建築物のデザインは社会全体の生活に影響を与えるので、誰もが関心を持つ権利を有します。

デザインに参加した後は、人々はその成功に自分が貢献したことを誇りに思うことができます。そして、そのことについてのちのち何年も、日々、思い出すことができます。社会の中の建築物が人々の共通する価値観を反映するとき、人々は地域社会の一部であるという感覚を育むことができます。建築デザインへの参加は疎外感を打ち消します。

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「公共建築への関心の高まり」
建築の公共の側面は昔から認識されています。ルネッサンス建築の創始者の一人であるレオン・バッティスタ・アルベルティは1450年代に建築は社会的な関心事であると書いており、建築が完全に公的な活動であるという見方をしたことで知られています(注4)。1800年代の半ばには、ジョン・ラスキン(訳注:1819-1900、イギリスの芸術評論家)「建築はすべての人が学ぶべき芸術である。なぜなら、それはそれはすべての人に関わる事柄だからである」と主張しました(注5)。1900年代の初めには、ウィリアム・モリス(訳注:1834-1896、イギリスのデザイナー)は次のように述べて市民が建築に責任を負うよう促しました。「建築の偉大さは、、、人の人生全体を包み込む。私たちは、自分たちに関わりのあることを一握りの学識のある人々に任せて、彼らに何から何までさせておくわけにはいかない。、、、私たち一人一人が(建築が)環境に対して公正であるか、そして私たちの街の住み心地の良さが確保されるか、ということに目を光らせていなければならない。」

今、私たちは一世紀に及ぶ公共教育のお陰で、比較的平和な世界と知識の高まりという新しい状況を手にしています。人々は自分たちの環境に対して発言権を要求しており、かつてないほど強く意思を主張します。アルヴィン・トフラー(訳注:1928年~、アメリカの評論家、未来学者)は、参加型民主主義について書いた文章の中で次のように述べました。

「状況は国によって違うが、適度に教育があり、全体としてこれほど多種多様な知識を備えた人々がいたことは、歴史上かつてなかった。これほど多くの人々が非常に高い水準の豊かさを楽しんだことはなかった。それは不安定ではあるかもしれないが、社会的な関心事や行動に時間とエネルギーを注ぐことができるようになるのに十分なほどの豊かさである。これほど多くの人々が外国に旅をしたり外国人と意思を疎通したり、他の文化からこれほど多くを学んだりしたことは、かつてなかった。」

人々の知識と明確な主張がCo-Designのエネルギー源となります。地域社会の人々は、自分たちの住む地域をデザインする過程に参加するために、私たちに手助けを求めます。Co-Designの手法は、そのような必要性に応じて、そしてデザインに関する議論の過程で生じる状況に応じて発達します。伝統的な建築教育でも、建築の現場でも、市民と共にデザインをするためにはどうしたら良いかは教えられません。建築学の教育の場において、社会的な事柄や地域社会の組織化、大人数のグループと意思の疎通をするための方策と技術を含めた教育がなされる必要があります。高度な視覚化の技術が習得できるように訓練する必要がありますし、建築デザインの技能にはインテリアデザインやプラニングや都市デザインも含めなければなりません。コミュニティー・デザインに対する新しい見方に対応する新しい手法を開発する必要があります。

一面では、新しい手法は従来のやり方に反する場合もあります。例えば、間取り図に始まって完成予想図で終わる伝統的な建築コミュニケーションの過程を辿るのではなく、Co-Designではその過程を逆に行います。人が過去の記憶を呼び覚ますときは、それは心の目に浮かびます。未来の様子も同じようにして想像することができます。このように、未来の情景に関して意思の疎通を図るときに重要なのは視覚化です。Co-Designの過程では、見る人がその情景の中で経験することを想像する手助けとなるよう、完成予想図を先に描きます。それから、より良い理解をもってその場所のデザインに関する議論を深めることができます。情景がデザインされた後で、私たちは部屋なり空間なりの見取り図を描き、情景を説明し、それを立体化します。

「伝統的な手法の危険性」
提示された開発計画について行政府が市民に意見を求める際の伝統的な方法は、往々にしてデザインという目的に照らせば不十分なものです。一般投票、公聴会、意見交換会などは、地域デザインに関心のある人々の心に「デザインが本当に地域の人々の意見を反映したものになるだろうか」という疑念を残します。これらの方法では、個々の市民が計画に参加したくても障害が多々あります。利害の対立は否定的な意見を促します。会議が行われることが十分に知らされない、情報の入手が間に合わない、などの原因で議題に関する理解が深まらないという問題もあります。一度に一人の人しか発言できないため、声が大きくて主張の強い人が発言権を握ってしまう、さらに、過程そのものに創造的な代替案を視覚化する手段が欠けている、ということもあります。その結果、結果はデザイナーにとってあまり役に立たないということになりがちです。

伝統的なデザイン過程における市民計画委員会は、小数の人々を選んでデザイナーと一緒に議論を行い、地域の代表として意思決定を行います。

デザインに関する議論が進むと、この少数の人々は問題の事柄に関して地域の他の人々より多くの知識を持つことになります。議論を地域全体に広げるに当たっては、伝統的な手法の問題点を避けるための議論の方法が必要になります。もしもこの少数者のグループがうまく意思の疎通をすることができないと、人々はこのグループは自分たちとは遠い存在で、意見が固まっていて、地域のエリートの利害に叶うような行動をしていると感じます。もっとひどいときには、彼らが自分たちの個人的な利益のために行動しているのではないかという疑いをかけられます。この小さなグループにとっては、地域の中で利害の対立するグループが分裂する危険が生じるかもしれず、あるいは軽蔑と怒りの混じった嵐が吹き荒れるかもしれない市民との会議は、恐ろしいものとなります。

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「板ばさみになるデザイナー」
公共の会議の場で伝統的な方法で開発計画を提示するデザイン関係者は、どちらに転んでも良い目にはあわない板ばさみになることがあります。提示する内容が詳細であればあるほど批判も多くなります。絵や模型が良ければ良いほど、既に何でもかんでも決めてしまっている、と非難されます。萎縮した感覚が忍び寄ります。肯定的な詳しい反応がないと、デザイン関係者は往々にして批判された要素を削除し、デザインの特徴を縮小させます。削ったものを他の何かで埋め合わせない場合も多々あります。

彼らは自分の考えていたことをだんだん言わなくなります。否定的な反応はデザインに関する意思決定を遅らせます。そして、認可の遅れはデザイン料金に食い込みます。公共の会議でデザインが却下されると、それはプロジェクト全体をデザインし直さなければならないことを意味しかねません。たいていの場合、デザインのやり直しまでする予算の余裕はありません。さらに、次のときに何が受け入れられるかを示す肯定的なヒントはありません。何を避ければ良いかという否定的なヒントがあるだけです。

会議が大失敗に終わると、市民に対するデザイナーの態度が悪化するという危険もあります。学校を出て活動を始めたばかりの若いデザイナーにとっては、ことに市民のために都市環境を良くしようという強い情熱を持った若者にとっては、公共の会議での悪い経験は心に深い傷を残しかねません。市民参加のためにさらなる努力をしようという意欲を削いでしまいます。環境を利用する人が計画に参加することへの欲求が高まる中にあって、これは望ましい心構えとは言えません。

極端な場合には、行政府や開発会社が過熱して広く知られるようになった論議の只中に計画を押し付けると、失敗の値段は非常に高くなります。あるケースでは、大きな市民センターの計画でしたが、失敗で50万ドル近くかかりました。このうち、およそ35万ドルは建築家に支払われた料金で、およそ10万ドルが一般投票に要した費用でした。この一般投票では、建築計画はあやうく撤回されるところでした。そのようなケースでは、不人気な開発計画に取り組む建築家は論議と無駄金の源と見なされる危険を冒します。のちには、その地域の行政府や開発会社は皆、そのような公共の侮蔑にさらされた建築家を雇うことを躊躇するおそれがあります。

これらは、デザイナーが伝統的な方法で利用者とのコミュニケーションを図った場合に負いかねない危険性です。デザインに関わる者は、緊急にこれらの危険性を回避するための新しい方法を必要としています。

「私的なデザイン対話から公共のデザイン対話へ」
従来の開発過程では、開発に結果によって影響を受けるけれどデザインに関する議論に関係しない人々が疎外されます。子供たちは、ブルドーザーが彼らの遊び場だった空き地を更地にするとき、期せずして影響されます。彼らは、自分たちの人生の一部に対して無力であるという事実に苦しみます。大人もまた疎外感を経験します。彼らは自分の周りの環境に愛着を持ったり、少なくともそれに慣れ親しんだりします。そして建築家がやってきて、結果によって影響を受ける人々を議論に招かずに計画を立てます。環境が彼らの人生の一部になっているので、大人たちは子供と同じように自分の人生に対して無力であるという感覚を得ます。

しかし、建築家が個人の顧客と関わり、デザイン対話に顧客を引き入れる場合には話が違います。建築家は、通常は個人の顧客をデザインから疎外することはしません。個人の顧客が自分の新しい環境における新しい暮らしについて予見することを建築家に話すとき、彼らはデザインを形作り始めます。対話は、建設予定地の特性と制限が調査され、費用の優先順位が計られ、完成したデザインが評価されるデザイン条件を提示します。これらの条件を作り出す対話は、デザインの発展と成功に大きな役割を果たし、建築家はこれに細心の注意を払い、時間を取ります。

対話には特定の性質があります。話は顧客が予見する暮らしの様子、彼らが日常の暮らしや特別のときにしているであろうこと、を中心とし、彼らがどういう暮らしをしたいかという予想図を描けるところまで続きます。光、空間、動き、感覚、そしてすべての感覚を通した知覚において顧客が好む環境の効果に配慮は集中します。デザイン条件について顧客と建築家の双方が完全な図を理解するまで、時期尚早なデザイン解決案は避けられます。予定地の顧客の人生との関係における性質を理解するために、予定地を訪れて時間を過ごします。対話はすべての利用者を含みます。家族の長だけではなく、普通は家族全員です。

これらの特徴は、長い建築的な経験において見られます。もしもそれらが守られないなら、トラブルが生じます。例えば、もしも夫が妻の代わりに彼女の好むところを語ろうとする場合などです。顧客が自分の考えをよく吟味する前にデザイン案が出される場合も議論が生じます。

この対話の原則を無視した公共計画の実行は疎外を招きます。これには、議論せずにアイディアを提示すること、実際の予定地での経験の代わりに予定地での暮らしのパターンを無視した技術的な予定地データに依り頼むこと、そして統計的な調査に基づくデザイン条件に完全に依存することを含みます。これらの方策はデザイナーが何が望まれているのかを知るのに役立ちますが、それらは創造的な地域共同体の参加という重要な要素を含みません。

「都会での疎外を減らすための鍵」
若い人も年配の人も、貧しい人も豊かな人も、無力な人も有力な人も、地域共同体のすべての人がデザイン対話に参加することができるようにすることが、都会での疎外感を減らす鍵です。今日のデザイナーは、多数の市民に意見を聞かねばなりません。求められているのは、変化によって影響を受けるであろうすべての人にデザインに関する議論を開くことです。疑いもなく、これは非常に大きな仕事です。しかしそれは可能であり、私たちはそのためにCo-Designの手法をご紹介します。

成功は、問題への解決法以上のものをもたらします。新しい秩序が生まれる、あるいは先述の引用文に沿った言い方をすれば、古い秩序が再び現れます。予期せぬ、そして歓迎されない変化への恐怖からの開放感が、共有する創造性における高揚感と交じり合います。それは、地域共同体の中に夢が生まれ、それが調和の図へと発達するにつれて、喜びの高みとも言うべき経験になります。
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# by ammolitering7 | 2013-01-22 14:54 | 「コ・デザインの手法」

コ・デザイン デザイン参加の手法1

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「Co-Design、デザイン参加の手法」
スタンレー・キングおよびメリンダ・コンレー、ビル・ラティマー、ドルー・フェラーリ

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Co-Design(コ・デザイン、「一緒にデザインする」の意)は、地域共同体の中で人々が協力的かつ共同作業的に考えを寄せ合ってデザインする、というものです。Co-Designの作業には基礎的なスケッチと視覚化の技術を用い、一般の人々を招いて計画ワークショップを開きます。本書「Co-Design、デザイン参加の手法」は、デザインに関わるすべての人々がアイディアを視覚的に共有することによって、都市計画者、建築家、デザイナー、そして地域社会が確かなコミュニケーションを取れるようになる方法を示唆します。

人々が自分たちの周りの環境のデザインや計画にもっともっと積極的に関わる姿勢を強めている昨今、「Co-Design、デザイン参加の手法」は地域社会が都市計画に創造的に関わる上で有効な手法を提供します。本書ではCo-Designプログラムの全容を詳細に紹介しており、環境デザインへの既存の市民参加方法とは異なった効果的な方法を容易に習得できます。

地域社会の人々が持つデザインのアイディアをどのように議論し、焦点を当てるか、人々をデザインの過程でいかに導くか、人々のアイディアをどのようにデザインに生かすか、そして視覚化によってコミュニケーションを豊かにするための方法など、結果的に建築に役立つ過程を紹介しています。

Co-Designプログラムの基盤は、組織化すること、教えること、そして技術を伸ばすことにあります。市民参加型のデザインの背後にある理論、並びに、地域社会で開くデザイン・ワークショップで使う簡単なスケッチの技法を順を追った分かりやすい説明は、デザイナーと都市計画者にご活用頂けるものと思います。田舎の町の公園から都会の中心地まで、実際に行われたワークショップを例にとって生き生きとCo-Designの様々な活用法をご紹介します。教育的なコースやワークショップでの活動の例も多数あります。

本書は建築家スタンレー・キングの20年に渡る経験に基づいてまとめられました。197回の公開デザイン・ワークショップには延べ1万人以上が参加しました。過去10年間にはCo-Design協会として共著者たちとの協力によるチーム研究を行い、ワークショップの方法もさらに洗練されました。ワークショップの準備、トレーニング、コミュニケーション、公開デザインへの参加のすべてにおいて、有効な方法を確立するため、継続的な努力がなされています。

本書は、ワークショップの実例、インタビュー、分かりやすい解説、200点以上のイラストや写真などで構成されています。「Co-Design、デザイン参加の手法」は、対話型のデザイン作りを成功させるための斬新で有効的な手法として、建築や都市計画、造園デザインやプログラミングなどに携わるプロの方、地域共同体や企業、政府などで政策や方針の決定に携わる方、これらの事柄に関する活動をする学生や教育者など、幅広い分野の皆様に活用していただけます。

「著者および共著者について」
スタンレー・キングは建築家であり、南アルバータ州立技術学校(Southern Alberta Institute of Technology)の教師でもあります。彼はブリティッシュ・コロンビア州立大学で建築学の修士号のための論文を書いていた1969年にCo-Designの手法を作り出しました。その後20年間、スタンレー・キングと彼の独創的な手法は国際的に高い評価を受け、研究およびデザインの分野で多数の賞を受賞しました。

スタンレー・キングは、地域共同体が自分たちの環境を明確にデザインする手助けをするために、1979年に非営利団体Co-Design協会を設立しました。カルガリー大学の建築学の学生であって建築技術者でもあるメリンダ・コンレーとドルー・フェラーリ、さらに建築家であってエンジニアでもあるビル・ラティマーが加わり、Co-Design協会の中核メンバーとして活動を始めました。彼らは協力してCo-Designの技術を教え、熱意と興味を示した大勢のデザイナーやアーティストたちにトレーニングを施し、市民が参加した多数のワークショップを記録して本書の基礎を作りました。

表紙:1973年にバンクーバー市民1,000人を対象に行われたワークショップで最も人気の高かったイラスト。このワークショップのテーマは、当時荒れ果てた工業地帯跡地だったフォールスクリークの再開発だった。

左上:そのワークショップの結果として実現した造園デザイン。

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「Co-Design、デザイン参加の手法」
スタンレー・キングおよびメリンダ・コンレー、ビル・ラティマー、ドルー・フェラーリ

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本書をカナダおよび米国各地でワークショップに参加してCo-Designの手法の発達を促した1万人以上の若者たちと大人たちに捧げます。

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目次 (省略)

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「はじめに」
本書は、最終的に環境を利用することになる市民と共にデザインをイメージすることに関するものです。私たちは視覚化に重点を置いており、それが他の市民参加型のデザイン手法とは一線を画するところです。内容の大部分はスケッチ技術を育てることに当てられています。本書は私たちが行った190回のワークショップ経験に基づいており、それらを通して育んだガイドラインと技法をご紹介しています。

私たちが依頼されたワークショップのテーマは、大きな都会、地域社会の中のレクレーション・エリア、小さな町、都心部の住宅地、大学の学部、学校、協会、オフィス、商業センターなどです。それらに共通して必要だったのは、自分たちの環境をデザインする上での手助けであり、様々なアイディアを一つの概念のもとにまとめる方法でした。

私たちは本書において、人々がアイディアを議論するときに中心となる主題を提供する方法、デザインの過程を通して人々を導く方法、アイディアにデザイン的な側面から肉付けする方法、そしてコミュニケーションを視覚化によって容易にする方法をご紹介します。一言で言えば、建築を容易にする方法を描写しています。

さらに、参加者がデザインの過程に加わりやすくなるような「分かりやすい」絵を描く方法を教えます。私たちは、対話を促し、のちに正確なデザインのデータを提供するものとしての建築技術である、「その場で情景を描き出す絵」を描くことに重点を置いています。アーティスト訓練のコースを開いたときに最もリクエストの多いのが、スケッチ技法です。スケッチに関する本は多数出回っていますが、それらではカバーされていないこうした技法を本書では詳しく説明しています。読者としては、基礎的な遠近法と人物画の技術のある方を想定しています。スケッチの入門書ではないことをご了承ください。

本書の全体を通して使用されるCo-Designという言葉は、地域社会における(Community)、協力的(Cooperative)で共同作業的( Collaborative)なデザイン、という意味を総合したものです。私たちがCo-Designのアーティストについて語る場合、私たちが指しているのは他者の指示に基づいて人々や情景を描く高度な技術を持った人のことです。Co-Designのアーティストには、建築された環境のデザインに関する基礎的な知識があること、つまり建築、都市計画、建築技術、造園建築、インテリアデザイン、都市デザイン、立体造形などの素養が必要となります。本書では「建築」という言葉を広義で用いており、これらの職業技術のすべてを含みます。「環境デザイン」という言葉でなく「建築」を使うのは、本書の著者が元来建築家であり、他国における同様の業績が建築家によってなされているからです。ボランティアとして本書の制作に参加したライターたちはプロのライターではありません。ワークショップの概念を理解して記録を取るためのトレーニングを受けた、地域社会の人々です。

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「Co-Designの名前の由来」
地域社会における(Community)、協力的(Cooperative)で共同作業的( Collaborative)なデザイン=Co-Design

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「本書の読者想定、および望み」
本書は以下の5つの種類の読者を想定しています。
1、プログラミングおよびデザイン建築、プランニング、都市デザイン、インテリアデザイン、および造園デザインを職業とする人。顧客およびユーザーにデザインに参加してもらう上で有効なガイド、および大きな地域社会と生産的にコミュニケーションを取る方法を示します。

2、上記の職業を目指して学んでいる学生には、それぞれの分野でのデザイン手法の開発に役立つガイド、デザイン対話を導く方法、そしてデザイン・スケッチの技術を伸ばす方法を教えます。本書を活用することによって、将来的に顧客やコミュニティーと創造的に働く技能を身につけることができます。

3、地域社会、企業、および政府で方針や政策の決定に携わる人、ならびに人々を意思決定に参加させる手法において多数の成功例を求める市民による計画委員会の人々。

4、企業の中間管理職にある人、および彼らが市民参加プログラムを実行する上でアシスタントとなる人。本書は組織化の過程をステップ・バイ・ステップで紹介し、作業の遂行を容易にします。

5、小学校から大学にいたるまで、様々なレベルで教育に携わる人。本書は学生が自分たちの学校や近隣の地域や都市内のエリアのデザインに関わった多数の事例を段階を追って説明しています。
市民が意思決定に参加することの重要性がますます認識されるようになってきている現在、本書は読者が環境を創造的にデザインする際に人々を効果的に導く能力を育みます。

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空白

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「謝辞」
Co-Designは子供たちと共に始まりました。彼らは怒りに燃える目で私を取り囲みました。彼らの中には私の息子もいて、彼は「ブルドーザーが僕たちの遊び場を壊しているよ。そんなことが許されているの?どんな決まりがあるの?」と叫びました。大人にとってはただの空き地でしたが、子供たちにとってはそれは、自分たちで切り開き、木の上に砦も作って自分たちの領域と決めた大切な場所でした。彼らの環境を破壊し、それなのにその意思決定に彼らを含めなかった開発に対して、彼らは強い疑問と怒りを感じていました。それがCo-Designのきっかけとなったのです。

これは、Co-Designの過程がシンプルであることや、使われる言語が直接的であること、そのイメージ、そしてそのデザイン認識が知性を通した経験というより感覚的なものであることなどに反映されています。1960年代半ば当時、モントリオールには建築ブームが起こっていて、多数の古い建物が取り壊されていました。市内のそうした古い住宅地を訪れて美しい建物のスケッチをするにつれ、私は自分が破滅の使者であるかのように感じ始めました。私が訪れると、まもなくこれらの建築物は取り壊され、無味乾燥で世界中どこにでもあるような大規模開発の建物に取って代わられるのです。住人たち、とくに子供たちは、こうした破滅を食い止めるには自分は無力だと感じていました。

私は彼らの不安や疑問に対応しようとしました。そのとき以来、私は家族や友人たちや、やがては建築学その他でプロとして働く同僚たちの助けを得て、答えを見出そうという努力を続けています。私は彼らと共に本書を著しました。

最初は、教育を通した答えを目指しました。美術教師である妻のマーガレットと3人の子供たちと共に多くの学校を訪れ、教育資料を作成し、都市開発の過程を説明するために配布しました。これには多くの教育者のご協力を頂きました。特に、BC州立大学のエメリタス・フランク・ハードウィック教授、バンクーバー教育委員会のゲイリー・オンスタッド氏、サイモン・フレーザー大学のミルト・マクラレン教授、そしてビクトリア大学のマーク・ベル教授です。

国立芸術寄金のアース・エリクセン氏は、建築された環境に関する教育というご自分の研究で手助けしてくださり、建築家と教育者の会議で私が自分の研究を発表する手配をしてくださいました。イギリスの「都市と田園計画協会」の教育担当者であるコリン・ワード氏は、私の研究および同様の研究をしている他の人たちの仕事に関して文章を書き、激励してくださいました。子供たちと一緒に行った研究は実際のデザイン問題に関するものであり、親たちや他の大人たちも参加しました。

(挿絵)遊び場がブルドーザーで壊されているよ。どんな決まりがあるの?

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カナダ政府からは、1970年代にこの手法をさらに発展させるために補助金を授与していただきました。都市問題に関する担当大臣であるロン・バスフォード氏、都市問題に関する担当大臣代理であるピーター・オバーランダー氏、首相室のコートニー・タワーズ氏からは、特筆すべき助力を賜りました。また、国立映画局の局長であるバリー・ハウエル氏は、私のワークショップの様子を収めた「チェアズ・フォー・ラバーズ(恋人たちの椅子)」という映画に多大な励ましを下さいました。

また、建築と都市計画に関わる大勢のプロの皆さまから積極的な支援を頂きました。特に、共にバンクーバー市の都市計画部長であったウィリアム・グラハム氏、続いてレイ・スパックスマン氏、カナダ地域計画協会のヒルダ・サイモンズ氏、ジョン・デス氏、ならびにガイ・スペンサー氏、ブリティッシュ・コロンビア州立大学の建築学部の部長であるヘンリー・エルダー氏、そして当時そこで学ぶ学生だったメリー・ベッカー氏とキャサリン・アーバネック氏からは、特筆すべきご協力を賜りました。

1979年、アルバータ州のカルガリーで建築ブームが起きていた頃に研究の規模は拡大しました。非営利団体Co-Design協会を設立したのはこの頃です。中核メンバーには、アーティスト、建築家および建築技術者がいました。メリンダ・(ミンディー)・コンレー氏は、この中核グループの会計係兼秘書のボランティアとして継続的かつ効率的な奉仕をしてくださいました。

ワークショップでのアーティストの技能が優れていれば参加者からの反応が大きいことが分かると、私たちはカルガリー、およびブリティッシュ・コロンビア州のビクトリアとペンダー・アイランドでスケッチのクラスを始めました。中でも特に才能があって熱心に勉強を続けた生徒たちであるメリンダ・コンレー氏、ビル・ラティマー氏、およびドルー・フェラーリ氏は、やがてワークショップの運営や協会組織の中心として指導的な活躍をするようになりました。彼らは現在では本書の共著者であり、彼らの協力なくして本書はあり得ませんでした。

カルガリーの南アルバータ技術学校の建築技術コースの指導主事であるフレッド・クリングベール氏からは長年に渡る支援を頂きました。また、同学校の他の多くの同僚たちや学生たちからも様々に支えていただきました。

カルガリー大学の環境デザイン学部のタン・リー教授およびロバート・カービー氏は、一時的な宿泊の手配やコンピューターの使用などを通して支援してくださいました。また、本書の共著者であるメリンダとドルーの研究作品を、同大学における建築学の修士課程で指定学習材料の一部として使用していただきました。また、同大学では、図書館でのコンピューターを使ったリサーチにマイク・ブリッジズ氏が、そして絵の複製ではランディ・ハドレー氏が協力してくださいました。カナダ都市計画従事者協会のアルバータ支部は、私たちの研究に激励と資金面での多額のご協力を賜りました。
Co-Design協会のメンバーたちは皆、アーティストあるいは運営担当者として多くのワークショップを行いました。中でも特記すべきは、妻のマーガレット、オードリー・クリスティー氏、ジーニー・カリン氏、エリザベス・アレン氏、ピーター・ウォルシュ氏、ワレン・ガウル氏、ロバート・アグニュー氏、そしてチャック・スミス氏です。娘のシリアは研究およびワークショップ現場での写真撮影で協力してくれました。

フリーランス作家のリン・マクダウエル氏、タン・リー教授、そしてアンドレ・アイフリッグ氏は、原稿の編集において洞察の深い助言を下さいました。カルガリー市役所の都市計画者であるフィリップ・ダック氏は、地域社会とプロの都市計画者の間に架け橋を作る上での激励とご指導をくださいました。
本書を作るまでに、カナダとアメリカで若者たちと大人を合わせて1万人ほどの人々が参加しました。彼らの一人一人が、反応や熱意や激励を通してこの研究に貢献しました。彼らは自分たちの好みをはっきりと表し、その結果、何百という公共の場がもっと人間的なものとして完成しました。おそらく、これこそが25年前に私の息子と彼の友人たちが求めていた答えなのだと思います。彼らの怒りのこもった苦情は、場所を利用する人々、特に若い人々は、その場所の未来について議論するときに積極的に参加したちと思っていることが私には今では分かるのです。彼らの訴えは正当なものであったことが、こうしてはっきりしました。

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第1部 市民参加の必要性に応える

16ページ 空白
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# by ammolitering7 | 2013-01-22 14:52 | 「コ・デザインの手法」

ユースマニュアル5

「個人的な経験と知覚」

43ページ
図書館での調べ物(1-3時間)
生徒たちは4組に別れ、地元の図書館でリサーチを行いました。それぞれのグループにテーマを選んでもらいます。(生徒たちが自分たちの時間で行うか、あるいは授業時間に行う。2時間)

持続可能な暮らしのテーマ

エネルギーを作り出す
*風、アクティブ・ソーラーとパッシブ・ソーラー、地熱、極小タービン(モーター)
(訳注:太陽熱を取り込む際に動力を使って機械的に行うものをアクティブ・ソーラーと呼び、そのような要素がごく少ないかゼロであるものをパッシブ・ソーラーと呼ぶ。)
*エネルギー効率と保持技術

動きと循環
大人数を移動させる交通機関、自転車、スケートボード、歩く

食物や水などの生活必需品を集める
有機栽培の食べ物、都市での農業、完結自給型農業開発。

ゴミ処理システム
人間の糞尿を含む生ゴミのための堆肥作りシステム
リサイクル戦略、ゴミをゼロにする

庭と景観
屋根に作った庭、緑の壁、 ゼリ造園(訳注:水の節約のために工夫を凝らした造園技術)、菜園

持続可能な建築資材

リサイクルした資材、伝統的な建築資材


グループ一つにつき課題2つ。


A.学習の成果を披露するために、以下のうちの一つを用意します。ポスター、口頭でのプレゼンテーション、歌による披露、またはボードゲーム(訳注:すごろくのような紙に描いたゲーム形式の展示)

B.持続可能な住宅あるいは持続可能な学校の模型を作る。材料は自由。模型にはすべてのテーマを盛り込むこと。例えば、太陽光パネル、菜園、 わらの束を使った断熱材、雨水を集める設備があり、リサイクルした建築資材を使用し、ドアのところに誰かのスケートボードが置いてある住宅の模型など。(生徒たちが自分の時間または授業時間に行う。1時間)

課題を評価する
生徒たちが作ったプロジェクトを評価する。教師や他の生徒たちによる評価、および自己評価(1時間)

ボードゲームの例(次項)

44ページ(写真のみ)

45ページ
地域の年長者(専門家)と関わりを持つ
来賓として地域の年長者(専門家)を招いて話をしてもらいます。地域の年長者(専門家)は生徒たちに持続可能な一日の暮らしについて教えてくれます。例えば、原住民の長老や語り部は、生徒たちの住む地域で土地と海がすべての必要をまかなっていた頃の暮らしはどうであったかを教えてくれます。おばあさんは冷蔵庫を使わないで食糧を保存する技を教えてくれます。園芸家は有機栽培の技術について語ってくれます。

私たちの学校は持続可能な空間をデザインする人に依頼することにしました。デザイナーは1時間かけて生徒たちに持続可能なデザイン戦略について教えてくれました。来てくれた年長者(専門家)は、LEED(Leadership in Energy and Environmental Design、エネルギーと環境デザインにおける リーダーシップ)に認可された 構造設計技師であるダイアナ・クライン氏、そして造園技師であるコーネリア・ハーン・オバーランダーOCでした。

オバーランダーOCはブリティッシュ・コロンビア州大学のCKチョイ・ビルにおいて、自分がデザインした景観を13歳の若者たちのグループに説明して歩きました。彼女たちは、専門知識を生徒たちと共有してくれただけでなく、生徒たちにとって将来の職業として建築と工学を考える前向きな見本ともなってくれました。

コーネリア・オバーランダーOCは、その芸術的、現代的、かつ持続可能なデザインで、カナダ勲章受賞者(オフィサー)となりました。(訳注:「カナダ勲章」はカナダ国民に与えられる最高の栄誉勲章であり、「オフィサー」は上から2番目。)

46ページ
持続可能な場所を訪問して調べる
持続可能な特徴で知られる場所を訪ねる遠足を準備します。訪問対象地として考えられるのは、有機農場、太陽熱発電を利用している場所、開拓者の暮らしを見せる歴史村、産業化以前の原住民の暮らしを展示している博物館などです。

当校の生徒たちはブリティッシュ・コロンビア大学のCKチョイ・ビルを訪ねました。このビルは建築家のエヴァ・マツザキ氏が率いるデザインチームによってデザインされました。私たちのツアーガイドはCKチョイ・ビルの構造技師であるリード・ジョーンズ・クリストファーソン社のダイアナ・クライン氏でした。(上は写真。)

この建物の特徴は、環境に与える影響が少ないこと、リサイクルされた建築資材、そして パッシブ冷房(訳注:電力や機械を使わずに温度を下げること)です。流しとトイレから出た水はすべて庭園内で処理されます。この繊細な仕事をするのは、コーネリア・ハーン・オバーランダーOC(写真右)がデザインした廃水処理溝に植えられた、湿地帯に育つ植物です。

それらの植物によって処理された水は1ミリリットル当たりの 大腸菌の量が10ないし50であり、飲用にも適します!私たちはトイレを訪問し、「人糞堆肥」の箱を開けました。(訳注:トイレのフタを開けた)生徒たちは匂いがしないことに驚いていました。

47ページ
トイレを観察する16歳の生徒。(写真上)
BC州大学のCKチョイ・ビルを見学する子供たち。(写真右)

48ページ
年長の生徒たちをトレーニングする(1時間)

ユースマニュアルの中の主な活動の手順をおさらいします。

(写真)「壁の街」エクササイズを指揮する年長の生徒たち

49ページ
年長の生徒たちが子供たちを指導する(3-4時間)

プログラム
第1部:年長の生徒たちと子供たちを引き合わせる
第2部:「壁の街」エクササイズ、「人生の一日」エクササイズ、「持続性とは何か」エクササイズ 
第3部:サイトマップに活動を記入する
第4部:仕上げ

以上のようなクラスを3-4回行う。各クラス1時間。

第1部:年長の生徒たちと子供たちを引き合わせます。もしも図書館でのリサーチプロジェクトを終了した生徒たちのグループが8つあれば、子供たちのグループも同じ数だけ手配します。年長の生徒たちに、彼らが担当する子供たちを紹介します。彼らは子供たちと図書館でのプロジェクトを共有します。クッキーとホットチョコレートなどの軽食や飲み物を用意します。

第2部:年長の生徒たちが「壁の街」エクササイズ、「持続可能な学校での一日」エクササイズおよび「持続の可能性とは何か」エクササイズを行います。年長の生徒たちが描画エクササイズで子供たちの手助けをします。子供たちはそれぞれ自分と友人たちが持続可能な活動にいそしんでいる様子を描きます。それから活動を取り巻く周囲の様子を描きます。

年長の生徒たちは、提案をしたり 子供たちのあいまいな想念を明確にしたりして助けます。部屋中を見て回り、テーマが描画の中に盛り込まれているかを確かめます。もしそうでない場合は、以下のようなテーマを盛り込むように促します。

  持続可能なエネルギーの選択肢
  動きと循環
  生活に必要な物を集める
  ゴミ処理システム
  菜園・庭園と景観
  エネルギー効率と保持技術

第3部:学校の見取り図を描き、活動をその地図の中に配置します。
第4部:追加レッスン:絵をもっと良くするために、色を塗って仕上げます。

年長の生徒たちは、絵を分析して短く要約した文章を添え、上記のカテゴリーに分類します。

50ページ 活動の絵
51ページ 活動の絵
52ページ 現地の地図
53ページ 現地の地図

54ページ 
第3章 持続可能なデザイン・アイディア・フェア

55ページ 準備

56ページ 準備の詳細
*年長および年少の子供たちに仕事をあてがう。(訳注:生徒たちが自分でしたい仕事を希望する)
*どの生徒にも何らかの仕事を与える:挨拶をする者、音楽を演奏するもの、部署ごとに配置した担当者。
*生徒たちが仕事の希望を出す。
*後片付けは生徒全員で行う。
*服装はあまりカジュアルでなくある程度正式なもの。
*緑化改装のための補助金を受け取るために政府の担当者を招く。そうすることで、子供たちの熱意を代弁するために保護者も招きやすくなる。
*地域の年長者(専門家)を招き、テーマに沿った挨拶をしてもらう。
*イベントの資金を援助してくるスポンサーを招く。(私たちのイベントのスポンサーはグリーン・ブリックス教育協会とバンクーバー市)
*地元の企業に寄付を募る。ドア・プライズ(訳注:入場券やくじを販売し、抽選で商品が当たるというもの。資金集めに使われる手法)、食べ物、コーヒーなどの飲み物。
*保護者や学校の役員や都市計画者を招く。

(挿絵:どうぞおいでになって開会の挨拶をしてください。。。敬具)

57ページ
持続可能なデザイン・アイディア・フェアのプログラム 全4部
第1部:体育館での正式なプレゼンテーション:35分
第2部:広いカフェテリアでカジュアルな集いをする:人々はフェアの体裁をとった会場で各部署を見て回る。一時間半。
第3部:ドア・プライズの抽選、スポンサーへの謝辞、地域の年長者(専門家)への謝辞、閉会の挨拶。10分
第4部:後片付け。

58ページ
プログラムの詳細
第1部:体育館での正式なプレゼンテーション:35分
生徒たちがプログラムを説明するための楽しくてテンポの早いプレゼンテーションを行う。
市の担当者による緑化改装のための補助金の贈呈。
生徒たちが歌を披露する。「ウォーター・ラップ(水のラップ音楽)」
開会の挨拶:コーネリア・ハーン・オバーランダーOC(訳注:カナダ勲章受賞者の肩書き)、造園技師。

第2部:広いカフェテリアでカジュアルな集いをする:人々は各部門を見て回る。科学フェアに似た様式。一時間半。
それぞれの部署に用意するもの:
  フレンドリーな担当者たち:若者たちと子供たち
  若者たちの図書館でのプロジェクトと子供たちのデザイン(模型やポスター)
 
展示器具は保護者や市や他の教師たちから借りて、生徒たちがディスプレイした。
  パスポートに押すはんこ。招待客一人一人にパスポートが渡される。
  はんこが押されたパスポートがドア・プライズのためのくじになる。

各部署:および展示器具のアイディア

動きと循環
*スケートボード、スクーター、自転車、おもちゃの列車セット、おもちゃのバス、持続可能ないろいろな公共交通機関を描いたポスター
*年少の生徒たちがスケートボードで抽選のくじを集めて回った。

持続可能な建築資材
竹でできた床材、リノリウム(訳注:天然素材から作られる建材の一種。)

エネルギー
太陽発電、太陽光パネル、ソーラー・カー
• パッシブ・ヒート(訳注:機械や動力を使わずに得る熱)
• 地熱

ゴミ処理システム
シマミミズを使った生ゴミ処理施設、台所の生ゴミで堆肥を作るのための箱


雨水を溜める樽、廃水処理のための溝(訳注:前述の湿地帯に育つ植物を使った排水処理設備)の展示

食べ物
フェアでは地元で採れたリンゴと地元で製造されたチーズが供された。地元の農場のパンフレット、カナダ農業省とBC州の有機農業組織からの情報もあり。

その他
イベントの間中、生徒たちによるライブのジャズ演奏。
市のブースでは緑化改装のための補助金に関するパンフレットの配布。
ゆっくりした自転車競走(写真)

第3部:ドア・プライズの抽選、スポンサーへの謝辞、地域の年長者(専門家)への謝辞、閉会の挨拶。10分

第4部 後片付け

59ページ ゆっくりした自転車競走
60ページ (写真のみ)

61ページ
著者について
E.スタンレー・キング
*建築学士、イギリス、レスター (Leicester) 県。(1953)
*建築学修士号(BC州大学)(1971)
*MAIBC (Member of the Architectural Institute of British Columbia)BC州建築協会会員 (引退)
*MRAIC(Member of The Royal Architectural Institute of Canada)カナダ王立建築協会会員
*コ・デザイン(一緒にデザインする)グループの創設者であり社長。建築家(現在は引退)。イギリスとカナダのモントリオールで建築家として活動。(1953ー68)
*モントリオール市に建てられた43階建てのCIBC(訳注:カナダの主要な銀行の一つ)高層ビル・プロジェクトの建築家。(1962-63)
*モントリオール万博のコンセプト・デザイナー。描画はカナダ全国および国際的に展示された。(1967)
*モントリオール市で都市デザイナーとして活動。(1962ー68)
*バンクーバー市、カルガリー市、レスブリッジ市、レッドディア市、およびアルバータ州メインストリート・コミュニティー・プログラムの中の多くのコミュニティーにおいて、都市デザインコンサルタントおよび公共プログラムコンサルタントとして活動。(1969ー現在)
*サイモン・フレーザー大学の環境教育学部(1971-76)、およびビクトリア大学の環境学部(1982-86)で教鞭を取る。
*南アルバータ州工業大学(SAIT)で建築テクノロジー学のプログラム・スーパーバイザーおよびインストラクター。(1979-92)
*コ・デザインの「都市イラスト上級編」コースを設立し、カルガリー市とビクトリア市で指導。(1981-86)
*アメリカ合衆国に基盤を置く教育支援委員会によって「本年の国際的な教授」の候補に選出される。(1989)
*SAITの最高の学究的な賞である「学究的な業績を讃えるラルフ・T・スカーフィールド賞 」を受賞。(1990)

*スタンレー・キングは都市計画への市民参加という事柄に関する国際的に認められた権威であり、著作や論文は世界各国で出版・掲載されている。また、パブリック・ダイアログ(市民対話)という手法を開発したパイオニアでもある。

*BC州大学における研究の間にコ・デザインの方法をデザイン(1968-71)。その業績はカナダ映画庁にとって取り上げられ(「恋人たちの椅子」1972)、CBCとCTV(訳注:どちらも日本のNHKに当たるようなテレビ局)で全国に放映された。

*「コ・デザイン --- デザイン参加の方法」(ヴァン・ノストランド・レインホールド社、ニューヨーク、1989)の主な著者であり、「若者たちを中央大通りへ」(アルバータ州中央大通りプログラム・マニュアル、メリンダ・コンリー編集、2000)と題する学校マニュアルの著者でもある。

スーザン・エン・チャン
*BC州大学にて理学士号 、教育学士号、教育修士号取得。
*プリンス・オブ・ウェールズ・セカンダリー・スクールにて教師。バンクーバー教育委員会所属。カナダ、BC州、バンクーバー市。(1993ー現在)
*「プリンス・オブ・ウェールズ・コミュニティー・ガーデン・グループ」のコーディネーター。生徒たちは官僚的な障害を乗り越えて菜園を始めた。バンクーバー教育委員会は、「学校での菜園を推奨するために園芸ガイドラインを修正する」という当グループからの提案を受諾した。
*コーネリア・ハーン・オバーランダーOC(訳注:カナダ勲章受賞者の肩書き)に師事。(2009年6月ー現在)
http://www.primeearth.org/projects/garden.html
*http://www.box.net/shared/2a9gyr9bzi
*「持続可能なデザイン・アイディア・フェア:世代を超えて年長者(専門家)から学ぶ」は、「グリーン・ブリックス生徒の挑戦」賞を受賞。(2009)
*http://www.box.net/shared/i03a96ksko
*http://www.sustainablebuildingcentre.com/forum-topic/%5Btitle%5D_7
*「キャモサン湿地:年長者(専門家)から学ぶプログラム」:生物学を学んでいる生徒たちが小学生に湿地帯のエコロジーを教えた。(2005-2009)
*公共交通機関の 支援運動家。署名運動を企画し、教師たちから草の根の支援を得た。メディアでの発言も行い、バンクーバー教育委員会に提案書を提出。さらにトランスリンク社(訳注:バンクーバー地域で独占的に公共交通手段を提供する半私企業)に働きかけ、すべての教師たちと10ヶ月以上継続して雇われているすべての被雇用者への定期券の支給を実現させた。(2006年5月)
* http://www.cbc.ca/canada/british-columbia/story/2007/05/08/bc-buspasses.html
*「ホット・チョコレート天文学の夜」:初等科学を学ぶ生徒たちのための星を見る集い。1996ー2002)
*犯罪科学教材「スヴェトラナ・ミロフ博士のミステリー」の著者。
*触媒会議に参加。(訳注:触媒学会の会議ではなく、各国の若者のリーダーが集う集まり。触媒のように、きっかけとなって世界を変える、という意味がある)BC州ウィスラー市。(2000)
*上記の教材を教室で使用して指導。(1997ー2009)
*同教材は他の教師によっても活用された。南バーナビー・セカンダリー・スクール(1999)。キング・ジョージ・セカンダリー・スクール(2006)。触媒会議でも紹介された。
*http://kgdragons.vsb.bc.ca/whatsnew/newsletters/vol3/3.pdf
*バンクーバー水族館海洋科学センターのナチュラリスト。(1992)
*コ・デザイン・グループ社のコ・デザイン・アーティスト。(1994ー2009)
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# by ammolitering7 | 2013-01-22 13:00 | 「ユースマニュアル」

ユースマニュアル4

36ページ
プログラム
若者たちが持続性について学ぶ
A、教師から(2-3時間)
B、若者たちが持続可能なデザインについて図書館でのリサーチプロジェクトを準備する。

若者たちが地域の年長者(専門家)を訪ね、持続可能な暮らしについて学ぶ

A.地域の年長者(専門家)を教室に招いて話をしてもらう(1時間)
B.地域の年長者(専門家)に率いられて持続可能な場所を訪れる(見学)

年長の生徒たちを進行係としてトレーニングする(ユースマニュアル)(1時間)

若者たちがデザイン・ワークショップとデザイン・フェアを企画・開催する

A.年長の生徒たちが年少の生徒たちに教える(3-4時間)
B、年長および年少の生徒たちが教師と共にアイディア・フェアを開き、地域の人々にプロジェクトや描画を見せる(一晩)

準備
*地域の年長者(専門家)に連絡し、学校を訪問してくれる日時を決めます。この訪問の目的は持続可能な暮らしについて語り合うことです。
*持続可能な場所への訪問を企画します。
*年長および年少の生徒たちのグループのリーダーがプロジェクトの進行とデザイン・フェアの企画について会議を開きます。

37ページ
若者たちが持続性について学ぶ
課題:持続性とは何か?エコロジー的な視点(1時間)
このレッスンの目的:このレッスンを通して年長の生徒たちに「人生の一日」エクササイズを導入します。(以下に紹介しています)このレッスンを通じて彼らは自分たちのことを環境に繋がったエコロジー的な生き物であると理解するようになります。のちに、彼らは持続可能な暮らしについて独自のリサーチを行い、学んだことを年少の生徒たちと共有します。

アクティビティー

1、「人生の一日を想像する」および「壁の街」エクササイズの中の持続性に関する対話。
2、エコロジー的なニッチ
3、持続可能な学校におけるPEP(個人的な経験と知覚)

「人生の一日を想像する」エクササイズ(30分)

紙の真ん中に横線を引きます。(約6メートル)おおよそ真ん中の辺りに印をつけ、太陽の動きに合わせた弧を描きます。下図のように時刻を刻みます。


「「理想的な人生の典型的な日」を想像してください。場所は地元、季節はいつでも構いません。普通の日でも、週末でも、特別な日でも構いません。」

それから、デザイン予定地で朝6時から時刻ごとに何をしているかを尋ねます。生徒たちが活動を述べるたびに、その発言を反復し、弧の中に書き込みます。下図のように、彼らのアイディアをおおよそ彼らが提案する通りの時刻に書き込みます。

38ページ
必要な活動
心の中で、一日の活動が網羅されたかどうかを確かめます。(必要であれば促します)
• 眠る、休息をとる
• 入浴、トイレ
•食事
•生活必需品の買い物(水、食べ物など)
• 動き回る
• レクレーション
• 仕事
• ゴミ捨て

過去と未来の活動
紙がアイディアでだいたい一杯になったら、生徒たちに次の問いについて考えるように頼みます。

1、「タイムラインに書いた活動の中で、あなたのおじいさんやおばあさんが子供だったころにはできなかったことは何ですか?」
2、「あなたの孫はその活動をしていると思いますか?」
3、「あなたのおじいさんやおばあさんが行っていたことの中で、どの活動が「持続可能」で、どの活動はそうではないと考えられますが?」
4、「ある活動を持続可能なものにするのはどんなことですか?」
5、「持続可能」という言葉は、あなたにとってはどんな意味ですか?」


彼らの答えを聞き、紙に書きます。もし正しい答えが出てこなかった場合には次のように説明します。

「簡単に言うと、自分の住んでいる環境や他の誰かの住んでいる環境を破壊しないで長い間続けることができるなら、その活動は持続可能だ、と言うことができます。ここにあなた方が言った「人生の一日」の活動がありますが、これは持続可能ですか?食べることについて考えてみましょう。近くから食べ物を集めて、食べるものがなくなることがないようにするにはどうしたらいいですか?それから、生ゴミが山ほど溜まっていたらどうしますか?生ゴミはどこに行くでしょうか?あなたの友達がここに住みたがって、自分の別の友人たちも連れてきたらどうしますか?」

39ページ
私たちのエコロジー的なニッチ
(訳注:ニッチの定義「ある生物が生態系の中で占める位置。生態的地位。ニッチェ。 」大辞泉 より)

「人生の一日」は私たちの日常の暮らしを代弁するものです。私たちが住むところは環境と呼ばれます。どんな生き物も(クラゲ、蚊、 サナダムシ、熊、蟻、ナメクジ)、その暮らしを通じて、そして環境を知覚することを通して環境と交錯します。どんな生き物であれ、その暮らしと環境をまとめる一言があります。何と言う言葉か、分かる人はいますか?」

「その言葉は「ニッチ」です」


「生き物のエコロジー的なニッチは、それがどこに住むかだけでなく、何をするかにもよる。分析すれば、生物学的には生息地とは生物の「住所」であり、ニッチとはその「職業」であると言えるだろう。」
「エコロジーの基盤」(オダム著。WBソーンダーズ社、フィラデルフィア1959)

環境を知覚する:話し合い(5分)

「動物は様々な感覚を通して環境を経験します。私たちと動物たちが共通して持っている感覚は何でしょうか?嗅覚、バランス感覚、視覚、触覚、聴覚、動き、これらは他の多くの哺乳類や 脊椎動物と共通して持っています。私たちは持っていないけれど動物たちは持っている感覚には何がありますか?」

磁場の知覚 ー 伝書鳩
紫外線 ー 蜂
足に味覚を感じる器官がある ー ハエ

「動物の生涯を形作るのはどんな活動ですか?ヒトデを例にとってみましょう。ヒトデがするだろうと思うことを全部挙げてください。(動き、食べる、エサをとる、逃げる、排泄、、、)ヒトデの個人的な経験と知覚(PEP)の図を描いてみましょう。」

40ページ
持続可能なニッチ

(イラスト)活動の周辺

視覚:周りに何が見えますか?光は?色は?
(視野の分類図)

音:風、声、音楽、車の音など?
味と匂い:食べ物と飲み物、空気?
触覚:空気、陽光、熱さと冷たさ、地面、手触り?
雰囲気:どんな感じの場所?
人々:周りの生き物は?近く?遠く?人は何人?
時間:いつこれをする?どれくらい長く?
動き:行動、移動、どうやってここに来る、どうやって帰る、動き回る、歩く、自転車、バス、または車など?

PEP 3
「個人的な経験と知覚」
スタンレー・キング、コ・デザイン・グループ

 「人生の一日」は日常の暮らしの流れを描写する手助けとなる
 PEP図で環境を描写する
 合わさることでこれらは人のエコロジー的なニッチを定義する

「地上のすべての生命体は必然的に持続可能な暮らしをします。もしもそうしないのであれば破滅的な結果が訪れるからです。私たちの都会的な現代の暮らしが、私たちの現在のニッチが、持続可能であるかどうか考えてみてください。ほとんどの生命体が実行しているようなものに倣った新しいニッチを、どのように定義できるでしょうか?

「良い暮らし」を定義することを考えてください。惨めな暮らしや貧しい暮らしではありません。もしも私たちが理想的に持続可能な暮らしをしたなら、私たちのニッチはどのようなものになりますか?新しいニッチにおいて、あなたは何を見て、聞いて、匂いをかいで、触りますか?あなたの一日はどんな様子ですか?」

「持続可能な学校という環境でのあなたのPEP図を描いてください。PEPの人体の周りにメモを書いてください。」

生徒たちが作業を終えたら、書いたものを発表してくれるように頼みます。

「1組のみなさん、動きと循環の項に何を書きましたか?二つ挙げてください。5組のみなさん、雰囲気には何を書きましたか?6組のみなさん、どんな音が聞こえましたか?」

41ページ
(イラストのみ)

42ページ
「生徒たちのアイディア」
一般
光の入る窓際で作業。
外で作業。
太陽光で部屋を暖める。
暖かくて明るい作業場。外で遊ぶ。
エコロジー的な暮らしを勧める標語
太陽光パネル
たくさんの植生
小さな駐車場
もっとたくさんの植生
公害がない
清潔な小道(訳注:公園の中などの小道を指す)
植生のある壁
夜は蛍光灯やLED(Light Emitting Diode、発光ダイオード) を使う
たくさんの窓
風力
水の生き物がたくさんいる池

雰囲気
じっとして凍えるのではなく、動いて暖まる。
相手を尊重した話し方をする
自然光
友達と一緒に活動する
互いの勉強を助ける
前向きな励まし
平和
機嫌の良い立派な先生
エコロジー的な暮らしを奨励する教師
励ます教師と協力的な生徒
幸せな先生
支援する先生(いろいろ助けてくれる先生)
選択する講座を分散してストレスを減らす
前向きな心構えのために何かのクラブに属する
持続可能だと感じる
ストレスを感じたときは散歩に行く
環境保護に取り組む組織でボランティアをする
ヨガ
もっと睡眠をとる
歌ったり踊ったりする

身の回りの人々や動物や植物

外で元気に遊んで暖房を節約する
屋根の上の菜園の世話をする
緑の壁からハックルベリーの実を摘む
家族や友達と散歩する
家族や友達とサイクリングをする
家族や友達と車を共有する(相乗りする)
家族や友達と公共交通機関を利用する
あまり長いことコンピューターの前に座らない

動きと循環
歩く
消防署の棒
滑り台
自転車、スクーター(訳注:片足で蹴って乗る子供の乗り物)、スケートボード、ローラーブレード
車を共有する
公共交通機関を利用する
走ったり踊ったりして暖かくする
持続可能な庭園を散歩する
ジョギング
盗難の心配のない自転車置き場、スクーターのためのロッカー、自転車のための駐輪施設(訳注:カナダでは自転車に鍵がついていないのが普通であり、塀や道路標識や細い木などに別に用意した頑丈な金属の鍵で固定する人が多い。駐輪用のラックがあればそれを使うが、慢性的に不足している。)
スケートボードで入れる入り口
生徒と先生のための無料の交通定期券
遊歩道
車が徐行するように道路に付けられた突起
車のない道
近くにバス停がある
近道
もっと大きな会堂
足で踏んでワインを作る
日本庭園の中の小道


アイポッドその他の電気機器やラジオではなく、鳥の声や自然な音を聞く
歌って暖かくする
持続に関する教育に耳を傾ける
歌うこと、口笛を吹くこと、鳥、風、風鈴
動物
車がない
滝、電気を使わないライブの音楽

ゴミ
堆肥になるトイレ
漂白剤を使わず、水の使用が少ないトイレ
便利な場所に置かれたリサイクル箱
あまり頻繁に小便をしない
消費者が使用した後の再生紙で作ったトイレットペーパー(訳注:再生紙の大部分は廃棄処分された未使用の紙を再生したもの)
トイレや洗い物に雨水を使う
もっと小さなゴミ箱
ゴミを分別する
ミミズを使った堆肥作り
生ゴミを堆肥にする箱

味と匂い
資源を節約するために果物と生の野菜を食べる
ゆっくり煮込んだ食べ物を食べる
地元で採れた有機栽培の食べ物を食べる
香水や人工の芳香剤を使わない

触覚
暖房節約のために室内で暖かい服を着る
地域の菜園で土に触れる
冷房ではなく自然の涼しい風で涼む
冷房ではなく海で涼む
机や白板を触る
人工芝ではなく自然の芝
有機栽培の食べ物を植える
リサイクル
本物の毛皮を触らない(訳注:動物愛護のため?)
雨水で手を洗う

持続可能な学校のためのPEP図


以上はプリンス・オブ・ウェールズ・セカンダリー・スクールの二つの学級の16歳の生徒たちが書いたコメントをまとめたもの。
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# by ammolitering7 | 2013-01-22 12:43 | 「ユースマニュアル」

ユースマニュアル3

28ページ
「壁の街」の歴史、スタンレー・キング
この作業は子供たちと共に始まりました。1960年代半ばにモントリオールで建築家として働いていたとき、私は自分の仕事が計らずして若者たちを疎外していたことに気がつきました。彼らは私を取り囲み、怒りに燃えた顔を向けました。その中には私の息子もいて、こう叫びました。「ブルドーザーが僕たちの遊び場を壊しているよ。そんなことが許されているの?どんな決まりがあるの?」彼らの遊び場は、大人の目にはただの空き地でした。しかし、そこには木の上に自分たちの基地もあり、彼らにとっては自然の一角に作った自分たちの領域だったのです。」

「コ・デザイン(訳注:一緒にデザインする):デザイン参加の過程」(スタンレー・キング他、Van Nostrand Reinhold(ヴァン・ノストランド・ラインホールド) 社、ニューヨーク 1989)

後に、私はこれが発展する郊外の場面ではありふれた出来事であることを知りました。彼らの怒りを鎮めようとして、私はデザイナーが未来の都市を計画した素敵なアイディアをまとめてみました。生徒たちはこれを敵意と共に却下しました。

イギリスのコリン・ワードは、私の経験をこう書いています。「スタンレー・キングはイギリスの建築家である。1950年代にカナダに移住し、教育委員会のプログラムの一環として生徒たちに都市環境への興味を喚起させる試みを行った。彼は訪れた教室での生徒たちの反応に愕然とした。「教室の雰囲気は不安と敵意と陰鬱さに満ちていました。つまり、生徒たちは口を利かなかったのです。もちろん、話を聞いてもいませんでした。」何か言ったり話を聞いたりするときには、 彼らの言動には無感動と恐れが 混じっていた。無感動は、「街は戦うには相手として大きすぎる」から。恐れは、彼らにとって街とは「そこに住む人々の上に忍び寄る邪悪な存在」だったからだ。このような防御的な状態を理解してくださる教師たちは多いだろう。

「ストリートワーク」(コリン・ワード、アンソニー・ファイソン共著、ルートレッジ・アンド・キーガン・ポール社、「都会と田舎の計画委員会」ロンドン、1973)

「このアイディアが好きじゃないなら、」と私は尋ねました。「どんな街に住みたいですか?」そして、出てきて教室の前に貼った紙に自分のアイディアを描くように頼みました。こうして若者たちが「壁の街」プログラムを始めたのです。美術の教師である妻のマーガレット、そして当時小学生だった私たちの子供たちの助けを得て、私は教え方を準備し始めました。

教師たちと校長の助けを得て、さらにCMHC(Canada Mortgage and Housing Corporation カナダ不動産抵当および住宅会社)奨励基金からの補助金も得られたので、私はバンクーバー市およびBC州全体の多くの小さな町やカナダ全体の都市や町の多くの学校で生徒たちと話し合いをしました。「壁の街」プログラムは、これらの数多くの話し合いの結果であり、また、私の建築学修士号のための論文「若者たちに建築の社会的な在り方を導入する」のための研究の結果でもあります。この論文は、1968年から70年にかけて、ブリティッシュ・コロンビア大学の建築学部と教育学部における学際的な研究の間に作成しました。

教育者たちからは熱意のある反応がありました。サイモン・フレーザー大学とビクトリア大学からは、この方法を教育者たちに教えるために招かれました。教師たちは独自の工夫を加えてこの方法を使い、教育の様々な側面で活用しました。

29ページ
第2章 世代を超えて年長者(専門家)から学ぶ

30ページ
ケース・スタディー:再生産可能なデザイン・アイディア・フェア。プリンス・オブ・ウェールズ・セカンダリー・スクール、バンクーバー市、2009年4月2日

「生徒の声」
「お集まり頂いた皆様の中には、今夜の集まりの目的が全く理解しかねると思っておいでの方もいらっしゃることでしょう。学校が深刻な資金不足で苦しんでいるときに、なぜアイディア・フェアなど開催するのでしょうか。馬鹿げているのではないでしょうか。しかし、バンクーバー教育委員会は、北米で最も持続可能な学校地区となることを目指しています。どこかで行動を始めなければ目標に至ることはありません。ですから、私たちは今ここから始めるのです。」

「持続可能なデザイン・アイディア・フェア」の開会の言葉。プリンス・オブ・ウェールズ・セカンダリー・スクールの生物学科生徒、キーラン・リー。(2009年4月2日。)

31ページ
共同作業
1、スタンレー・キング氏の希望は、「壁の街」プログラムを課題として使うことによって都市計画の過程に若者の参加を図ることでした。「壁の街」プログラムは、200を越える計画の場において子供たちの参加のために使われました。その中には、以下のような大規模な都市プロジェクトが含まれます:バンクーバー市のロブソン広場、グランビル・アイランド、フォールス・クリーク南部と南東部、ヘイスティングス公園(PNE)、ビクトリア市のジェームズ湾、カルガリー市のオリンピック・プラザ、メモリアル通り、都市部の公園、州立公園、国立公園、およびアルバータ州とブリティッシュ・コロンビア州各地の都市および小さな町。プログラムの過程はカナダ映画庁によって作成された映画に記録されています。「チェアズ・フォー・ラバーズ(恋人たちの椅子)」(1973)キング氏は、年長の生徒たちがプログラムを実行するためのエクササイズで、当校の生徒たちに直接トレーニングを施しました。

2、グリーン・ブリックス教育協会のダイアナ・クライン氏並びにフィオナ・ザワツキー氏の希望は、若者たちに持続可能なデザインの趣旨を教えることでした。また、彼らがひるがえって自分たちの両親に持続性を提示してくれることも望んでいました。両氏は持続性に関するテンポが速くて学ぶところの多いワークショップを開き、当校の生徒たちに持続可能なデザインの趣旨について教えました。彼らは資金をやり繰りし、フェアには来賓として市の関係者も手配してくれました。

3、当校の教師であるスーザン・エン・チャンは、年長者(あるいはその道の専門家)から何かを教わるというシステムによって生徒たちが学習に積極的に参加するようになるということに気がつきました。チャンがコーディネートした「持続可能なデザイン・アイディア・フェア」は、生徒たちがエコロジー的な暮らしについて考えるようにすることを目的としています。教科書を超えたエコロジーを教えることを望んだチャンは、生徒たちに自分の一日の暮らしと活動を振り返って、それが地域と地球のエコロジーにどんな影響を与えているかを観察するように促しました。

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左上から時計回りに
   生徒たちに教えるダイアナ・クライン
   スーザン・エン・チャンとスタンレー・キング
   持続可能な学校のデザイン、細部

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世代を超えて年長者(専門家)から学ぶ
地域社会の年長者(専門家)から、年長の生徒たちへ、そして年少の生徒たちへ。
すべての生徒たちが自分たちのアイディアを伝える:保護者、地域社会、世界へ。
伝えるのは、それはあなたです。

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必要なもの
「ユース・マニュアル」の第1章「壁の街」エクササイズ
年長の生徒たちのグループ(だいたい14歳かそれ以上)
年少の生徒たちのグループ(8歳から13歳くらい)
訪問して研究できる地元の持続可能な場所
(例:有機農場、屋根や壁に植生のある建物、LEED(Leadership in Energy and Environmental Designエネルギーと環境デザインにおけるリーダーシップ )に認定された建物、エネルギー効率の高い太陽熱発電による場所、開拓者の暮らしを見せる歴史村、産業化前の時代の原住民の暮らしを展示する博物館。)

地域の年長者(専門家)の例

*原住民の長老や語り部は、産業化前の持続可能な暮らしについて語ってくれます。
*持続可能なスペースをデザインする建築家、エンジニア、都市計画者、 造園技師
*有機農法を採用している園芸家や農家
*伝統的な保存食の作り方に詳しい高齢者(瓶詰め、漬物など)

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*効果と結果
*教科を超えた繋がり
*芸術、デザイン、生物学、地理学、基礎的な科学

年長者(専門家)から学ぶ
年少の生徒たちは年長の生徒たちから世話をしてもらい、注意を払ってもらう。年長の生徒たちはリーダーシップの経験をする。

計画に若者が参加する

変化を作り出す「誰か」の代表者に会うことで、生徒たちが感じる社会からの疎外感を減らす。

結果
変化をもたらす者としての若者
生徒たちは、自分たちの周りの作られた環境は変化しうるものであり、自分たちがその変化をもたらす者であることを理解する。

アイディア・フェアの後で、プリンス・オブ・ウェールズ・セカンダリー・スクールの生徒たちは、官僚的な障害を粘り強く乗り越え、すべてのデザインの中でも顕著だった学校菜園というアイディアを実現しました。プリンス・オブ・ウェールズ・セカンダリー・スクールは、2009年度の「グリーン・ブリックス学生の挑戦」賞を獲得しました。

(写真)BC州大学の持続可能な建物であるCKチョイ・ビルを訪問する生徒たち。
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# by ammolitering7 | 2013-01-22 12:33 | 「ユースマニュアル」